冷たい彼女
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#154 [ゆーちん]
「名前‥」


慌てて振り向くと、凜は小さく笑ってた。


「わ、笑ってる!」

「え?」

「凜ちゃんの笑った顔、初めて見たよ!」


今日は良いことだらけで本当に泣きそう。


手を繋ぎ、名前を呼ばれ、笑顔も見せてくれた。

⏰:08/12/12 11:12 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#155 [ゆーちん]
「呼び捨ては嫌?」

「ううん!俺は名前呼んでくれるなら何でもいい。」

「そう。私ももういいよ。心は信用できるってわかったから、凜って呼んでも。」

「信用?俺、凜ちゃんに信用されてるの?マジ?」

「…そのテンションの高さはまだ理解できないけど。」

⏰:08/12/12 11:13 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#156 [ゆーちん]
何にせよ、俺は凜に信用されてるという事実にマジで泣けてきた。


「やべぇ。泣いてもいい?」

「は?ダメに決まってんじゃん。バカじゃないの。」


言う言葉はキツいけど、それでもいい。


凜にまた一歩近づけた。

⏰:08/12/12 11:14 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#157 [ゆーちん]
「んもー!凜ちゃんやっぱり冷たい!俺の事まだ好きじゃないのぉ?」


子供みたいに半ベソかきながら海を見ていた。


凜を見ると絶対泣いてしまいそうだから。


鼻の奥が痛い。


「心。」


やっぱり、名前呼ばれるのっていいですね。


「はい?」


涙をこらえながら横を向いた。

⏰:08/12/12 11:15 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#158 [ゆーちん]
…ら!


俺の目の前に凜の顔があった。


頭真っ白。


何?


これ、何?


すぐに凜は離れていき、さっきのような小さな笑顔を浮かべた。


「私は好きな人にしかキスはしないよ。」


嬉し涙を流しました。

⏰:08/12/12 11:15 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#159 [ゆーちん]
「凜ちゃ…ん…」

「あー、もぉウザイ。男のくせに泣くなっつーの。」

「だって…今…キス…」

「まさかキスも初めてだった?」

「ごめん…キスは…初めてじゃないです…」

「あっそ。正直者だね。」

「俺…目ぇ開けたまんま…」

⏰:08/12/12 11:17 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#160 [ゆーちん]
泣きながら凜を見続けていると、凜が滲んだ。


涙を拭く。


やっぱり少し凜は滲んでいた。


「困ったくんだね。」

「ごめんなさい。」

「まぁ、童貞だから仕方ないか…」


凜はゆっくり顔を近づけながら目を閉じて行く。


俺も目を閉じた。

⏰:08/12/12 11:18 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#161 [ゆーちん]
2度目のキスは幸せすぎて涙が止まった。


普通、女の子が泣いて男の子がリードするもんだよな。


見事に逆。


でもいいや。


幸せなんだから。


もうどっちがどっちでもいい。


海だけが俺らの真逆キスシーンを見ている、そんな夜だった。

⏰:08/12/12 11:19 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#162 [ゆーちん]
○●○●○●○

部屋

○●○●○●○

⏰:08/12/12 11:28 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#163 [ゆーちん]
凜の彼氏になって2ヵ月が経った。


付き合って3週間目の夜にキスをしてから、何も進展なし。


童貞の俺に、凜を誘う度胸なんかない。


キスなら大丈夫。


「凜ちゃん。」

「ん?」

「チューしよ。」

「は?」

「しようよ、ね?」

「変態…」

⏰:08/12/12 11:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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