冷たい彼女
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#187 [ゆーちん]
「違和感?」

「人前で色々と誘われたりする事ってなかったから。ナンパ以外。」

「えっ!凜ちゃんナンパされた事あるの?」

「あるよ。心はないの?逆ナンされたり。」

「ないない。ナンパした事ないし、された事もない。」

「ふーん。やっぱこの島はいいところだよ。」

⏰:08/12/12 12:02 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#188 [ゆーちん]
つくづく思う。


凜が住んでいたところと、この島は別世界のようだって。


一体、都会にはどんな魔物がいるんだ!とまで思ってしまう。


都会の人は、その魔物に操られ過ぎだよ。


たまにはこういう島にきて、のんびりするのも悪くないよぉ。

⏰:08/12/12 12:03 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#189 [ゆーちん]
「男らしくならなくてもいいから、ずっと優しいままでいて。変わらないで。ずっと今のままの心でいてくれれば、それでいいよ。」


凜ちゃん。


その言葉、笑顔で言われてたら、俺また泣いてたかもしんない。

⏰:08/12/12 12:04 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#190 [ゆーちん]
無表情でサラッと言っただけなのに、俺の胸はキュッと締め付けられて、嬉しくて嬉しくてぶっ倒れそうだもん。


「うん!凜ちゃん大好きなんだけど!」

「あぁ、そう。そりゃどうも。」

「キスしてもいいですか?」

「こんな道端でそんな言葉叫ばないでよ。恥ずかしいなぁ。」

⏰:08/12/12 12:04 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#191 [ゆーちん]
「でも、こんな俺に惚れたんでしょ?」

「…。」


凜の目は、やっと俺に向けられた。


「違うの?」

「自惚れるなよ、童貞。」


そう言って笑った顔は、どこか香奈に似ていた。


あの見下す感じ。


やだよ。


凜ちゃんまで、怖い香奈に似ていかないでね。

⏰:08/12/12 12:06 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#192 [ゆーちん]
「何それー。」

「キスならこないだした。」

「俺は毎日でもしたいの!」

「あっそ。」


素っ気ない凜。


何だか寂しい気分になった。


「ちょっと来て!」


俺は凜の手を引っ張って、走り出した。

⏰:08/12/12 12:07 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#193 [ゆーちん]
「えっ、ちょっと!何?」


驚く凜を引っ張って、俺は道具小屋に向かった。


畑の近くに必ずある道具小屋は、名前の通り道具が置いてある。


島に、いくつものある道具小屋の中でもお気に入りの場所があった。

⏰:08/12/12 12:08 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#194 [ゆーちん]
小さい頃、竜たちと秘密基地だと言って、よく集まったっけ。


土クサイ小屋は、俺の懐かしい気持ちを蘇らせてくれた。


「何、ここ。」

「小屋。道端じゃないよ。」

「は?何言って‥」

「キスしたい!」


凜は驚いていた。

⏰:08/12/12 12:08 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#195 [ゆーちん]
そりゃそうだ。


俺がキスがしたいがために、わざわざ小屋まで引っ張られて来たんだもんな。


俺だってちょっとビックリ。


「ここなら誰にも見られないから。小屋の持ち主も今の時間なら来ないよ。」


ちょっと申し訳ない気持ちになっていた。

⏰:08/12/12 12:09 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#196 [ゆーちん]
そこまでしてキスしたいの?って嫌がられてるんじゃないかって、心配にもなった。


だけど凜は笑ってくれた。


「やっぱり、心みたいなタイプは初めてだわ。こんな面白い事してくれるの、後にも先にも心しかいないよ。」

⏰:08/12/12 12:10 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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