冷たい彼女
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#275 [ゆーちん]
本島に行かないとカメラ屋のないような島だけど、思い出は大切にしたい奴らばっか。
現地の人に誰それ構わず声をかけ、5人の写真を増やしていった。
そのせいで修学旅行から帰って来てからは、たまらなく脱力感に満ち溢れていた。
:08/12/12 13:55 :SH901iC :ufvbrGno
#276 [我輩は匿名である]
頑張ってください
:08/12/12 13:59 :F703i :x2r.3iP6
#277 [ゆーちん]
そんなたくさん笑った10月も、寒くて寒くて凜から手を握って来てくれた11月も矢のように過ぎた。
12月。
凜が島に来て半年が経った。
同時に、俺と付き合って半年が経つ。
数えきれないくらい手を繋いでキスもした。
:08/12/12 14:03 :SH901iC :ufvbrGno
#278 [ゆーちん]
でも抱きしめた回数は両手で数えられる程だった。
SEX?
もちろん、まだ。
全然焦ってないし、しなくても平気。
…なーんて余裕ぶっといて、実はそれが原因で凜を悲しませていた。
冬休みが明日から始まる12月22日。
凜の部屋に俺はいた。
:08/12/12 14:04 :SH901iC :ufvbrGno
#279 [ゆーちん]
「いや。」
いつもみたくキスを断られた俺。
「何で?」
いつもは『変態だ。』とか『童貞とはしないよ。』とかってからかわれるんだけど、今日の返事は違った。
「キス以上、進まないから。」
凜の部屋の甘い匂いが好き。
凜の部屋の匂いって言うより、凜の匂いだ。
:08/12/12 14:05 :SH901iC :ufvbrGno
#280 [ゆーちん]
「え?」
「大事にしてくれんのは嬉しいけど、キス以上の事もしたいって思う私は、心より変態かな?」
凜にそんな事を言わせて、つくづく俺は情けない奴だと自覚した。
「私だって心が大事だよ。大事だから、心が知りたいんだよ。」
:08/12/12 14:05 :SH901iC :ufvbrGno
#281 [ゆーちん]
ちょっと切なげにそう言った凜に、俺は謝った。
「ごめんね…。」
「謝られても困る。」
「うん。」
「嫌ならいいの。でもキスだけじゃ足りないって言う私の気持ちも知っといてね。」
凜が動くと甘い匂いも動いてる気がした。
:08/12/12 14:06 :SH901iC :ufvbrGno
#282 [ゆーちん]
ベットに座り、床に座る俺を見下ろす姿がとても大人っぽくて顔が熱くなった。
「本当にいいの?」
「何が?」
「凜ちゃんに手ぇ出した時点で、大切にしてないじゃんって思われるのが嫌だったから、俺も…我慢してた。」
:08/12/12 14:07 :SH901iC :ufvbrGno
#283 [ゆーちん]
「やっぱり我慢してたんじゃん。しなくていいって前に言ったのに。」
「我慢なんかしてないってカッコつけたけど、俺も男だからたまにムラっとしちゃったりするんだよね。エヘッ。」
「エヘッじゃないよ。心が私を大事にしてくれてるのは、もう充分感じてるから。心の事信じてるし、今までのバカな元カレとは違うってちゃんとわかってるからさ。」
:08/12/12 14:09 :SH901iC :ufvbrGno
#284 [ゆーちん]
思わず目を伏せた。
だって目の奥が痛くなったから。
「…凜ちゃん。俺、泣いてしまいそうです。」
「そうやってすぐ泣きそうになるところも心の優しさ出てるよね。」
:08/12/12 14:09 :SH901iC :ufvbrGno
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