人生の案内板
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#180 [幸]
2人の声が遠く聞こえた。
一方、私はまだ引っ張られていた
人ごみをさけ、誰もいない道に出た。
『鮎川…』
小早川君!?
:08/12/27 10:32 :W53H :nlA3ocY.
#181 [幸]
小早川君、ナイスだよ。
そう思った。
『悪いな、突然こんなことして。』
『ううん…』
暫く沈黙が続いた。
:08/12/27 10:34 :W53H :nlA3ocY.
#182 [幸]
『つばさのやつ、
鮎川の友達のこと…』
『え?まじ!?あきもなんだよ』
うわー両思いだったのかあ!!
小早川君と笑いあった。
彼の笑顔…好きだなぁ。
:08/12/27 10:36 :W53H :nlA3ocY.
#183 [幸]
って、何思ってんだ!?
私……。
『こんな俺だけど、
一緒にまわってくれる?』
『うん。』
嬉しいよ。小早川君。
こんなって言う、顕著
な所がもういい!!
:08/12/27 10:38 :W53H :nlA3ocY.
#184 [幸]
あなたのことが
好きです。
心の中でそう呟いた。
『ただいま〜』
って言っても誰もいない。
:08/12/27 10:40 :W53H :nlA3ocY.
#185 [幸]
夏祭りも終わり、
私は途中まで小早川君
に送ってもらった。
やばかったね。
いや、本当に。
私は部屋着に着替え
ベッドの上で携帯を持った。
:08/12/27 10:42 :W53H :nlA3ocY.
#186 [幸]
メール受信の音。
きたぁぁぁ!!
…ん?
あきだ。
私はあきからのメール
を読んだ。
最初は、途中で2人とも消える
からびっくりした
だって!!かわいい。
:08/12/27 10:44 :W53H :nlA3ocY.
#187 [幸]
そして最後の行には、
付き合ったっていう文字が…
うわぁ!!おめでとう!!
暫くあきとメールをしてた。
その内、寝てしまった。
:08/12/27 10:46 :W53H :nlA3ocY.
#188 [幸]
翌日。
父さんが電話だぞ。
と起こした。
『まじ!?誰から?』
私は目をこすりながら
聞いた。
父さんは低い声で
『警察から』
と言った。
:08/12/27 10:47 :W53H :nlA3ocY.
#189 [幸]
あの少年のことか。
私はそう思い、
電話を代わった。
『もしもし?』
『鮎川かなさんですか?』
『はい。』
『当時の様子を伺いたいので
〇〇警察署まで来て頂けません?』
:08/12/27 14:36 :W53H :nlA3ocY.
#190 [幸]
私はしぶしぶ返事をし、
洋服に着替えた。
カレンダーをふと目に
入った。
今日は日曜日。
だから父さんがいたんだぁ。
:08/12/27 22:40 :W53H :nlA3ocY.
#191 [幸]
『あの少年のことか?』
父さんが靴ひもを結ぶ
私にそう聞いた。
『うん…』
『お前の気持ちを伝えろ。
お前は母さんと違って
頭がいい。
相手を納得できるような
説明しろよ。』
:08/12/27 22:42 :W53H :nlA3ocY.
#192 [幸]
『わかった!!』
私は笑顔で家を出た。
警察は、あの少年をどうするつもりなのか?
そういえば、あれ以来
ニュースとか報道されてない。
:08/12/27 22:44 :W53H :nlA3ocY.
#193 [幸]
『鮎川さんですね?』
警察署に着いた。
私は警察の人たちと
一つの小さな部屋で
話した。
『あなたは、どこで
会ったんですか?』
『〇〇公園の近くの
路地裏です。』
私はあの日のことを
1から10まで話した。
:08/12/27 22:47 :W53H :nlA3ocY.
#194 [幸]
警察の人は、時々頷きながら
聞いてくれた。
この人は、きっと話を
ちゃんと理解してくれる。
そう感じた。
『あの少年がね、
なんで君が俺のこと
助けてくれたのか、
わからないって。
会ってみない?』
:08/12/27 22:50 :W53H :nlA3ocY.
#195 [幸]
『えっ?』
『自分の口から本人に
伝えた方がいいでしょ?』
何かが救われた気持ちになった。
彼に会えば、私の今までの
考えをかき消してくれるような
気がしたからだ。
なんのため勉強するか
という、難問に。
:08/12/27 22:52 :W53H :nlA3ocY.
#196 [幸]
『どうぞ。』
警察の人に案内され
前にあった椅子に座った。
あのドアの向こうに
彼が来る……
ガチャー
:08/12/27 22:53 :W53H :nlA3ocY.
#197 [幸]
彼が来た。
私はまじまじと彼の顔
を見た。
彼の顔は、あの日と同じ
目だけがギラギラしていた。
『なんで来たんだよ?』
:08/12/27 22:54 :W53H :nlA3ocY.
#198 [幸]
彼が椅子に座る当時にそう聞いた。
『私、あなたに言われてから
考えるようになった。
なんでT大学に行くのか。
またはなぜ勉強をするのか。
考えたけど、無理みたい。
私にはなりたい職業がない。
あれば、また違ってたかもしれないのに。』
:08/12/27 22:57 :W53H :nlA3ocY.
#199 [幸]
『まだ気にしてんのか?
忘れろ!!
俺は妬いてたんだ!
俺、受験なんてまだまだ
だけどK高校に行って
L大学に行って、心理学
を学びたかったんだ。
でも行きたくても
俺は無理なんだ。
金がないから…。
それなのに、夢も
学びたいこともない
あんたが大学に進学して
ずるいよ…
だったら、俺と交換しろよ。
そう思っただけだ。
だから妬いてただけなんだよ。』
:08/12/27 23:02 :W53H :nlA3ocY.
#200 [幸]
彼の声は…
震えていた。
悔しさがひしひしと
伝わってくる。
『俺のせいで、あんたが
苦しんだならごめん。
だから、もう俺にかまわなきて
いいよ。』
:08/12/27 23:04 :W53H :nlA3ocY.
#201 [幸]
ねぇ…なぜ?
なぜあなたはそんなに……
『…我慢するの?』
かまわないでって。。
そんな嘘、誰だって見破れる。
あなたは本当は…
助けてほしいくせに。
なぜ我慢するの?
:08/12/28 23:49 :W53H :rI5HnOXg
#202 [幸]
『我慢なんてしてねーから。』
『嘘だ!!
我慢してる!!』
私は力強く言った。
彼は少し驚いていたが
また口を開いた。
『あんたに俺の何がわかるんだ?』
:08/12/28 23:51 :W53H :rI5HnOXg
#203 [幸]
まただ…
『我慢してるって、
世の中我慢しなきゃ
生きていけねーんだよ!!
俺は弟のことで何度も
耐えてきた。。
我慢すればこの苦しみから解放されるって
信じて……
障害者と関わりのない
あんたには俺の気持ちが分かるかっ!!』
:08/12/28 23:53 :W53H :rI5HnOXg
#204 [幸]
彼の声は部屋中に響いた。
また…震えてる声だった。
障害者と関わりのない?
そうか…だから私は彼の気持ちが
わからないのか。。。
だからといって、
私は彼をほっておきたくない。
:08/12/28 23:55 :W53H :rI5HnOXg
#205 [幸]
『なんで…面会に来たの?』
心細い声で彼が聞いた。
『なんで来たの?
ほっとけばよかったじゃねえか。
俺のことなんて…
ほっといて、大学に向けて
受験すればいいじゃねか。
あの時おにぎりを渡してくれた。
それだけで十分だ…』
:08/12/28 23:59 :W53H :rI5HnOXg
#206 [幸]
言葉がでなかった…
私はただ、おにぎりを
あげただけなのに。
彼がそこまで感動するとは
予想外だった。
今まで、優しくされたことが
なかったの…?
今まで、彼を誰も
支えてくれなかったの?
今まで、彼の周りにいた人たちは
何をしてたの?
:08/12/30 00:13 :W53H :aR7PgfF2
#207 [幸]
強く叫びたかった。
訴えたかった。
『ありがとう…』
彼はそう言って、
私の前から消えた…。
何が‘ありがとう’なの?
なぜあなたが感謝するの?
:08/12/30 00:15 :W53H :aR7PgfF2
#208 [幸]
疑問を持つだけの私。
警察の人が外にどうぞと
導いてくれた。
私は八つ当たりをしたのか、
思いっきりその警察の人
を睨みつけた。
:08/12/30 11:26 :W53H :aR7PgfF2
#209 [幸]
私はゆっくりと歩いて帰った。
彼を助けたい…
彼は被害者だよ。
頭を使え…
私は頭がいいんだから。
私は今まで以上に頭を
使った。
ひねった。考えた。
:08/12/30 11:28 :W53H :aR7PgfF2
#210 [幸]
なんで…!!
なんでわからないの?
私は頭良いって言われてきたのに。
なんで彼を救う方法を
考えられないの!?
自分を責めたい。
初めて思った。
私って…馬鹿なんだ。と
:08/12/30 11:30 :W53H :aR7PgfF2
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