双子の秘密
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#505 [ゆーちん]
恵を見た瞬間、ゾッとしたけど…案外平気だった。
平然を装える自分に驚くばかり。
恵と話していた時だ。
太一くんからのメール。
《今日の夜、公園来れる?》
恵が目の前にいるのに…本当、タイミング悪い。
:08/12/11 11:53 :SH901iC :uyR.lwfs
#506 [ゆーちん]
「あれ、メール?誰からぁ?」
「友達だよ。」
「そうなんだ。つまんなーい。斗羽ちゃん彼氏いないの?」
「うん、いないよ。」
園田さんは彼氏として、友達なんかに紹介できない。
妻子持ちの彼氏がいるだなんて言って、祝福されるはずない。
:08/12/11 11:53 :SH901iC :uyR.lwfs
#507 [ゆーちん]
「たっくんに頼んで、誰か紹介してもらおっか?」
たっくんねぇ…。
そのたっくんとも付き合っちゃったんだよ、私。
恵、今目の前にいる私はたっくんの浮気相手だよ。
「仲良しだね。恵と彼氏。」
:08/12/11 11:54 :SH901iC :uyR.lwfs
#508 [ゆーちん]
「仲良しだよぉ!夏休み中はあんまり会えなかったんだけど、毎日連絡くれたし。」
「別れの危機とかなかったの?」
「危機?ぜ〜んぜんっ!超ラブラブだよ。」
ラブラブ。
その言葉に嫉妬した。
:08/12/11 12:18 :SH901iC :uyR.lwfs
#509 [ゆーちん]
「いいね、ラブラブ。」
「エヘッ。絶対結婚するからねー。」
恵とは別れるって、あの日言ってたのに。
別れる気なんか更々ないんじゃん。
「結婚式呼んでね!」
作り笑顔を残し、私は恵とバイバイした。
これ以上聞きたくない。
:08/12/11 12:19 :SH901iC :uyR.lwfs
#510 [ゆーちん]
《いいよ。》
太一くんに返事をして、そのままポケットに携帯電話を入れた。
9月の風はまだ温かい。
夜になれば涼しくなるだろうか。
夜になれば私の悩みは軽くなっているだろうか。
:08/12/11 12:20 :SH901iC :uyR.lwfs
#511 [ゆーちん]
太一くんときちんと終わらせている事を願いながら、バイトに向かった。
こんな日に限って園田さんは休み。
顔が見たかったのに…タイミングの悪魔にでも取り付かれてんじゃないかな、私。
「いらっしゃいませ。」
レジで笑顔を売るバイトが始まった。
:08/12/11 12:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#512 [ゆーちん]
一生懸命笑顔を作った。
心が不安定なせいでミスが出てしまわないように仕事に集中した。
おかげで上がりの時間までものすごく早かった。
「お疲れ様でした。」
毎日歩き慣れた暗い夜道を少し急ぎ足で歩く。
:08/12/11 12:21 :SH901iC :uyR.lwfs
#513 [ゆーちん]
《着いたよ。》
そんなメールが10分前に受信してあったから。
小走りで公園に向かうと、ベンチに座りながら携帯電話を触っている太一くんがいた。
「…お待たせ。」
「あ、斗羽ちゃん。」
私に気付いた太一くんは携帯電話をポケットに入れた。
:08/12/11 12:22 :SH901iC :uyR.lwfs
#514 [ゆーちん]
隣に座った途端、太一くんは口を開いた。
「久しぶり。」
「うん、久しぶり。」
「元気だった?」
「元気だよ。太一くんは?」
こんな話をしてる場合じゃない。
ちゃんと話を切り出さないと。
「元気じゃない。」
「え?どうかしたの?」
:08/12/11 12:23 :SH901iC :uyR.lwfs
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