双子の秘密
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#515 [ゆーちん]
「斗羽ちゃんに別れようって言われた。」
ありがたい事に太一くんから話を切り出してくれた。
「その事なんだけど、好きな人がいるんだ。だから太一くんとは付き合えない。」
「…。」
太一くんは何も言わずに私を見ていた。
:08/12/11 12:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#516 [ゆーちん]
「前に言ったでしょ?複雑なの、この恋は。太一くんが絡むと余計に複雑なる。」
少しキツい言い方だった。
これで私が嫌われればいいのに。
なのに太一くんは引かなかった。
「2番目でもいいから…別れるなんて言わないで。」
:08/12/11 12:28 :SH901iC :uyR.lwfs
#517 [ゆーちん]
何でそんな事言うのかがわからない。
「私は太一くんの2番目なんて嫌だよ。」
「何言ってんの。斗羽ちゃんは1番だから。」
「嘘つかなくていいよ。恵と今日話したの。毎日たっくんはメールくれるって。結婚するんだって。」
:08/12/11 12:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#518 [ゆーちん]
太一くんの目が一瞬それた。
「恵にはバレてない。だから今のうちに別れて、もう終わらそう。」
「恵とは…別れるから。」
「その言葉、前にも聞いた。」
太一くんは苦い顔を浮かべた。
恵と別れる気なんかないんなら、私に手を出さないで欲しかった。
:08/12/11 12:30 :SH901iC :uyR.lwfs
#519 [ゆーちん]
その手を握りしめた私も悪かったけど…嘘の優しさはもういらない。
「太一くんの事、好きだったよ。今までありがとうね。バイバイ。」
私はベンチから立ち上がった。
何も言わない太一くんを残して公園から出た。
:08/12/11 12:31 :SH901iC :uyR.lwfs
#520 [ゆーちん]
その時だった。
走り寄る音がして、腕を掴まれて、振り返った時には太一くんの顔が目の前にあった。
…辞めて。
そんなキスなんかいらない。
:08/12/11 12:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#521 [ゆーちん]
首を振って、逃げようとすればするほど、太一くんが私の頭を押さえる力が強くなる。
痛い。
心が痛い。
嘘もいらないしキスもいらない。
2番目なんてもっといらない。
:08/12/11 12:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#522 [ゆーちん]
そう決めたんだから…そんな優しいキスしないで。
涙が出た。
太一くんの勝手さに?
いきなりキスをされたから?
違う。
自分の弱さに泣けて来たんだ。
:08/12/11 12:34 :SH901iC :uyR.lwfs
#523 [ゆーちん]
あれだけ恵にラブラブ話を聞かされて、別れを決意したのに。
あれほど私には園田さんしかいないって、特別な恋を覚悟したのに。
もう、2番目の女って役割は園田さんだけで充分だよ。
なのに…太一くんのキスを受け入れた私は、彼の体を抱きしめていた。
:08/12/11 12:35 :SH901iC :uyR.lwfs
#524 [ゆーちん]
頭と体の意見が噛み合ってない自分の弱さに涙が止まらなかった。
きっと、どこかに悪が潜んでいるんだ。
園田さんが好き。
だけど私は園田さんにとって2番目でしょ?
だったら私も他の人と付き合ってもいいんじゃないかな、って。
:08/12/11 12:36 :SH901iC :uyR.lwfs
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