双子の秘密
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#448 [ゆーちん]
ドアを開けて、中に飛び乗った。
「園田さ‥」
いきなりのキスは、涙が出るほど嬉しかった。
この優しさと、このキスが欲しかった。
目から、ゆっくりと温かい涙が流れる。
上がっていた息は、さらに上がっていく。
:08/12/11 10:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#449 [ゆーちん]
社員駐車場はお蔭さまで人目に付かない場所にある。
誰にも気付かれずに、車内で何度も何度もキスを交わした。
やっと離れた唇からは、私の不満が一気に溢れた。
「園田さんのバカ。私だって悲しかった。私だって好き。全然相手にされなくて…すごく…辛かった。」
:08/12/11 10:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#450 [ゆーちん]
「ごめんね。」
優しい声だった。
「言い訳しないんですか?」
「しないよ。」
「…辛かった。ずっと無視されて、こんなに好きにさせといて、もう相手にされないのかなって。」
園田さんは私の涙を拭き取ってくれる。
:08/12/11 10:35 :SH901iC :uyR.lwfs
#451 [ゆーちん]
「ごめんね。」
謝るだけの園田さん。
「連絡もくれないし。もう私は、園田さんに捨てられたんだって思ってました。私なんかいらないんだって。」
「そんな事言わないで。俺には斗羽が必要だから。」
そんな嬉しい事、言わないで。
優しい嘘に聞こえてしまう。
:08/12/11 10:35 :SH901iC :uyR.lwfs
#452 [ゆーちん]
「嫌いになったんですか?バイト中、普通に接してよ。お願いですから…」
「嫌いになるわけないじゃん。俺、不器用だから…」
「私だって不器用だよ!もう…やだ…私、こんなに園田さんの事、好きになってるなんて思わなかった。」
:08/12/11 10:36 :SH901iC :uyR.lwfs
#453 [ゆーちん]
泣きじゃくる私は、園田さんの腕の中に包まれた。
「不器用だからさ、普通にできないの。きっと今まで通りに話したりしてると我慢できなくなる。」
「…何ですか、それ。」
「触れたいし、抱きしめたいし、キスしたくなるもん。こうやって車で会えたりもできるけど毎回って訳にはいかないし。」
:08/12/11 10:37 :SH901iC :uyR.lwfs
#454 [ゆーちん]
園田さんは続けた。
「ずっとこれからも斗羽と一緒にいたいから、わざと冷たくしてたの。俺の理性が保てるように。ごめんね。それが原因で悲しませちゃって。」
園田さんの言い訳は、涙が止まらなくなる程の言葉だった。
:08/12/11 10:38 :SH901iC :uyR.lwfs
#455 [ゆーちん]
「これからもきっと冷たくしちゃうと思う。連絡もなかなか取れないかも。だけどいつも斗羽の事、考えてるから。嫌いになんないで。」
私もバカじゃないんだ。
この沼にハマると、また涙を流す回数が増える事、わかってるんだ。
だけど、私はそれを望んだ。
:08/12/11 10:38 :SH901iC :uyR.lwfs
#456 [ゆーちん]
「園田さんも…私の事…嫌いにならないで。」
「ならない。好きだよ、ずっと。たまにしかデート出来ないけど、夏休みだからどっか出かけような。」
頷く私の髪にキスをする園田さん。
そのキスは、髪から唇へと移動して、私は悲しみを埋めるように園田さんに絡み付いた。
:08/12/11 10:39 :SH901iC :uyR.lwfs
#457 [ゆーちん]
涙が入ってしょっぱいキス。
自分で選んだこの道を、後悔しないようにしないと。
障害だらけの恋だってわかってて、私は園田さんを好きになったんだから。
:08/12/11 10:40 :SH901iC :uyR.lwfs
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