双子の秘密
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#132 [ゆーちん]
梅雨入りをした6月は屋上ではサボれない。
他にサボれる場所を探さないと。
先生はいつもどこでサボってんだろ。
屋上で話ている時に聞いておけばよかった。
学校内で先生とすれ違ってもお互い無視するし、連絡先ももちろん知らない。
:08/12/08 21:04 :SH901iC :xLeVnYmI
#133 [ゆーちん]
しばらくは先生とおさぼり出来ないのかなー、なんて思っていたら梅雨明けが訪れた。
驚く事に梅雨中、私は一度もサボらなかった。
迷っているうちに終わった梅雨期間。
授業に出ているのに、ちっとも賢くならない私。
太陽が暑く輝きだした。
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#134 [ゆーちん]
せみが鳴く。
うるさい。
屋上に上る。
暑い。
「久しぶりー。」
「やっぱり居た。居るような気がしてた。」
太陽より眩しい笑顔が煙草を手に持って、私を待ってくれていた。
:08/12/08 21:05 :SH901iC :xLeVnYmI
#135 [ゆーちん]
「しばらく見ない内に太ったんじゃない?」
「うるさい!」
「アハハ。嘘うそ。梅雨の間ずーっとサボらないで授業受けてたのー?」
「うん。屋上以外サボる場所知らないし。」
「俺も知らない。だから授業がない時はずーっと職員室で引きこもってた。」
:08/12/08 21:06 :SH901iC :xLeVnYmI
#136 [ゆーちん]
乾き過ぎて暑いくらいの屋上の床に座って、こう聞いた。
「私に会えなくて寂しかったでしょー?」
期待していたふざけた答えが返って来る事はなく、先生の笑顔がスッと消えた。
:08/12/08 21:06 :SH901iC :xLeVnYmI
#137 [ゆーちん]
「何でわかんのー。」
こうやって語尾を少し伸ばして喋る癖のある先生。
私はその口調が心地よくて安心できるの。
「何で俺が寂しかったって知ってんの?斗美も寂しかったの?」
「え?あ…いや、そうじゃなくて…えっと…」
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#138 [ゆーちん]
先生は煙草を携帯灰皿に捨てた。
「前にも言ったよね。」
「え?」
「俺も男なの。」
頭の後ろに先生の手が回ったと思ったら、次の瞬間には目の前に先生がいた。
:08/12/08 21:08 :SH901iC :xLeVnYmI
#139 [ゆーちん]
私の唇は先生の唇と重なっていて…教師と生徒の壁を越えてしまった瞬間だった。
驚いて開いたままだった目を、ゆっくり閉じて、キスに答えた私。
甘く長いキスだった。
:08/12/08 21:08 :SH901iC :xLeVnYmI
#140 [ゆーちん]
〔斗羽〕
高校生になってバイトを始めた。
駅前のカフェ。
人見知りをするというコンプレックスがあるからこそ、あえて接客業を選んだ。
どんな時でも笑顔を作ってなきゃいけないという役割。
:08/12/08 21:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#141 [ゆーちん]
最初は恥ずかしかったものの、1ヵ月もすれば自然に笑顔を浮かべる事ができていた。
「斗羽ちゃん!」
「あ、いらっしゃいませ。来てくれたんだ。」
このバイトのおかげで人見知りが少しは治ったのか、中学時代なんかと比べられないくらい友達が増えた。
:08/12/08 21:10 :SH901iC :xLeVnYmI
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