双子の秘密
最新 最初 🆕
#278 [ゆーちん]
「ねぇ。」

「はい?」

「…今日、放課後、先生とデートしたい。」

「喜んで。」


夏休みが近付く暑苦しいあの日、私は初めて自分からデートの誘いを入れた。


緊張なんてしなかった。


誘わずにはいられなかったから。

⏰:08/12/10 17:24 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#279 [ゆーちん]
バイトはキャンセルだ。


今日はこの人と居たい。


この人と笑いたい。


この人に触れたいし、触れられたい。


こんな事を思ったのは初めてだった。


とびっきり甘いキスをしてから、先生は私の乱れた服を整えてくれた。

⏰:08/12/10 17:25 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#280 [ゆーちん]
「放課後の楽しみが出来たので、6時間目は頑張って乗り越えましょうね。」

「アハハ。先生もね!」


足の上から降りると、妙にスカートの中が寒く感じた。


こんな暑い日でも人肌はやっぱり心地いいものなんだ。

⏰:08/12/10 17:25 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#281 [ゆーちん]
待ち合わせ場所は私の家の玄関前。


ヘタに待ち合わせとかして目撃されると後々面倒だから。


学校から家までの地図を書いて写メールを送っておいた。


便利な世の中。

⏰:08/12/10 17:27 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#282 [ゆーちん]
勤務時間が終わった先生は今まさに、その地図を見ながらこっちに向かって来てくれている。


段々と涼しくなる風に、髪を揺らされながら先生が来るのを待った。


…まだかな。


早く、逢いたい。


こんな気持ちになるのは生まれて初めてだった。

⏰:08/12/10 17:28 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#283 [梨乃]
みてます

⏰:08/12/10 17:28 📱:P905iTV 🆔:B0NtWS3Y


#284 [ゆーちん]
ピカピカッと車のライトが私を照らした。


私の顔は自然に緩み、待ち侘びたお迎えに走り寄った。


助手席の窓が開いていて、覗き込むといつもの笑顔が車内に潜んでいる。


「お待たせー。」

「ううん、カッコイイ車じゃん!」

「でしょ?はい、乗ってー。」

⏰:08/12/10 17:29 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#285 [ゆーちん]
ドアを開けて、助手席に乗り込むとのんびりした洋楽が流れていた。


独特な車内の匂い。


車はゆっくり走り出す。


「つか迷ったんだけど。」

「嘘!」

「こんな下手くそな地図じゃわかる訳ねーじゃん。」

⏰:08/12/10 17:29 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#286 [ゆーちん]
そう言って私の送った写メールの画面になっている携帯電話を突き付けて来た。


「私さぁ地図なんか書くの初めてだから、どう書けばいいのかわかんなくて。」

「まぁいいけど。もう覚えたし。」

「覚えたの?記憶力いいね。」

⏰:08/12/10 17:33 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


#287 [ゆーちん]
「…教師だから、僕。」

「そうなんだー。知らなかったー。」


ふざけて笑い合う時間が好き。


安心するな、この人といると。


「一回覚えれば次から迷わないで済むわ。」


次から…ねぇ。


嬉しい事言ってくれんじゃん?

⏰:08/12/10 17:33 📱:SH901iC 🆔:0Xqg4XG.


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194