人生の案内板
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#132 [幸]
私は障害者と健常者は
顔が違うと思っていた
だってダウン症とか、
そうでしょ?
本で調べたんだから。
しかし、身体障害者とか
目、耳の不自由な人は
一見、健常者と変わらないんだよ
:08/12/24 00:05 :W53H :5tzWFXiw
#133 [幸]
こんなことを言ったら
差別になるかもしれないけど
この人は健常者と少々
違うと区別できる人は
健常者もその人に対して
優しく接しなくてはいけない
だって障害を持っているんだもの。
色んな面で不自由を感じているに違いない
だったらその気持ちを察して、
接した方がいいでしょ?
:08/12/24 00:08 :W53H :5tzWFXiw
#134 [幸]
私はボ〜ッと立っていた
すると、
『あなた、何してるの?
どいてあげなさいよ』
と、募金をしている大人に言われた
“何をしてる”って…?
私は疑問に思ったまま
言われた通りどいた。
:08/12/24 00:11 :W53H :5tzWFXiw
#135 [幸]
『いや〜ありがとね』
後ろからおじさんの声がした
おじさんは杖を持っていた
そして、その杖を黄色のブロックに当てながら
歩いて行った。
『すみません』
私はそう言った。
するとおじさんは後ろを振り返り
私に可愛い顔でニコッと笑ってくれた
:08/12/24 00:13 :W53H :5tzWFXiw
#136 [幸]
あのおじさん、
“ありがとね”って言ったよね?
なぜ?
私が悪いのに。
この黄色のブロックは
唯一目の不自由な人が
歩ける限られた範囲内
なのに。
そこを邪魔をしたのは私
なぜあのおじさんは
わざわざお礼を言ったのか?
:08/12/24 00:16 :W53H :5tzWFXiw
#137 [幸]
身近にいないと思っていた
障害者のことを。
でも違う。
そんなことない
私が視界に入れさせなかっただけだ
身近にいるのに、
私は……
一気に暗い気持ちになった
暗い気持ちのまま
学校へ向かった
:08/12/24 00:19 :W53H :5tzWFXiw
#138 [幸]
『かな〜!』
教室に着くと、ちなみ
が走ってきた
『どうしたの?』
『この前の判定Aだったの』
ちなみが嬉しそうにそう言った。
『まじで?よかったじゃん!
ちなみは何学部だっけ?』
:08/12/24 00:23 :W53H :5tzWFXiw
#139 [幸]
『かなが目指してる学部
より低いけど医学部だよ』
低いって……(笑)
まぁT大は医学部は他の学部より低い
『ちなみってさぁ、
夢とかあるの?』
私は興味津々で聞いた
:08/12/24 00:25 :W53H :5tzWFXiw
#140 [幸]
『うん、看護婦さん
私ナイチンゲール
みたいな、看護婦さん
になりたいんだぁ
勉強もして、より早く
治るように治療してあげたいの』
嬉しそうに言うちなみを見て
羨ましいと思った
“夢”があるんだぁ。
だからT大を目指してるんだぁ。
私は?
:08/12/24 00:27 :W53H :5tzWFXiw
#141 [幸]
私は…
なりたい職業なんてない。
どうすればいいの?
どうやって決めるの?
そう考える度に
あの少年に言われた事
が脳裏に浮かぶ。
しかし鐘が鳴った途端に
私は、はっと我に返り
席に座った
:08/12/24 20:35 :W53H :5tzWFXiw
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