冷たい彼女
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#148 [ゆーちん]
「凜ちゃん。」
「ん?」
「その話から判断すると、俺とは上辺だけで付き合ってないんだよね?」
「そうだよ。チャラチャラした奴だけど今までの上辺だけしか付き合えないような男とは違うってわかるから。」
「え、何でわかるの?」
:08/12/12 11:06 :SH901iC :ufvbrGno
#149 [ゆーちん]
「…名前。」
「名前?」
「私、異性から凜ちゃんなんて呼ばれた事ないの。名前何?って聞かれて、凜って答えると、もう呼び捨て。凜、凜って。でも凜ちゃんって呼んでくれてるじゃん。もし私の事、呼び捨てしてくるんじゃ私はあなたの彼女じゃなかったよ。」
:08/12/12 11:06 :SH901iC :ufvbrGno
#150 [ゆーちん]
何気なく呼んでいた凜の名前。
呼び捨てしない理由は、馴れ馴れしいのは失礼だと思ったから。
都会の人はみんな馴れ馴れしいのかな。
少なくとも俺は初対面の人を呼び捨てになんかするような環境で育ってない。
:08/12/12 11:07 :SH901iC :ufvbrGno
#151 [ゆーちん]
都会をバカにしてるんじゃないよ?
でも、凜はその事を気にしていたんだと言う事を知って、お互い名前にコンプレックスがあるんだと思った。
まぁ俺のコンプレックスなんてちっぽけだろうけど。
名前を呼ばれたいって言うね。
:08/12/12 11:08 :SH901iC :ufvbrGno
#152 [ゆーちん]
「転校初日に凜ちゃん凜ちゃんって話し掛けて来て、2日目には告白。見た目も行動も軽いけど、中身は違うんだって思った。この島のみんなは凜ちゃんって呼んでくれるのかもしれないけど、この人を信じてみようと思った。だから彼女になった。」
「そんな事思ってくれてたんだぁ。なんか照れるんだけど。」
:08/12/12 11:10 :SH901iC :ufvbrGno
#153 [ゆーちん]
「信じてよかった。今までの男とは違うよ…心。」
…言った?
咳ばらいじゃないよな。
犬の鳴き声でもないよな。
今、凜ちゃんが『心。』って言ったよな!
:08/12/12 11:10 :SH901iC :ufvbrGno
#154 [ゆーちん]
「名前‥」
慌てて振り向くと、凜は小さく笑ってた。
「わ、笑ってる!」
「え?」
「凜ちゃんの笑った顔、初めて見たよ!」
今日は良いことだらけで本当に泣きそう。
手を繋ぎ、名前を呼ばれ、笑顔も見せてくれた。
:08/12/12 11:12 :SH901iC :ufvbrGno
#155 [ゆーちん]
「呼び捨ては嫌?」
「ううん!俺は名前呼んでくれるなら何でもいい。」
「そう。私ももういいよ。心は信用できるってわかったから、凜って呼んでも。」
「信用?俺、凜ちゃんに信用されてるの?マジ?」
「…そのテンションの高さはまだ理解できないけど。」
:08/12/12 11:13 :SH901iC :ufvbrGno
#156 [ゆーちん]
何にせよ、俺は凜に信用されてるという事実にマジで泣けてきた。
「やべぇ。泣いてもいい?」
「は?ダメに決まってんじゃん。バカじゃないの。」
言う言葉はキツいけど、それでもいい。
凜にまた一歩近づけた。
:08/12/12 11:14 :SH901iC :ufvbrGno
#157 [ゆーちん]
「んもー!凜ちゃんやっぱり冷たい!俺の事まだ好きじゃないのぉ?」
子供みたいに半ベソかきながら海を見ていた。
凜を見ると絶対泣いてしまいそうだから。
鼻の奥が痛い。
「心。」
やっぱり、名前呼ばれるのっていいですね。
「はい?」
涙をこらえながら横を向いた。
:08/12/12 11:15 :SH901iC :ufvbrGno
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