人生の案内板
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#451 [幸]
もうこの時期になると
休み時間の時でもみんな
勉強している。

勿論、私も。そしてちえみも。





しかし私は休み時間に
なった時必ず携帯をチェックする。

⏰:09/01/28 19:24 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#452 [幸]
メール……来てません。

一応かけるに謝罪のメールをしたが
返ってきません。

怒ってるのかな…。




ああ〜…
かけるのばか!!
返事よこせ!!

⏰:09/01/28 19:30 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#453 [幸]
弁当の時、
ちえみが話しかけてきた。



『さっき落ち込んだ顔してたでしょ?
どうしたの?』


弁当の時しか、こういう話をすることができないので、
私は一気に話した。

⏰:09/01/28 19:31 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#454 [幸]
『向こうはね、大学生よ。
そんな早く来るかな?』


『だって!!』
『かな〜。
あなたって、かける君
がいなきゃだめなのね!』

『んなことない!!』



ちえみは卵焼きを、
私は梅干しを食べていた。

⏰:09/01/28 19:34 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#455 [幸]
『鮎川!!
何ボ―っとしてる!?』



授業中、数学の先生に怒られた。


『一応、問題解いてますから。』


『その顔でか!?』



カチンときたので、
今まで解いてたノートを見せた。

⏰:09/01/28 19:37 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#456 [幸]
『いや〜失敬。
鮎川は顔に似合わずやってるんだなぁ。』



クラスがざわっと笑いだした。



弁当の時、
ちえみは卵焼きを一口
くちに入れて聞いた。

⏰:09/01/28 19:40 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#457 [幸]
『どうしたの?
本当に数学の先生時、
変な顔してたよ。』


『だって…
あれから一週間もメール来てないんだよ!?

絶対嫌われた…。』



…………。
かける……。

⏰:09/01/28 19:43 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#458 [幸]
『男はメール嫌いじゃん』

『私とのメールに飽きたの?』


『いや、…てか付き合ってないじゃん
かなたち。』


『だって、かけるは電話
できないんだよ?
メールしか連絡取れないんだよ?』


『うん…そだけど…』 『てことは…私と連絡取りたくないんだぁ!!』

⏰:09/01/28 19:50 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#459 [幸]
『わ…私だって陸から
メールこないときあるよ!』



と、ちえみは言った。


『でも一週間はないでしょ!?』

『あのね―!一応私たちは
つき合ってるからね。』


テンションが低いこの頃。

⏰:09/01/28 19:55 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#460 [幸]
そして帰りのHRに模試の結果が配られた。



お……L大A判定だ!!
さすが私。(笑)


『T大もAだし。
この調子で頑張れ!!』

担任にそう言われ、
ますます気合いがわいてきた。

⏰:09/01/28 20:58 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#461 [幸]
今日は父さんはご飯いらないってメールきたし、
あのレストランに行くぞ!


そう思い、急いで学校をでた。

⏰:09/01/28 21:00 📱:W53H 🆔:vvhWMjeI


#462 [幸]
一週間ぶりにきたあのレストラン。


思い切って中に入った。

『やぁ、かなさん。』 じじさんが優しい声で
迎えてくれた。

⏰:09/01/29 10:55 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#463 [幸]
『じじさん、かけるって
生きてるの?』


『いきなり凄いこと聞くね。
生きてるよ。』




そう話してると、ピアノの音が聞こえた。


私はかけるだと思い
見てみたが、違う人だった。

⏰:09/01/29 10:57 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#464 [幸]
『かけるがどうかしたの?』


『…メールが来ないんです。』



私はじじさんに話すと
じじさんは腹を抱えて笑っていた。


そんなに笑うことかな?


『んでここに来たと。
でもかなさん、今日は
かける、バイトじゃないんだよ。』

⏰:09/01/29 11:01 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#465 [幸]
『そうですか…』


私は失礼しましたと言い
レストランをでた。



レストランを出て、
暫く歩いて気づいた。

ご飯食べるんだった…と。

⏰:09/01/29 11:03 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#466 [幸]
『鮎川!!』


振り向くと、小早川君がいた。


『小早川君…。』
『鮎川!!
国語教えて!!』


私は正直、小早川君と
勉強をしたくなかった。

⏰:09/01/29 11:07 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#467 [幸]
『なっなんで?』
『俺、今日返ってきた模試
悪くて……。

だからお願い!!』




家に帰ってもかけるから
メール来ないし、
別にいいか。


そう思い、小早川君の頼みを承諾し、
小早川君の後を歩いた。

⏰:09/01/29 11:13 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#468 [幸]
私は今まで1人で家に
いたことがない。

1人になると、勉強も
スムーズにできないからだ。

1人になると、必ず図書館などで勉強をする。



でもかけると知り合って、
家でも勉強をできるようになった。

勉強すれば、かけるからメールが来るからだ。



なんて単純な理由…。

⏰:09/01/29 11:16 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#469 [幸]
『鮎川…?』

小早川君がいつもより
低い声で私の名前を呼んだ。


『なあに?』
『図書館、この時間帯
開いてないから
俺んち、来ないか?』



『…いい……。』

⏰:09/01/29 11:19 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#470 [幸]
なんか…嫌だった…。


『頼むよ…。
俺、国語さえよければ
いいんだよ…。
鮎川っ!!手伝ってくれよ。』


小早川君はだんだんと
大きい声をあげ、
私の肩に手をかけた。




『T大に行きてぇんだよ!!』


小早川君が大声で叫んだ。

⏰:09/01/29 11:24 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#471 [幸]
『わかったよ…。』
『鮎川っ!!ありがと!』



承諾しちゃった…。
大丈夫だよね…
小早川君は勉強のことしか
頭にないよね……?


私はそう言い聞かせながら
小早川君の家へ向かった。

⏰:09/01/29 11:26 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#472 [幸]
『大きい…。』
小早川君の家に到着。


にしても、大きい…。




『俺の部屋。』

そう小早川君に誘導され入った。


参考書でいっぱいの部屋だった。

⏰:09/01/29 11:29 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#473 [幸]
『模試の見直しやろう!』

小早川君はそう言って
準備をし始めた。




…私、なに勘違いしてたんだ…
ちょ―恥ずかしい…。

そう思いながら私も
準備を始めた。

⏰:09/01/29 11:31 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#474 [幸]
『これさぁ、なんでこうなるの?』



小早川君の質問に私は
丁寧に答えた。

また、私は政治経済が
わからなかったので
お互いに質問し、答えてた。


2時間、模試の見直しをした。

⏰:09/01/29 11:33 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#475 [幸]
『じゃあ、私そろそろ…』


気づけば8時。
お腹すいたし、帰りたかった。


私が帰ろうとした時
小早川君が私の腕を掴んだ。



『鮎川……』
小早川君の顔がゆっくりと
近づいてくる。

⏰:09/01/29 11:36 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#476 [幸]
『こっ小早川君…。』

『鮎川って、好きな人いるの?』



その質問に戸惑った。
暫く何も言わなかった。

『いるんだ…。』

⏰:09/01/29 11:38 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#477 [幸]
『かっ帰るね…。』



私は小早川君の腕を振り払った。
そして逃げるように去った。



『よう、今暇なの―?』

見知らぬ男にからまれた。

⏰:09/01/29 11:43 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#478 [幸]
時計は8時半を指していた。

私は今までこんな夜に、
1人で出歩いたことがなかった。



だからこんな経験も初めて。


『すみません…。』


そう言って逃げようとしたが
囲まれていた。

⏰:09/01/29 11:45 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#479 [幸]
何か話しているが、
全く耳に入らなかった。

怖い……
怖い。。

嫌…

『かける―!』


思わず、叫んでしまった。

⏰:09/01/29 11:49 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#480 [幸]
『かっ…かけるだとぉ!?』

『やべーよ、この女。』
『逃げるぞ。』



と、逃げていった…。



………?
なぜに?

⏰:09/01/29 11:51 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#481 [幸]
私はなるべく大通りを
通って帰った。




玄関に誰かがいた。

『かける……?』


かけるがこっちを振り返った。

⏰:09/01/29 12:02 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#482 [幸]
‘今日、じじさんの所
に行ったらかなさんが
来たって言われて…’



携帯でそう打たれていた。

私も携帯で打った。

『私の父さんがご迷惑
をおかけしました。』

⏰:09/01/29 12:04 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#483 [幸]
‘娘思いのいい父親だよ’


『そうかな?』
‘ああ。’



なぜか、かけるといると
自然に笑いがこみ上げてくる。

⏰:09/01/29 12:06 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#484 [幸]
‘テストだったからメール
できなかった。
ごめんな。’


『大丈夫だよ。』
‘本当に?’
『本当だよ!!』



なんだ…テストだったのか。
今までの私、なんだったんだ…。

⏰:09/01/29 12:08 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#485 [幸]
『と、言うわけなんです。』



翌日、学校でさっそく
ちえみに話した。
小早川君のことを除いて。


『あんたも早とちりなんだから。』

ちえみは笑いながらそう言った。

⏰:09/01/29 12:10 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#486 [幸]
『てか、文化祭来るの?』


ちえみがワクワクしながら聞いてきた。

文化祭……。
ここの文化祭は主に
2年生がメインだ。

3年生は受験なので…
だからカップルはよく
一緒に回っていた。

⏰:09/01/29 12:14 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#487 [幸]
『ちえみは?』
『陸が来てくれるんだぁ!!』



幸せそうに笑うちえみ。
私もかけるに聞いてみよう!!

⏰:09/01/29 12:15 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#488 [幸]
私はその夜、メールで
かけるに文化祭のことを言った。



‘いいよ。
高校の文化祭懐かしいな。’


と来た。
いやっったぁぁ!


私は今まで勉強と両立して手話も勉強してた。

文化祭の日までなるべく
携帯を使わないでかけると話せるようになる!!

と決めた。

⏰:09/01/29 12:39 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#489 [幸]
文化祭当日。


『陸くん、いる!?』



私はちえみに聞いた。

『ちえみ!!』


その時、金髪の男がそう叫んで
こっちに来た。

⏰:09/01/29 15:01 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#490 [幸]
『陸…』

ちえみは恥ずかしがっていたが
嬉しそうだった。



『あなたがかなさん?
ちえみがいつもお世話に
なってます。』


外見怖いのに、すごく
礼儀のある人でした。

⏰:09/01/29 15:02 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#491 [幸]
『いえ…こちらこそ。』

私も挨拶をした。




『かな!!かけるさんが
来たらメールしてね!!』

ちえみはこう言うと
陸くんと一緒に回った。

⏰:09/01/29 15:05 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#492 [幸]
予定より5分遅れている。

暫く待つことにした。




突然ツンツンと突かれた。

この匂い…かけるだっ!!

振り向くとかけるが笑っていた。

⏰:09/01/29 15:07 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#493 [幸]
『遅い〜!』
‘悪い悪い…’



私たちも歩き始めた。


‘手話うまくなったね’

『だって頭いいから』


‘言ったよ〜この子。’

⏰:09/01/29 15:09 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#494 [幸]
かけるとの会話が楽しかった。


私が手話を勉強したので
さらに楽しいと感じた。



‘クレ―プ食べたい’

『じゃあ並んでるね』

⏰:09/01/29 15:13 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#495 [幸]
かけるって甘いもの好きなんだ!


するとかけるが千円を私にくれた。



『えっいいよ。』
‘いいから。’



まだ曖昧な手話なのに
かけるは嬉しそうに手話で話してくれた。



会話することがこんなにも
楽しいことがわかった。

⏰:09/01/29 15:17 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#496 [幸]
あっ…
『かける!何がいい?』

と手話で聞いた。


‘チョコで’
『わかった』


かけるは本当に表情が豊か。


でもかけるの心の中までは
わからなかった。

⏰:09/01/29 15:20 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#497 [幸]
『おいし〜』

‘食べすぎると太るよ’

『太らないよ。』




何かの視線に気づいた。
ふと周りを見てみると
みんな私たちのことを見ていた。

⏰:09/01/29 15:24 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#498 [幸]
もしかして…私たちの
手話を見て―?



私はかけるの顔を見た。
かけるはその視線に最初から気づいていたのか
寂しく笑っていた。



『無理に手話をしなくても…』


私は小さい声で話した。

⏰:09/01/29 15:27 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#499 [幸]
‘別にいいさ。
俺は。慣れてる。
こういう目で見られてるの。’



かけるは携帯でこう打った。


どうすればいいかわからなかった。

今まで私に見せた笑顔は
偽りの笑顔だったのか?
それさえ疑問を持つようになった。

⏰:09/01/29 15:32 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


#500 [幸]
『本当に?』

私は手話で聞いた。



‘かなさんは人目を
気にするの?’

かけるも手話でこう聞いた。

⏰:09/01/29 15:34 📱:W53H 🆔:WAe8sHqk


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