冷たい彼女
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#46 [ゆーちん]
竜のばあちゃんに見送られ、俺は中橋家まで走った。
「大輝ぃー!竜ぅー!いるかぁ〜?」
中橋家の玄関で叫ぶと、大輝が出迎えてくれた。
「何だ?」
「竜もいる?」
「おぉ。みんないる。」
…そうみたいですね。
:08/12/11 21:25 :SH901iC :uyR.lwfs
#47 [ゆーちん]
玄関に脱ぎ捨てられているこの靴の量を見ればわかりました。
俺も靴を脱ぎ、部屋に上がった。
中橋家はなかなか大きな家なので、みんなのたまり場として集まる事が多かった。
大輝の部屋もこれまた広い。
俺の部屋の3倍はあるな。
:08/12/11 21:25 :SH901iC :uyR.lwfs
#48 [ゆーちん]
「おぉ、心。」
「あれ?ストーカーは?」
みんなが口々に俺を出迎えてくれた。
「みなさん、よくぞお集まりいただきなすった。」
「日本語変だぞ。」
「そこ、うるさい!俺は国語が嫌いなんだ!」
「で、どしたの?」
:08/12/11 21:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#49 [ゆーちん]
「みんなに自慢したい事があるんですよ。」
「何〜?」
「なんと!明日、杉浦凜様とデートする事になりましたー!」
島中に聞こえるんじゃねぇかってぐらい大声で叫んでやった。
それなのにみんなの反応は最悪。
「…ふーん。」
「そうなんだ。」
「頑張って。」
:08/12/11 21:26 :SH901iC :uyR.lwfs
#50 [ゆーちん]
「ちょちょちょちょ。何なの、その凜ちゃんのような冷たい反応。みんな凜ちゃん化ですか?」
漫画の続きを読み始めたり、携帯を触りだしたりと俺には見向きもしてくれなかった。
泣いちゃうぞー。
いつもながら俺への対応は冷たいものだ。
もう慣れたけどさぁ。
:08/12/11 21:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#51 [ゆーちん]
凜の話はいつの間にか流れてしまい、他愛もない話で盛り上がった。
日が沈めば自然に家へと帰って行く。
不審者や痴漢、泥棒の出た事のないこの島の夜道は暗いけれど月が明るく、のんびりと歩きながら帰る事ができるんだ。
:08/12/11 21:27 :SH901iC :uyR.lwfs
#52 [ゆーちん]
翌日は学校に行く時間より早くに目が覚めた。
無駄に余った時間は携帯ゲームをして過ごした。
が、バカはやっぱりバカだった。
すっかり夢中になってしまい、時間を忘れていたんです。
「あんた一体何時に出掛けんのさ?」
母ちゃんが言った。
:08/12/11 21:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#53 [ゆーちん]
「あ?10時前。」
「んーなのとっくに過ぎてるよ。」
…え?
時計を見ると10時半を回っていた。
血の気が引いた。
「やっべぇ!」
携帯電話と財布をポケットに入れ、家を飛び出した。
杉浦家まで猛ダッシュ。
3分で到着だ…。
:08/12/11 21:29 :SH901iC :uyR.lwfs
#54 [ゆーちん]
「り…ん、ちゃー…ん…」
息切れなんて久しぶり。
「あらあら、心ちゃんじゃないの。どうした?」
杉浦のばあちゃんが俺に笑顔を向ける。
「凜…ちゃん…は?」
「部屋にいるよ。」
「呼んで…来てく…れる?」
「あいよ。」
:08/12/11 21:30 :SH901iC :uyR.lwfs
#55 [ゆーちん]
ばあちゃんは立派な足取りで階段を上って行き、凜を呼んで来てくれた。
「おばあちゃん、私ちょっと出掛けるね。」
「心ちゃんとかい?」
「うん。」
「はいよ。気をつけてね。」
「いってきます。」
「ばあちゃん、いってきます。」
:08/12/11 21:30 :SH901iC :uyR.lwfs
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