双子の秘密
最新 最初 全
#548 [ゆーちん]
何も解決しない。
学校を休んで一日中ベットの中で過ごした。
コンコン…
「斗美、学校は?」
ママがドアをノックしながら話しかけてくる。
「…行かない。」
「珍しいわね。斗美がサボるなんて。」
ママはそう言って部屋の前から離れて行った。
:08/12/11 12:56 :SH901iC :uyR.lwfs
#549 [ゆーちん]
本当、珍しい。
家でサボるのなんて。
毎日ちゃんと学校には行ってる。
だけど屋上でサボってばっか。
ていうかサボるために学校行ってる。
サボって、先生に会うために。
:08/12/11 12:57 :SH901iC :uyR.lwfs
#550 [ゆーちん]
《どした?》
学校にいたのなら1時間目が始まる時間。
先生からメールが来た。
《風邪ひいた。》
…嘘。
バカは風邪ひかないもん。
《大丈夫?》
《大丈夫じゃない。》
大丈夫なんかじゃない。
もう…ボロボロだよ。
:08/12/11 12:58 :SH901iC :uyR.lwfs
#551 [ゆーちん]
《絶対安静にしてろよ。じゃあ授業あるから行くわ!》
《ありがとう。頑張って。》
先生からのメールが嬉しかった。
眠りもせず、ただベットの中で過ごした。
終わらない問題の答えを探しながら。
:08/12/11 12:59 :SH901iC :uyR.lwfs
#552 [ゆーちん]
夕方、先生から電話が掛かって来た。
「…はい。」
「調子どうよ。」
「…悪い。」
「病院は?」
「行ってない。」
「連れてってあげようか?」
「いい、行かない。それより先生んちに連れてって欲しい。」
先生に会いたくない。
会っちゃいけない。
:08/12/11 13:00 :SH901iC :uyR.lwfs
#553 [ゆーちん]
淀江さんを受け入れてしまった、こんな汚い体で、先生に会えない。
だけど口から出た言葉は、本心だった。
会いたいんだ、先生に。
「ダメ。悪化するぞー。」
「先生に会えない方が悪化する。」
「ハハッ。何だそれ。」
:08/12/11 13:01 :SH901iC :uyR.lwfs
#554 [ゆーちん]
「ごめんなさい。ずる休みなの。」
「ずる休み?珍しいな。」
「だから悪化とかそういうの関係ないの。わがままだってわかってるけど、お願い。会いたいんだ。」
「…わかった。じゃあ迎え行くよ。家の前ついたら連絡するから待ってて。」
「ありがと。」
:08/12/11 13:02 :SH901iC :uyR.lwfs
#555 [ゆーちん]
何かを悟ってくれたのか、先生の声は優しかった。
化粧も髪も服装も、何も着飾らない。
ただ先生に会いたいだけ。
私はリビングで迎えが来るのを待った。
「斗美、晩ご飯は?」
「いらない。ちょっと出掛けてくる。」
「その格好で?」
:08/12/11 13:03 :SH901iC :uyR.lwfs
#556 [ゆーちん]
さすがのママも驚いていた。
それもそのはず。
今まですっぴんで出掛けた事はない。
その上、ジャージに髪はノーセット。
ママが驚いても仕方ない。
「彼氏だからいいの。」
「彼氏だからダメなんじゃないの?斗美、何か変わったね。」
うん、変わった。
:08/12/11 13:03 :SH901iC :uyR.lwfs
#557 [ゆーちん]
彼氏だから、こんな格好見られたくなかった。
彼氏じゃなくても、どんな人にでもダサい格好は見られたくない。
でもさ、先生は不思議とそんな恥じらいを感じさせない人なんだよね。
こんなダサい私も受け入れてくれてるし。
:08/12/11 13:04 :SH901iC :uyR.lwfs
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194