冷たい彼女
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#44 [ゆーちん]
「はーい。あら、心ちゃん。」
竜のばあちゃんが出迎えてくれた。
「ばあちゃん久しぶり!腰の調子どう?」
「ありがとうね。最近は調子いいんだよ。」
「本当?よかったねぇ。」
「おかげさまで。心ちゃん今日は何の用?」
「竜いてる?」
:08/12/11 21:19 :SH901iC :uyR.lwfs
#45 [ゆーちん]
「竜なら大輝ちゃんちに行ったよ。」
「大輝んち?わかった。ありがとね。ばあちゃんバイバイ!」
「走って転ばないようにねぇ。」
竜のばあちゃんは俺のばあちゃんみたいなもん。
つか、この島のばあちゃんはみんな俺のばあちゃんだな。
:08/12/11 21:20 :SH901iC :uyR.lwfs
#46 [ゆーちん]
竜のばあちゃんに見送られ、俺は中橋家まで走った。
「大輝ぃー!竜ぅー!いるかぁ〜?」
中橋家の玄関で叫ぶと、大輝が出迎えてくれた。
「何だ?」
「竜もいる?」
「おぉ。みんないる。」
…そうみたいですね。
:08/12/11 21:25 :SH901iC :uyR.lwfs
#47 [ゆーちん]
玄関に脱ぎ捨てられているこの靴の量を見ればわかりました。
俺も靴を脱ぎ、部屋に上がった。
中橋家はなかなか大きな家なので、みんなのたまり場として集まる事が多かった。
大輝の部屋もこれまた広い。
俺の部屋の3倍はあるな。
:08/12/11 21:25 :SH901iC :uyR.lwfs
#48 [ゆーちん]
「おぉ、心。」
「あれ?ストーカーは?」
みんなが口々に俺を出迎えてくれた。
「みなさん、よくぞお集まりいただきなすった。」
「日本語変だぞ。」
「そこ、うるさい!俺は国語が嫌いなんだ!」
「で、どしたの?」
:08/12/11 21:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#49 [ゆーちん]
「みんなに自慢したい事があるんですよ。」
「何〜?」
「なんと!明日、杉浦凜様とデートする事になりましたー!」
島中に聞こえるんじゃねぇかってぐらい大声で叫んでやった。
それなのにみんなの反応は最悪。
「…ふーん。」
「そうなんだ。」
「頑張って。」
:08/12/11 21:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#50 [ゆーちん]
「ちょちょちょちょ。何なの、その凜ちゃんのような冷たい反応。みんな凜ちゃん化ですか?」
漫画の続きを読み始めたり、携帯を触りだしたりと俺には見向きもしてくれなかった。
泣いちゃうぞー。
いつもながら俺への対応は冷たいものだ。
もう慣れたけどさぁ。
:08/12/11 21:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#51 [ゆーちん]
凜の話はいつの間にか流れてしまい、他愛もない話で盛り上がった。
日が沈めば自然に家へと帰って行く。
不審者や痴漢、泥棒の出た事のないこの島の夜道は暗いけれど月が明るく、のんびりと歩きながら帰る事ができるんだ。
:08/12/11 21:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#52 [ゆーちん]
翌日は学校に行く時間より早くに目が覚めた。
無駄に余った時間は携帯ゲームをして過ごした。
が、バカはやっぱりバカだった。
すっかり夢中になってしまい、時間を忘れていたんです。
「あんた一体何時に出掛けんのさ?」
母ちゃんが言った。
:08/12/11 21:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#53 [ゆーちん]
「あ?10時前。」
「んーなのとっくに過ぎてるよ。」
…え?
時計を見ると10時半を回っていた。
血の気が引いた。
「やっべぇ!」
携帯電話と財布をポケットに入れ、家を飛び出した。
杉浦家まで猛ダッシュ。
3分で到着だ…。
:08/12/11 21:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#54 [ゆーちん]
「り…ん、ちゃー…ん…」
息切れなんて久しぶり。
「あらあら、心ちゃんじゃないの。どうした?」
杉浦のばあちゃんが俺に笑顔を向ける。
「凜…ちゃん…は?」
「部屋にいるよ。」
「呼んで…来てく…れる?」
「あいよ。」
:08/12/11 21:30 :SH901iC :uyR.lwfs
#55 [ゆーちん]
ばあちゃんは立派な足取りで階段を上って行き、凜を呼んで来てくれた。
「おばあちゃん、私ちょっと出掛けるね。」
「心ちゃんとかい?」
「うん。」
「はいよ。気をつけてね。」
「いってきます。」
「ばあちゃん、いってきます。」
:08/12/11 21:30 :SH901iC :uyR.lwfs
#56 [ゆーちん]
初めて見た私服の凜は、口が開く程のものだった。
フワフワしたワンピースが見事に似合っている。
少し歩くと、凜は言った。
「童貞は時間も守れないわけ?」
「…ごめんなさい。ゲームしてたら時間忘れてました。」
「ゲームに負けたんだ、私。」
:08/12/11 21:31 :SH901iC :uyR.lwfs
#57 [ゆーちん]
「いや、決してそういう訳じゃないんだけど…」
「貸し1ね。」
そう言って凜は歩き出した。
「はい。」
俺もいつもと同じで、凜の後ろを着いて歩く。
6月末、とても暑い日だった。
:08/12/11 21:32 :SH901iC :uyR.lwfs
#58 [ゆーちん]
「この島の案内して。」
凜は振り返りもせずに言う。
「案内?」
「そ。早くこの島に慣れたいの。」
「OK!じゃあ俺んち戻ろ。自転車取ってくるわ。」
「自転車?」
凜は振り返った。
…笑ってないけど、うん。
可愛い。
:08/12/11 21:32 :SH901iC :uyR.lwfs
#59 [ゆーちん]
「後ろ乗せたげる。俺んちこっちだから!」
来た道を戻る。
今は俺が前で、凜が後ろ。
いつもと逆。
違和感たっぷり。
「ねぇ。」
「はい。」
「隣歩けば?」
「…いいの?」
「いいよ。デートなんでしょ?」
:08/12/11 21:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#60 [ゆーちん]
素晴らしい進歩。
初デート。
初横並び歩き。
テンション上げずにいられないでしょ!
「手ぇ繋いでいい?」
そう、勢いでお願いしてみた。
「やだ。」
…無理でした。
うん、最初から欲張っちゃダメだよねー。
:08/12/11 21:33 :SH901iC :uyR.lwfs
#61 [ゆーちん]
「ごめんなさい。」
とりあえず隣で歩ける事に感謝。
小さな凜と並んで歩ける事が幸せだった。
俺の家につき、自転車を出して、凜を後ろに座らせた。
「2ケツとか久しぶりだ。」
「どうせ男しか乗せた事ないんでしょ。」
:08/12/11 21:34 :SH901iC :uyR.lwfs
#62 [ゆーちん]
凜の言葉のナイフにグサグサと刺されながら自転車をこいだ。
「そんな事ないもーん。」
「あっそ。」
「でも、9割が男だね。」
「やっぱり。」
「残りの1割は女からのパシリですよ。」
「ダッセェ。」
風を切って走る自転車。
:08/12/11 21:35 :SH901iC :uyR.lwfs
#63 [ゆーちん]
凜ちゃんの髪やワンピースは、さぞなびいているでしょう。
…全く見えないけど。
1軒1軒、島の案内をしていく。
抜け道や近道も教えてあげる。
あの家のじいちゃんはどうだとか、この家のばあちゃんはこうだとか。
凜は一生懸命、俺の話に耳を傾けてくれていた。
:08/12/11 21:35 :SH901iC :uyR.lwfs
#64 [ゆーちん]
お昼は、島で唯一の食堂である【トメ食堂】食べた。
なぜ【トメ食堂】かと言うと、トメと言う名前のばあちゃんが営業しているから。
トメばあちゃんは島で1番の料理人だと俺は思う。
食べ終えると、また自転車の旅が始まる。
なるべく日影を走れという凜の指示に、俺は素直に従った。
:08/12/11 21:36 :SH901iC :uyR.lwfs
#65 [ゆーちん]
汗が流れる額。
凜のために流す汗は苦痛ではなかった。
日が暮れると、凜は言った。
「あんたがこの島で1番気に入ってる場所教えて。」
「1番?」
「そう。」
「ガッテン承知!」
:08/12/11 21:36 :SH901iC :uyR.lwfs
#66 [ゆーちん]
俺は涼しくなった風を切りながら、一生懸命自転車をこいだ。
この島で1番の好きな場所。
そんなのあそこ以外にないだろ。
ハンドルを握る俺の手は、慣れたようにあそこに向かっていた。
「凜ちゃーん!」
「何?」
「ここー!」
:08/12/11 21:37 :SH901iC :uyR.lwfs
#67 [ゆーちん]
坂を下ると、海が広がる。
俺は海が1番好きだ。
自転車を止めると、凜は後ろから降りて砂浜を歩いた。
髪とワンピースが揺れる。
ヤバイ…惚れ直した。
凜の姿があまりにも絵になるので、ついつい見取れてしまった。
:08/12/11 21:37 :SH901iC :uyR.lwfs
#68 [ゆーちん]
「ねぇ!」
「あ、うん、何?」
「何じゃないよ。ぼーっとしちゃってさ。」
「ごめん。どうしたの?」
「あんた正解。今日回った場所で、ここが1番いいよ。私の1番もここだ。」
凜と俺の1番が同じなのは、とても嬉しい事だ。
「本当?マジで?」
:08/12/11 21:38 :SH901iC :uyR.lwfs
#69 [ゆーちん]
「うん。この島の海は特別綺麗。」
「でしょ?俺もこの島の海が1番好き〜。」
夕日は沈んだ。
薄暗い海辺。
凜は言った。
「今日はありがと。あんたを彼氏にしてよかった。」
:08/12/11 21:39 :SH901iC :uyR.lwfs
#70 [ゆーちん]
笑顔は見せてくれなかったものの、その言葉はとても嬉しかった。
凜ちゃんは俺に気などない。
そんなのわかっている。
俺を足変わりにするのも、何の問題もない。
:08/12/11 21:39 :SH901iC :uyR.lwfs
#71 [ゆーちん]
一緒にいてくれるだけで俺は嬉しいのに、『ありがとう。』と言われるのは、やっぱり嬉しい。
前に近道を教えた時も言ってくれたっけ。
冷たい彼女だけど、ありがとうを言える人は本当は心が温かいんだよ。
島のばあちゃんがよく言ってる。
:08/12/11 21:39 :SH901iC :uyR.lwfs
#72 [ゆーちん]
「明日も付き合ってくれるんでしょ?」
…明日?
明日もあなたの隣を歩けるんですか!?
「もーちろんっ!明日でも明後日でもいつでも付き合うよ!」
「…。」
テンションが上がりすぎだと冷ややかに目で訴える凜ちゃん。
:08/12/11 21:40 :SH901iC :uyR.lwfs
#73 [ゆーちん]
「どこ行くの?」
「明日は本島で買い物がしたいから9時に迎えに来て。」
「わかった!9時ね!じゃあ9時半のフェリーだね。」
「…明日は今日と違って、遅刻は許されないからね。」
「はい、わかってます。」
こうして明日のデートの約束をして俺らは海を後にした。
:08/12/11 21:41 :SH901iC :uyR.lwfs
#74 [ゆーちん]
●○●○●○●
ではまた明日
>>2●○●○●○●
:08/12/11 21:59 :SH901iC :uyR.lwfs
#75 [我輩は匿名である]
早くみたい
また時間ある時にゆっくりお願いしま-す
今日はお疲れさまで-す
:08/12/12 01:01 :SH906i :FlUtrXSA
#76 [ゆーちん]
>>75さん
ありがとうございます
マイペースな更新ですが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m
:08/12/12 08:18 :SH901iC :ufvbrGno
#77 [ゆーちん]
そして翌日、俺は8時半に凜を迎えに行った。
「おはよう!」
俺が玄関から叫ぶと、じいちゃんが出迎えてくれた。
「おぉ、心ちゃん。おはよう。」
「じいちゃんおはよう!凜ちゃんは?」
「凜?朝ごはん食べてるよ。」
「じゃあ食べ終わったら外に来てって伝えて。」
:08/12/12 08:19 :SH901iC :ufvbrGno
#78 [ゆーちん]
「上がって行かんかい。」
「や、凜ちゃんに叱られそうだから辞めとくよ。んじゃ。」
外に出て、玄関口にしゃがみ込んだ。
男は同じ失敗はしない。
30分前行動だ。
どうだこの野郎!
:08/12/12 08:19 :SH901iC :ufvbrGno
#79 [ゆーちん]
天気良好。
体調良好。
おまけに海も良好。
こんなデート日和なかなか無いですよ。
恵まれてんだな、俺。
せみの鳴き声を聞きながら空を見上げたり、道行く人に挨拶したり。
そんな事をしていると30分なんてあっという間だった。
:08/12/12 08:20 :SH901iC :ufvbrGno
#80 [ゆーちん]
「ストーカー。」
振り返ると凜ちゃんがいた。
「おはよう!9時ちょうどだね!」
「30分も前に来るなんてバカとしか思えない。」
「だって遅刻できないもん!はい、乗って。」
今日も自転車。
凜は呆れた顔をしていた。
:08/12/12 08:20 :SH901iC :ufvbrGno
#81 [ゆーちん]
今日の凜も素敵だった。
昨日とは違い、カッコイイ感じ。
短いズボンに、クールなTシャツ。
大人っぽいハンチングを頭に乗せて、爽やかな香水を香らせていた。
「今日の凜ちゃんもカッコイイし可愛いね〜。」
「今日は動きやすい方がいいから。」
:08/12/12 08:21 :SH901iC :ufvbrGno
#82 [ゆーちん]
「本島で何するの?買い物?」
「うん。」
「買い物かぁ!いいね、いいね。楽しみ。」
「…あんたって単純だよね。」
「えぇ?そう?」
「バカみたいに前向きだし。」
それは相手が凜ちゃんだから。
…とか言ったら、またバカにされるかもな。
:08/12/12 08:22 :SH901iC :ufvbrGno
#83 [ゆーちん]
フェリー乗り場についた。
切符を買って、フェリーで本島に向かう。
本島は今日も賑わっていた。
「何買うの?服?」
凜は首を横に振る。
「服は島に行く前にたくさん買った。とりあえず化粧品や雑貨が目当て。あの島に店がないってのは盲点だった。」
:08/12/12 08:22 :SH901iC :ufvbrGno
#84 [ゆーちん]
まぁ、確かにね。
お洒落盛りの女の子には、あの島は何もなさすぎる。
「まずは雑貨屋。あんたが1番だと思う雑貨屋連れてって。」
「おう!任せて!」
自転車も一緒に本島に来たおかげで、こっちの移動も自転車が使える。
:08/12/12 08:23 :SH901iC :ufvbrGno
#85 [ゆーちん]
今日も汗をかきながら自転車をこぐ。
何だかんだ言って楽しいんだよな。
その日のお店は俺のお気に入りの店をたくさん回った。
途中、凜が気に入っている店のチェーン店があったりもして立ち寄った。
:08/12/12 08:24 :SH901iC :ufvbrGno
#86 [ゆーちん]
昼は安くつくのでファミレスで済ませる。
中学生は金がないんだよ。
凜は例外みたいだけど。
「うちは金持ちだから親に言えばいくらでも通帳に入れてくれるの。」
グラタンを頬張りながら凜はそう言ってた。
「凜ちゃんはどうして親についてかなかったの?」
:08/12/12 08:24 :SH901iC :ufvbrGno
#87 [ゆーちん]
「親がダメだって。海外を転々とするから。それに高校生になったら一人暮ししてもいいって言われてるの。とりあえず中3の1年間は心配だからおじいちゃん達と暮らせってさ。」
まるで他人事のように話してくれた。
じいちゃん達が言ってた事は本当だったんだ。
:08/12/12 08:24 :SH901iC :ufvbrGno
#88 [ゆーちん]
「お母さん側のおじいちゃんとおばあちゃんは亡くなってるから、お父さんの実家に預けられてるの。お父さんはお正月にも里帰りなんかしないから、初めてあの島に行ったけど…田舎すぎて驚いた。」
都会から来た人はあの島が田舎すぎる事に絶対驚く。
:08/12/12 08:25 :SH901iC :ufvbrGno
#89 [ゆーちん]
「あの島、嫌い?」
「ううん。嫌いじゃないよ。あんたが昨日色んなとこ連れてってくれたから、好きになりかけてる。」
嬉しすぎる。
島を好きになってもらえる事。
それに、凜が色んな話を俺にしてくれる。
まだ笑ってもらってないけど、凜は俺を頼ってくれてるんだと思うと心底嬉しくなれた。
:08/12/12 08:26 :SH901iC :ufvbrGno
#90 [ゆーちん]
「高校生になったら一人暮らしするの?」
「うん。」
「そっか。本島の高校?」
「たぶんね。だからこっちの島にも慣れないと。」
少し寂しい。
凜ちゃんが島から出て行くのは。
:08/12/12 08:26 :SH901iC :ufvbrGno
#91 [ゆーちん]
「俺はたぶん家から通うよ。」
「ふーん。」
「凜ちゃんも杉浦のじいちゃんちから通えばいいじゃん。」
凜は首を横に振る。
「おじいちゃん達にあんまり迷惑かけられないよ。」
孫なのに、気をつかう事はないんじゃないかなと思ったけど…言わなかった。
:08/12/12 08:27 :SH901iC :ufvbrGno
#92 [ゆーちん]
プライバシーもないような筒抜け島だけど、凜は都会から来たんだ。
あまり入り込まれるのは好きじゃないかもしれない。
凜にも何か考えがあるんだろう。
聞きたい気持ちを、ぐっと耐えた。
:08/12/12 08:27 :SH901iC :ufvbrGno
#93 [ゆーちん]
午後からもたくさん買い物をした。
俺は荷物係。
荷物が1つ増えるたびに、凜は『ありがとう。』と言ってくれた。
これくらいどうって事ないのに。
その言葉を聞くたびに、俺は凜を好きになった。
日も傾いて来た頃。
「そろそろ帰ろっか。」
:08/12/12 08:28 :SH901iC :ufvbrGno
#94 [ゆーちん]
「そうだなぁ。今フェリー乗り場行けばちょうどいい時間のがあると思うよ!」
俺は自転車をこいだ。
乗り遅れるといけないから、一生懸命こいだ。
おかげでちょうどいい時間のフェリーがあった。
それに乗って、俺、凜、自転車はまた島へと戻る。
:08/12/12 08:29 :SH901iC :ufvbrGno
#95 [ゆーちん]
そんな感じで休日デート終了。
俺の心は満たされていた。
少しずつ、でも確実に俺は進歩している。
凜の手を握る事を目標に、明日からまた一週間。
俺は放課後のストーカーを頑張りたいと思います。
:08/12/12 08:29 :SH901iC :ufvbrGno
#96 [ゆーちん]
○●○●○●○
名前
○●○●○●○
:08/12/12 08:30 :SH901iC :ufvbrGno
#97 [ゆーちん]
凜が島に来て3週間。
7月らしい気候が島を包んでいた。
先々週は島案内と本島案内。
先週は凜に用があるとの事でデートせず、竜たちと過ごした。
で、今週。
明日は土曜日。
俺は凜にデートを申し込んだ。
「えー、めんどくさい。」
:08/12/12 08:31 :SH901iC :ufvbrGno
#98 [ゆーちん]
…玉砕。
デートを、めんどくさいって…。
「何でよぉ!どうせ暇なんでしょ?」
「明日は用があるの。」
「じゃあ明後日!」
「日曜?日曜もダメ。」
「え〜。いつならデートできんのさ!」
「んー…夜。」
「へ?」
「明日の夜ならいいよ。日中は用があるから無理だけど。」
:08/12/12 08:32 :SH901iC :ufvbrGno
#99 [ゆーちん]
思わず叫んだ。
「やったー!」
教室で俺がこうやって叫んでも、もう誰も驚かない。
凜にべったりな俺に、みんなマンネリ化してきてるみたいだわ。
「…うるさい。」
「じゃあ明日の夜ね!」
「8時に迎えに来て。」
:08/12/12 08:33 :SH901iC :ufvbrGno
#100 [ゆーちん]
「うん!OK、OK!」
と、俺が喜んでいると凜の隣に座っていた西山香奈が呟いた。
「童貞が夜遊びすんじゃねーよ。」
俺は睨んだ。
が、香奈の睨みには勝てない。
怖い女だ。
「あー…香奈の言う通りだね。やっぱ夜は辞めとこっか?」
「こらこら!何で凜ちゃんは丸め込まれてんのさ。」
:08/12/12 08:33 :SH901iC :ufvbrGno
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