双子の秘密
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#292 [ゆーちん]
「はい、由良先生の部屋はどこでしょうか?」
「は?何で問題出されてんの私。」
「さっきロビーで部屋番号入力してたの見てなかったの?」
「見てないし!」
「もぉ〜。見ててよ。今度から1人で来れないと困るでしょ?」
何だよ、それ。
:08/12/10 18:38 :SH901iC :0Xqg4XG.
#293 [ゆーちん]
今度からとか、1人でとか…。
照れんじゃん。
心臓、ドキドキしすぎだし。
「ここ何階かはわかる?」
「9階でしょ?何階かぐらいはわかるよ。」
また、先生の後ろをついて歩く。
:08/12/10 18:38 :SH901iC :0Xqg4XG.
#294 [ゆーちん]
と、先生はいきなり足を止めた。
クルッと回り、顔を近付けて私に言う。
「きゅーいちれい!」
「…へ?」
「部屋番。910。」
「あぁ、うん。910ね。」
表札には由良と書いた字の上に910と記されていた。
:08/12/10 18:39 :SH901iC :0Xqg4XG.
#295 [ゆーちん]
「覚えててね。このマンション、学校から案外近いから放課後来やすいだろうし。」
先生は鍵を開け、中に入った。
先生独特の匂いが部屋から溢れ出る。
「…えっ!」
「え?」
「来ていいの?」
「うん、いいよ。何、嫌?」
:08/12/10 18:39 :SH901iC :0Xqg4XG.
#296 [ゆーちん]
思い切り首を横に振ると、先生は笑った。
「バカ丸だしだから、早く入りな。鍵も閉めといて。」
玄関に入り、ドアを閉め、鍵をかけた。
サンダルを脱いで部屋に入ると、立派な部屋が待っていた。
「物、少なっ!」
「…斗美さぁ。もっと可愛いげのある反応出来ないの?」
:08/12/10 18:45 :SH901iC :0Xqg4XG.
#297 [ゆーちん]
「だって本当に少ないんだもん。」
鞄をソファーの上に置き、部屋の中を探検した。
「綺麗〜とか、シンプル〜とかさ。」
「あっ!先生、これ何?」
話も聞かずに部屋中の珍しい物を嗅ぎ回った。
:08/12/10 18:45 :SH901iC :0Xqg4XG.
#298 [ゆーちん]
「斗美。」
「ん?」
「バカだしガキだし、欠点だらけだね。」
ソファーにもたれながら煙草を吸う先生は笑ってた。
「はぁ?先生だってバカだよ。」
先生の隣に座り、ほっぺを摘んでやった。
「…痛い。」
「痛くしてるもん。」
「ハハッ。」
:08/12/10 18:50 :SH901iC :0Xqg4XG.
#299 [ゆーちん]
この笑顔が胸をキュッとさせるの。
「早く吸い終わって。」
「何で?」
「いいから。」
先生は最後に大きく吸い込んでから、煙草を灰皿で消した。
空に白い煙が浮かぶ。
「あ、わかった。」
:08/12/10 18:50 :SH901iC :0Xqg4XG.
#300 [ゆーちん]
「何?」
「早く吸い終わらないとキスできないからだ。」
「…バレた。」
煙草を吸いたてのキスは、苦い。
舌が入って来るたび苦みが口の中に広がる。
だけどその苦みさえも嬉しく思えてしまう。
:08/12/10 18:55 :SH901iC :0Xqg4XG.
#301 [ゆーちん]
「…ベットがいい。」
「厚かましい〜。」
「もう!」
「アハハ。おいで。」
ブレーキが効く内に、私たちは寝室に移動した。
勢いよくベットに倒れ込み、苦いキスをする。
我慢していた欲は、一気に溢れ出す。
:08/12/10 18:56 :SH901iC :0Xqg4XG.
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