冷たい彼女
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#435 [ゆーちん]
「引っ越しの日、笑顔で見送ってあげられる気がする。」
「それはよかった。みんなの前で泣かれちゃたまんないもん。」
「寂しくなったら、これでいつでも会いに行っていい?」
「その為の合い鍵なんだけど。」
:08/12/13 23:24 :SH901iC :1vm0Oe8g
#436 [ゆーちん]
「凜ちゃんも寂しくなったら、すぐに俺んち来るんだよ?うち、鍵はいつでも開いてるから。」
「アハハッ。知ってる。」
暗くなった道で、軽くキスをした。
軽くだったのに、どんどん止まらなくなった。
「私も卒業祝いちょうだいよ。」
「何も持ってないんだけど。」
:08/12/13 23:24 :SH901iC :1vm0Oe8g
#437 [ゆーちん]
「…心が欲しい、っていうリクエストは却下される?」
こうやって、大人っぽい色気を出す凜は本当に同じ歳なのか不思議に思う。
あんな言葉、反則でしょ。
「凜ちゃんち行っていい?」
「…いいよ。」
:08/12/13 23:25 :SH901iC :1vm0Oe8g
#438 [ゆーちん]
杉浦家まで凜の手を引っ張って走った。
凜は『走らなくても私、逃げないよ。』って笑ってた。
何だかおかしくて、二人で大笑いしながら走った。
「ただいま〜。」
居間にいるじいちゃんばあちゃんに顔を見せてから、凜の部屋に直行した。
:08/12/13 23:26 :SH901iC :1vm0Oe8g
#439 [ゆーちん]
「心ってポーカーフェ‥」
最後まで言い終わる前に俺は凜の言葉を邪魔した。
怖いくらい凜が好き。
怖いくらい凜の匂いが好き。
そんな事思ってると、止まったはずのものが滲んで来た。
唇を離した凜が笑った。
:08/12/13 23:26 :SH901iC :1vm0Oe8g
#440 [ゆーちん]
「何でそんな泣き虫なの?」
「知らない。」
「何で今、泣いてんの?」
「幸せだから。怖いくらい。」
俺の頬を撫でる凜の手は小さくて温かかった。
「私は最悪だよ。」
「何で?」
「泣き虫が…移ったから。」
:08/12/13 23:27 :SH901iC :1vm0Oe8g
#441 [ゆーちん]
始めて見た凜の涙は、不謹慎ながらも綺麗だと思った。
「何で凜ちゃんまで泣くのさ。」
「幸せなの。怖いくらい。」
男と女が抱きしめ合いながら泣いた、卒業式の夜。
いつもと違う、ロマンチックな夜だった。
SEXだって、ロマンチック。
:08/12/13 23:28 :SH901iC :1vm0Oe8g
#442 [ゆーちん]
俺の彼女は冷たいよ。
でもさ、そのぶん温かいところに触れたら、普通の数倍嬉しいんだ。
素っ気ないし、笑わない。
でもそんな彼女だからこそ、笑ったり泣いてくれたりすると、幸せを感じられんだよね。
:08/12/13 23:29 :SH901iC :1vm0Oe8g
#443 [ゆーちん]
まだまだ子供な考えかもしんないけど、俺、絶対に【杉浦凜】を【江森凜】にすっからな!
「あ、さっきのプロポーズの返事。」
「嫌なんでしょ?もう聞きたくな‥」
「考えといてあげるね。」
:08/12/13 23:29 :SH901iC :1vm0Oe8g
#444 [ゆーちん]
母ちゃん。
結婚10年早いって言ったけど…俺、案外早く嫁を貰えるかも?
END
:08/12/13 23:29 :SH901iC :1vm0Oe8g
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