闇の中の光
最新 最初 🆕
#186 [ゆーちん]
「康、みんなにシホ紹介してやって。」

「おぉ、わかった。」


そう言って康孝は、哲夫の隣に立ち、みんなの方を向いた。


「はぁーい、ちゅうもぉーくっ!」

⏰:09/01/01 20:30 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#187 [ゆーちん]
大きな声。


静かになった集団。


小刻みに震える車やバイクのエンジン音だけが、響いていた。


たった一言で全員を黙らせる康孝。


さすが管理職。


「こちら、シホちゃん。テッちゃんの女だ。」

⏰:09/01/01 20:30 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#188 [ゆーちん]
女?


彼女って意味?


だったら間違ってる。


昨日、私をペットだって哲夫が言ってたでしょ?


何にも覚えてないのかな、康孝は。


「テッちゃん何か一言。」

⏰:09/01/01 20:31 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#189 [ゆーちん]
康孝に話を振られた哲夫は言った。


「たまに集会に来るだろうから仲良くしてやって。過去の事を聞き出すのは禁止。あと新人、シホは俺んちで住んでっから、これからは掃除ルール廃止。もう俺んち勝手に来るなよ。以上。」

⏰:09/01/01 20:33 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#190 [ゆーちん]
哲夫が話し終えると、全員の低い声が唸った。


『はい。』と。


「掃除ルールやめちゃうの?」


小声で哲夫に聞くと、小声で答えをくれた。


「これからはシホの仕事。料理だけじゃつまんないんだろ?だったら家事全般、シホの仕事な。掃除して、体のなまり防止。頼んだぞぉ。」

⏰:09/01/01 20:34 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#191 [ゆーちん]
大きく頷いた。


与えられた私の仕事。


家事なら得意だ。


でも好きじゃない。


萌子の時、嫌ってほど家事ばかりしていたから。


だけど私はシホ。


家事は嫌いじゃない。


家事は楽しい事なんだ。

⏰:09/01/01 20:35 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#192 [ゆーちん]
哲夫のために掃除や料理をする。


与えられた仕事への意気込みは半端のないもの。


頑張ろう。


そう思わずにはいられなかった。


「テッちゃんからの話は以上。じゃあミーティング始めるから報告のある奴はいつも通り挙手な〜。」

⏰:09/01/01 20:35 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#193 [ゆーちん]
康孝の大きな声が、エンジン音と奏であう。


次々に手が挙がった。


地面に座り込んでいるみんなと対して、突っ立ってんのは私と哲夫と康孝だけ。


康孝が手を上げた男を指名して、何の報告かわからないけど指名された男は声を張り上げていた。

⏰:09/01/01 20:36 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#194 [ゆーちん]
「座らないの?」


哲夫に小声で聞くと『お前は座ってていいよ。』と言った。


「哲夫は?」

「哲夫様はリーダーだから座らない。」

「ふーん。康孝は?」

「副リーダーちゃんだから座らない。」


あぁ、そうなんだ。


そう思いながら、笑ってる哲夫の隣に座り込んだ。

⏰:09/01/01 20:38 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#195 [ゆーちん]
その後の【集会】と呼ばれるものは退屈だった。


どこの地区で喧嘩があって警察がどうとか、新入りの紹介とか、そんなもの私には関係なかった。


しばらくすると【集会】はお開き。


みんな、またそれぞれに騒ぎ始めた。


「テツさん、ちょっと来て下さーい。」


哲夫が呼ばれた。

⏰:09/01/01 20:39 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194