*ドロップラブ*
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#11 [みい]
「はい。なんでわかるんですか?」
今度は私が聞く番だった。
「んー…、いつも見かけるから、かな?君は知らんと思うけど」
「知らなかったです。私、目が見えないから」
私の言葉に、彼が笑ったのがわかった。
「せやんな。見えへんもんな」
:08/11/10 23:48
:SH905i
:WX/jIpA.
#12 [みい]
私は正直、少し面食らった。
こういう場面になると、たいていの相手は謝ってくるのだ。
「無神経なこと言ってごめん」だの、なんだの。
それなのに、この初対面の青年ときたら、まるで正反対の反応。
…珍しい人。
:08/11/10 23:49
:SH905i
:WX/jIpA.
#13 [みい]
電車がホームに滑り込んだのを感じた時だった。
「ほな、行きますか」
そんな言葉と同時に、彼が私の頭をぽんと叩く。
「え?」
「俺んちも、ここの駅やねん」
彼の澄んだ声が、耳に届いた。
:08/11/10 23:49
:SH905i
:WX/jIpA.
#14 [みい]
なんだか変わった人だなあ、と思いながらも、杖を握り直し、電車を降りた。
「家まで送るわ」と言われ、一回は断ったものの、私はすぐに折れた。
近いから平気だと言うし、何よりこういう言い合いは得意ではないのだ。
:08/11/10 23:52
:SH905i
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#15 [みい]
「あんなあ、」
私の隣で、歩幅を合わせるように歩きながら彼は口を開く。
「なんですか?」
「さっきのん、一個だけ間違いあんねん」
完璧だと思ったんだけど、どうやら私の読みは少し外れていたみたいだ。
「君さ、俺のこと20代って言うたやんな?」
:08/11/10 23:53
:SH905i
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#16 [みい]
「はい、違いましたか?」
「なんでそう思たん?」
おっさんとちゃうからって、20代とは限らんやん?もしかしたら、10代かもしれへん。
そう言う彼に、私は少し得意になって答えた。
「だって、煙草の匂いがしたもの」
「煙草?」
:08/11/10 23:53
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#17 [みい]
「煙草は、ハタチからでしょ?」
そう言うと、彼が盛大に笑い始める。
「どうかしましたか?」
少しむっとした顔で、声のするほうを見ると、
「んははっ、いや、いい子ちゃんやなー思て」
と笑みを含んだ返答。
:08/11/10 23:54
:SH905i
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#18 [みい]
「別に、当たり前のこと言っただけじゃないですか」
「せやね。でも残念ながらハズレー。俺、18やもん」
ただの不良じゃないか。というか、同い年じゃないか。
まあ、どうでもいいんだけど。
「そうでしたか、それは残念です」
「あ、ほんまに思てへんやろー」
私の棒読みの台詞に、彼が茶々を入れる。
:08/11/10 23:55
:SH905i
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#19 [みい]
進学のため、滋賀県から上京したという彼。
名前は、悠(ユウ)というらしい。
「君は?名前なんて言うん?」
「都(ミヤコ)です」
かわいらしい名前やね、と言う彼の表情は伺えなくて、少し私を不安にさせた。
出会ってから初めて、声が笑っていなかったからだ。
:08/11/10 23:56
:SH905i
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#20 [みい]
意味もないのに、彼の顔があるだろう方向を見上げる。
「ん?何?」
「いや…別に」
「言うてよ。そないじっと見られると、照れてまうやん」
あ、笑った。
「大丈夫、どうせ見えてないから」
思わず自虐的に言ってしまい、はっとする。
:08/11/10 23:57
:SH905i
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