双子の秘密
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#151 [ゆーちん]
久しぶり。


聡志以来だ。


この道を誰かと歩いて、怖いと感じなかったのは。


「やっぱり。何の買い出しですか?」

「ティッシュ。ストック切れてるのも忘れてたんだって。店長ボケてんじゃねーの?」


声を出して笑い合った。

⏰:08/12/08 21:16 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#152 [ゆーちん]
「店長にチクりますよ?」

「んな事したら桜井さんのロッカーにカエル入れてやるし。」

「やー!絶対嫌です!やめて下さいよ?」

「アハハ。桜井さん次第だねー。」

「言いませんよー!でも、なんでこんな道歩いてるんですか?駅前のコンビニでもティッシュぐらいありますよ。」

⏰:08/12/08 21:17 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#153 [ゆーちん]
「だってコンビニ高いじゃん。ここ通って行ったらドラッグストアあるっしょ?あそこ安いし、俺ポイントカードあるもん。」

「ポイントカードって!」

「あれ?ポイントカード、バカにしちゃう系?」

「バカにはしてないですけど、園田さんはポイントカードとか似合わなくって。」

⏰:08/12/08 21:17 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#154 [ゆーちん]
「あー、よく言われる。でもうちの奥さん、ポイントカードとか割引券とか好きでさ。その影響。」


…驚いた。


結婚、してたんだ。


私だけが知らなかったのかもしれないけど、指輪はしていないし、誰からも聞かなかったから驚きで言葉が出なかった。

⏰:08/12/08 21:18 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#155 [ゆーちん]
「煙草吸っていい?」

「あ、はい。」


歩き煙草する人は嫌い。


だけど園田さんは嫌いじゃない。


出たよ、私のわがままっぷり。


わがままって言うか矛盾してる筋の通ってないだけの女、みたいな。


やだな。

⏰:08/12/08 21:20 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#156 [ゆーちん]
「車で行けば一瞬だけどガソリン高いじゃん?どうせ仕事サボれるんだから、歩いて時間掛けまくってやろーって思ってさ。」

「健康にも、いいですもん…ね。」

「俺がメタボ予備軍とでも言いたいのか、女子高生め!」

「アハッ。違いますよ。」


結婚してるなんて驚きだったけど、私には関係ない。

⏰:08/12/08 21:20 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#157 [ゆーちん]
家の近くで別れ、園田さんは24時の閉店時間までの勤務を『仕方ないから頑張るわー。』と言って、ドラッグストアに向かって歩いて行った。


大きな背中を見えなくなるまで見送り、私は家に帰る。


「ただいま。」

「おかえり。遅かったわね。」


ママが出迎えてくれた。

⏰:08/12/08 21:21 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#158 [ゆーちん]
「1時間延長してさ。」

「夜道怖かったでしょ?」

「ううん。今日は怖くなかったよ。」


斗美はまだ帰ってないみたい。


「え?何で?」

「おさぼりさんが一緒だったから。」

「何それー?」


ママの不思議な顔を残し、私は部屋へと足を進めた。

⏰:08/12/08 21:22 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#159 [ゆーちん]
それから不思議なもので、園田さんと関わる事が多くなった。


雑用させられる時も園田さんと。


レジする時も園田さんと。


掃除の時も園田さんと。


店長、わざとですか?ってぐらい園田さんとシフトが一緒になる。


嫌じゃないけど、妻がいる人と話したりするのって…何だか妙に緊張しちゃう。

⏰:08/12/08 21:24 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#160 [ゆーちん]
「桜井さんってさー。」

「はい。」

「彼氏いんの?」

「いないです。」

「ふーん。モテそうなのにね。彼氏いた事は?」

「ありますよ。でも私がフッちゃいました。」

⏰:08/12/08 21:24 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


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