*ドロップラブ*
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#33 [みい]

「なんで途中下車してまで、私を送っていくの?ヒーロー気取り?

悪いけど、そんな押し付けがましい優しさなんて求めてない。


あの子と仲良く帰ればいいじゃない、本当の最寄駅まで。
別に私の話、してもいいわよ。「かわいそうだね」って哀れめば?


どうせ心の中では、いつもそう思ってたんでしょ?」



言い出せば止まらなくて、ほとんど八つ当たりのような内容だ。

⏰:08/11/11 00:10 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#34 [みい]

「…確かに俺、嘘ついてた。それは謝るわ」


悠の落ち着いた声が、嫌に胸を落ち着かせる。



「せやけど、何それ?俺がいつ、そんなこと言うた?」

「…本当は心の中で、笑ってたんでしょ。可哀相な奴だって」

「…都、大概にせえよ。怒るで」


悠の声が低くなる。

⏰:08/11/11 00:11 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#35 [みい]

「俺、自分を卑下する奴って、1番嫌いや」

「……」

「目が見えへんからって何?それだけやろ?何拗ねてんねん」



何も答えられない私は、ただ下を向くばかり。


「そんな子、もう知らんよ」


私の腕から手を離して、悠がこの場を去ったのがわかった。

⏰:08/11/11 00:13 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#36 [みい]

嫌われちゃった…かな。


そうだよね、こんなどうしようもない奴、嫌になっちゃうよね。



「帰らなきゃ…」


そう思い、杖を滑らせるがいまいち上手くいかない。


夢中で走ったから、いつものコースから外れてしまったようだ。


「最悪…」

⏰:08/11/11 00:13 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#37 [みい]

ママだって今日はパートの日だから、迎えに来てもらっても遅くなるな…。


仕方ない、誰かの助けを待とう。






東京って、みんな忙しいらしい。私に時間を割く暇なんて、ないみたい。


かれこれ1時間近く待ったけど、誰も声を掛けては来ない。

⏰:08/11/11 00:14 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#38 [みい]

自力で頑張ってみようか。


そう思い、杖を握り直した時だった。



「お姉さん、さっきから何してんのー?」


調子よさそうな声。見えなくてもわかる、ギャル男ってやつでしょ?


「いや、別に」

⏰:08/11/11 00:15 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#39 [みい]

「冷たいなあー!困ってるんでしょ?俺が手伝ったげるよ!」

「え、本当?」


思いがけない申し出に、安堵感が胸に広がる。
友達が、ああいう奴はダメって言ってたけど、中には案外いい人もいるじゃない。


ごつごつした手が、私の左手を掴んだ。


「マジマジ!んでさ、そのかわりと言っちゃあなんだけど、」

⏰:08/11/11 00:16 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#40 [みい]

男の声は、急に遮られた。


「悪いけど、他あたってくれへんかな?」



…悠だ。悠の声、だ。


「な、なんだよ関係ねえだろ!」

「俺の連れやねん、はよ退け」



チッと舌打ちしたあと、男が去っていったのがわかる。

⏰:08/11/11 00:17 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#41 [みい]

「ゆ、う?」

「よう知らん人にのこのこ着いてったらあかんやろ」


悠のため息が聞こえる。


「ご、ごめんなさい…。でも、手伝ってくれるって言うから…」

「あれ、キャッチやろ。色々面倒な連中や」



またまた悠の長いため息。

⏰:08/11/11 00:18 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#42 [みい]

「でも、なんで…?」


とっくに帰ったと思っていたのに、なぜ悠がここに?



「ずっとおったで?」

「え?」

「あんな風に言うてもて、すぐ後悔してん。なんて言うたら許してもらえるかな、て考えとった。すぐそこのベンチで」

「……」

⏰:08/11/11 00:19 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


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