本当にあった×××な話
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#414 [ゆーちん]
どうでもいい話しをいくつか交わしていると、先輩は友達に呼ばれたので行くことになった。
「そんじゃあな。」
「うん、バイバイ。」
「あ、そうだ。」
去り掛けた足を止め、私の手にボタンを乗せた。
「え?」
「一応第2ボタン!」
先輩はピースしながらニコッと笑った。
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#415 [ゆーちん]
とまどっていると、先輩は私の手にボタンをギュッと握らせた。
「由美ちゃんの夢が叶いますように。」
笑っていたけど、どこか切なげな顔をして先輩は去って行った。
私は最後まで、先輩に励まされたり勇気づけられたりしてばかりだった。
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#416 [ゆーちん]
私は何か先輩にしてあげれたのかな?
頼ってばっかで迷惑かけたのに…。
それなのに好きって思ってくれた。
ありがとう。
先輩のこと好きだったよ。
ありがとね。
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#417 [ゆーちん]
そして、とうとう高校最後の学年になってしまった。
卒業式に先輩からもらったボタンは筆箱の中に入れてある。
私のお守り。
絶対海外行ってやるって気持ちを忘れさせないために、筆箱に忍ばせた。
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#418 [ゆーちん]
英語だって数学だって…これからは、はるちゃんをネタでゆすることもできないんだから自分の力で頑張るんだ。
そう決意した高校3年の春。
この1年は、一生忘れられない年になるなんて、まだ誰も知るわけがない。
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#419 [ゆーちん]
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いったんSTOP
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:08/12/07 19:04 :SH901iC :JoXzO7f2
#420 [ゆーちん]
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更新
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#421 [ゆーちん]
夏。
太陽が私たちを焦がしていく。
「青木さんっ!」
「お待たせ〜。」
大好きな彼氏の登場に、私の体は太陽より熱を帯びていく気がした。
「乗って。」
「うん。」
車に乗り込み海に向かう。
青木さんは多忙なので、あまりデートする時間がない。
それでもいい。
愛されてるって実感できるほどの愛情を私に注いでくれているから。
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#422 [ゆーちん]
「由美。」
「ん?」
「いい加減名前で呼べってば。」
また叱られた。
彼女に『青木さん』と呼ばれる彼の気持ちを考えると悪いのはわかる。
でもなかなか習慣的に抜け出せ無くって…。
「ごめんね、幸くん!」
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#423 [ゆーちん]
青木さんの下の名前は【幸太】。
呼び捨てするのは少し恥ずかしいので【幸くん】と呼ぶように心がけてはいるんだけど…。
「由美からキスしてくれたら許してあげるけど?」
運転しながら私に甘いお誘いをくれる。
こっちを見ずに前を向きながらそう言った。
よかった。
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