双子の秘密
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#136 [ゆーちん]
乾き過ぎて暑いくらいの屋上の床に座って、こう聞いた。
「私に会えなくて寂しかったでしょー?」
期待していたふざけた答えが返って来る事はなく、先生の笑顔がスッと消えた。
:08/12/08 21:06 :SH901iC :xLeVnYmI
#137 [ゆーちん]
「何でわかんのー。」
こうやって語尾を少し伸ばして喋る癖のある先生。
私はその口調が心地よくて安心できるの。
「何で俺が寂しかったって知ってんの?斗美も寂しかったの?」
「え?あ…いや、そうじゃなくて…えっと…」
:08/12/08 21:07 :SH901iC :xLeVnYmI
#138 [ゆーちん]
先生は煙草を携帯灰皿に捨てた。
「前にも言ったよね。」
「え?」
「俺も男なの。」
頭の後ろに先生の手が回ったと思ったら、次の瞬間には目の前に先生がいた。
:08/12/08 21:08 :SH901iC :xLeVnYmI
#139 [ゆーちん]
私の唇は先生の唇と重なっていて…教師と生徒の壁を越えてしまった瞬間だった。
驚いて開いたままだった目を、ゆっくり閉じて、キスに答えた私。
甘く長いキスだった。
:08/12/08 21:08 :SH901iC :xLeVnYmI
#140 [ゆーちん]
〔斗羽〕
高校生になってバイトを始めた。
駅前のカフェ。
人見知りをするというコンプレックスがあるからこそ、あえて接客業を選んだ。
どんな時でも笑顔を作ってなきゃいけないという役割。
:08/12/08 21:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#141 [ゆーちん]
最初は恥ずかしかったものの、1ヵ月もすれば自然に笑顔を浮かべる事ができていた。
「斗羽ちゃん!」
「あ、いらっしゃいませ。来てくれたんだ。」
このバイトのおかげで人見知りが少しは治ったのか、中学時代なんかと比べられないくらい友達が増えた。
:08/12/08 21:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#142 [ゆーちん]
「カフェオレ1つね。たっくんは?」
友達の恵は彼氏と来てくれた。
「俺アイスカプチーノ。」
「カフェオレ1つとアイスカプチーノ1つですね。合計720円になります。」
「はいよ〜ん。」
「あ、俺出すわ。」
たっくんと呼ばれる彼氏がお金を払うと、恵は甘えた声で『ありがとう。』と何度もお礼を言っていた。
:08/12/08 21:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#143 [ゆーちん]
彼氏ねー…。
聡志以来、彼氏はいない。
欲しいと思うけど、今度付き合うならHなんかしない人がいいなー、なんて。
そんな性欲ゼロの人なんていないか。
:08/12/08 21:11 :SH901iC :xLeVnYmI
#144 [ゆーちん]
「ごゆっくりどうぞ。」
「ありがとね、斗羽。」
商品を受け取ると恵たちは奥のテーブルに向かった。
その後、店はなかなか忙しくて恵たちが、いつ帰ったのか気付かなかった。
いつの間にか上がる時間になっていて、店長から『上がっていいよ。』と言われたので、店の制服から学校の制服に着替え、家へと歩き出す。
:08/12/08 21:11 :SH901iC :xLeVnYmI
#145 [ゆーちん]
駅前は明るく賑わっているので怖くない。
だけど駅前から少し離れると急に暗くて不気味な道があり、いつもビクビクしながら帰ってた。
こんな時、送り届けてくれる彼氏とかいたらなー…。
:08/12/08 21:12 :SH901iC :xLeVnYmI
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