双子の秘密
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#63 [ゆーちん]
「いきなりピアス開けたり髪の毛染めたり…斗美から離れてったんだよ?」
斗美の目が恐かった。
「何言っちゃってんの。斗羽が頭よくて運動できて、いつの間にか成績表は見違えるくらいの差ができて…私は斗羽と比べられんのが大っ嫌いだったの。」
:08/12/08 19:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#64 [ゆーちん]
「それは勉強しない斗美が悪いんじゃない!」
「そうだよ。バカな私が悪いの。見た目が同じなのに中身は違う。比べられてバカにされて…だから私は外見を変えたの。斗羽と私は違うんだから、って皆に見せ付けたかったの。」
雷に打たれた気分だった。
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#65 [ゆーちん]
双子の悩みは…ある意味似ていたんだ。
私たちは互いに比べられるのが嫌。
私は私なんだよ、と心の中でいつも思っていた。
なんだ…一緒だったんだ。
双子ならではの悩みは、やっぱお互い抱えてしまうものなんだね。
:08/12/08 19:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#66 [ゆーちん]
『私も悩んでた。』とは言わなかった。
私が斗美の外見を真似ようとした事で、余計に苦しめてしまっていた。
私が悪いところもあったのだから、今は謝るしかない。
:08/12/08 19:10 :SH901iC :xLeVnYmI
#67 [ゆーちん]
「ごめん。斗美の悩みに気付かなかった。」
「これ以上真似してきたら殴るよ?」
「女の子なんだから、殴るとか言っちゃダメだよ。」
「ったく。いちいちウザい妹。斗羽のがしっかりしてんだから、あんたが姉だったらよかったのにね。」
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#68 [ゆーちん]
斗美は舌打ちをしてから家に入って行った。
久しぶりだった。
こんな風に会話をたくさん交わしたのは。
斗美の口調が悪くなっていた悲しさと、私と同じ声色は変わっていなかった嬉しさ。
複雑な気分。
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#69 [ゆーちん]
私も後を追うように、家に入った。
その夜、私たちはリビングでお笑い番組を見た。
朝はひどい事言っといて、結局は一緒に見てくれる斗美は素敵な姉だよ。
私は斗美が好き。
だけど比べられるから嫌い。
わがままなんだよ、私って。
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#70 [ゆーちん]
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思春期の気持ち
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:08/12/08 19:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#71 [ゆーちん]
あの日、斗美の本音を聞いてから、少しは私への態度が良くなってくれた姉。
「斗羽、そのピアス貸して。」
「え?」
「聞いてなかったの?私はこれからデート。だからそのハートのピアスをつけたい。だから貸してって言ったの。」
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#72 [ゆーちん]
「あ、うん、いいよ。」
「サンキュ。」
物の貸し借りだってするようになった。
今まではお互い同じ物を持っていたから貸し借りなんてした事なかった。
姉妹らしくて嬉しい。
でも私への敵対心は斗美から消え切らない。
:08/12/08 19:14 :SH901iC :xLeVnYmI
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