双子の秘密
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#380 [ゆーちん]
洗う手を止めず、背を向けたまま答える先生。
「ううん。彼女とお風呂なんか入った事なーい。」
「絶対嘘だよ。」
「斗美は今までの彼氏と入ってたの?」
「入ってない。今までの彼氏は私の体だけが目的だったから、Hして飽きたらバイバイだもん。」
:08/12/10 21:07 :SH901iC :0Xqg4XG.
#381 [ゆーちん]
「あー、昔の俺だ。」
「マジ?そんな最低な男だったんだ。あ、先生。ここ洗えてないよ。」
泡の付かなかった背中の部分を指で突くと、タオルが移動して、その場所に泡を広げた。
:08/12/10 21:07 :SH901iC :0Xqg4XG.
#382 [ゆーちん]
「うん、最低な男だったよー。」
別に嫌になったりしない。
昔の事だもん。
こうやって今、一緒にお風呂に入ってくれてるって事は少なくとも今までのタイプとは違う男だから。
ちゃんと更正した人に、恨みを持ったりしない。
:08/12/10 21:08 :SH901iC :0Xqg4XG.
#383 [ゆーちん]
「先生みたいな最低な人としか付き合った事なくて、お風呂なんか入る前に帰るか帰されるかだもん。だからこうやって一緒に入るのは先生が初めて。」
「さっきから、俺が最低って設定は変わらないのかなーって疑問に思ってんだけど…」
「アハッ!あえてスルーしたぁ。」
:08/12/10 21:09 :SH901iC :0Xqg4XG.
#384 [ゆーちん]
浴室は笑い声は響く。
おかげで気分も高まる。
「そんな最低な男だったから、今はちゃんと真面目になれるんだよ。こうやって彼女と風呂なんか一緒に入ってさー。昔の俺が見たら、ビックリすんだろうな。」
泡を流し終えた先生は、浴槽に入って、私の目の前に座った。
:08/12/10 21:10 :SH901iC :0Xqg4XG.
#385 [ゆーちん]
「先生。」
「はい、斗美ちゃん。」
「私、先生の事本気になってもいいですか?」
「…。」
何も言わず、ボーッと私の顔を見続ける先生。
「何か言ってよ。」
恥ずかしいじゃんか。
「桜井さん。」
「はい、由良くん。」
:08/12/10 21:11 :SH901iC :0Xqg4XG.
#386 [ゆーちん]
「今の質問、そっくりそのまま返します。」
私に本気になってもいい?って事…だよね。
何これ。
心臓がドキドキうるさい。
体中に電気が走ったみたいに胸がギュッとなる。
「つーかダメって言われても、もう本気になっちゃってんだけどね。」
:08/12/10 21:11 :SH901iC :0Xqg4XG.
#387 [ゆーちん]
水の中だと電気がよく通るとでも言いますか。
もう無理。
やられたわ、私。
照れ顔を隠せないまま、私は手を伸ばしながら先生に抱き着いた。
「はーい、よしよし。」
「何でそんな平然なの。こんなの慣れっこなんですかっ!?」
:08/12/10 21:13 :SH901iC :0Xqg4XG.
#388 [ゆーちん]
照れると乱暴な口調になるこの癖、治さないとな。
全然可愛くないもんね。
「ハハッ。慣れてないって。」
「嘘だー。もう私なんか恥ずかしくて死にそうだもん。」
「俺も恥ずかしいよ?ほれ。」
先生は私の右手を取り、平たい胸にあてた。
あ、本当だ。
手の平に伝わってくる先生の鼓動は早かった。
:08/12/10 21:14 :SH901iC :0Xqg4XG.
#389 [ゆーちん]
「何でこんなに優しいの?」
「はい?いきなり質問飛んだねー。」
「だって付き合ってまだほんの少しなのに、お風呂一緒に入ってるし、合い鍵とか…早くない?」
「だから言ってんじゃん。俺、斗美の事マジなの。」
:08/12/10 21:14 :SH901iC :0Xqg4XG.
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