双子の秘密
最新 最初 全
#165 [ゆーちん]
「好きな人いる?」
「いないですね。」
「何で?恋愛しなよ。学生なのに勿体ない。俺も学生戻りたいな。」
「どんな高校生だったんですか?園田さんって。」
「俺?超〜人気者。」
「嘘だぁ。」
満面の笑みで笑ってる私と違い、園田さんは小さく笑っていただけだった。
:08/12/08 21:27 :SH901iC :xLeVnYmI
#166 [ゆーちん]
「ファンクラブもあったべ。」
「絶対嘘ですよねぇ!」
「本当だって。で…そのファンとやらに手ぇ出したらガキ出来て、高校辞めてここに就職。つまんねー学生時代だったわ。」
そう言って遠くを見て笑った。
:08/12/08 21:27 :SH901iC :xLeVnYmI
#167 [ゆーちん]
「そうなんですか。じゃあ、ここ、かなり長いんですね。」
「17の時からだからー…8年目?ガキもいつの間にか今年からランドセル背負ってっからね。」
「そんな大きいお子さんのバパなんですか。見えないです。」
:08/12/08 21:28 :SH901iC :xLeVnYmI
#168 [ゆーちん]
「本当?俺、見た目若い?」
つまらなさそうに笑った園田さん。
家族の話はもっと楽しく話せばいいのに。
「若いですよ。高校生でも通るんじゃないですか?」
「マジ?じゃあ高校生と恋愛してーな。」
【高校生】って単語だけで楽しそうになる園田さん。
親父じゃん!なーんて。
:08/12/08 21:29 :SH901iC :xLeVnYmI
#169 [ゆーちん]
「アハハ。高校生と?犯罪ですよっ。」
私は笑った。
すると園田さんの顔には小さな笑顔だけが浮かべ、私の目を見ていた。
「…じゃあ桜井さん、共犯者ね。」
そう言って、園田さんは私にキスをした。
:08/12/08 21:30 :SH901iC :xLeVnYmI
#170 [ゆーちん]
「…っ、やっ!」
思わず唇から離れた。
園田さんの顔が見れない。
「…何、したんですか。」
「キスだけど。」
「どうして…ですか。」
頭が上手く回らない。
パニックになっていた私の手を、園田さんは強く握った。
:08/12/08 21:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#171 [ゆーちん]
「好きになっちゃった。」
「でも、結婚してるんじゃ‥」
「好きになっちゃダメなの?」
そんな、強い瞳で見ないでよ。
不倫なんて、ダメに決まってんじゃん…。
好きになっちゃダメです。
そう言えばいいだけなのに…私の唇は動かずに、またキスを交わしていた。
:08/12/08 21:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#172 [ゆーちん]
ゴトッ…
「っ!」
人の気配がしたので慌てて唇を離した。
「園田さ〜ん、ちょっとレジの調子悪いんで来て貰ってもいいですかー?」
「あぁ、わかった。すぐ行く!」
私の手を離し、園田さんは立ち上がった。
:08/12/08 21:49 :SH901iC :xLeVnYmI
#173 [ゆーちん]
「邪魔くさいな。終わったらすぐ戻るね。」
「…。」
恥ずかしくてずっと俯いていた。
園田さんは小走りで店の方に戻って行く。
:08/12/08 21:49 :SH901iC :xLeVnYmI
#174 [ゆーちん]
一人で冷静に考えた。
これは…悪い事だよね。
悪い事だってわかってるのに、どうして二度目のキスを簡単に受け入れてしまっちゃったんだろう。
今、辞めればまだ間に合う。
不倫する気はない、ってちゃんと伝えよう。
:08/12/08 21:50 :SH901iC :xLeVnYmI
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194