闇の中の光
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#196 [ゆーちん]
「シホ、ちょっと待ってて。暇なら適当に康孝に遊んでもらってて。」

「大丈夫、待ってる。」

「ん。」


小さく笑い、哲夫は呼ばれた方に歩いて行った。


哲夫の後ろ姿を見つめる。


「シホちゃん。」

⏰:09/01/01 20:39 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#197 [ゆーちん]
哲夫が呼ばれた人に笑いかけているのを見た瞬間、私は隣から名前を呼ばれた。


「…あ、はい。」


まだ慣れない名前。


振り向くと康孝だった。


「賑やかだろ?」

「…うん。」

⏰:09/01/01 20:40 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#198 [ゆーちん]
「ここにいるのはまだ全員じゃねぇよ。まだ他にもいるんだ。その全員をまとめてんのが哲夫。あいつはすげぇよ、マジで。」


見渡すと、本当にたくさんの人がいる。


「ヤッちゃんも管理職なんでしょ?すごいじゃない。」

「俺なんてまだまだ。哲夫がいないと何もできないし。」

⏰:09/01/01 20:41 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#199 [ゆーちん]
哲夫がどれほどすごい人なのか、やっぱりまだよくわかんないな。


こんなたくさんの人をまとめているのは大変だろうけど、なぜ哲夫がリーダーなのかとか…そんなの全然わかんない。


「ヤッちゃん。」

「ん?」

「楽しい?」

「何が?」

⏰:09/01/01 20:48 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#200 [ゆーちん]
「ここにいて。」

「ここ…って集会?」

「こんな風に集まって、喋ったり騒いだり笑ったり…みんな楽しいのかな?」

「そりゃ楽しいっしょ。だから来てんだし。」

「何が楽しいんだろ。」

「んー、仲間に会えるからじゃね?」

「仲間?」

⏰:09/01/01 20:49 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#201 [ゆーちん]
康孝は煙草に火をつけた。


「ここならきっとシホちゃんにも仲間が出来ると思うよ。」

「上辺だけの仲間じゃなくって本当の仲間がいい。」

「おう、できるできる。そもそも上辺だけの奴なんて仲間って言わないからさ。」

⏰:09/01/01 20:50 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#202 [ゆーちん]
康孝の言葉に励まされたのは予想外だった。


ちょっとバカっぽいのに、なぜか私に勇気をくれた。


萌子の時には作れなかった本当の仲間を作りたい。


そう思ってしまうのは贅沢なのかな?


いいんだよね、私、普通の人生を過ごしても。

⏰:09/01/01 20:50 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#203 [ゆーちん]
「でも、いつ終わるかわからない人生だから…やっぱり仲間なんかいらないのかも。」

「何で?別に明日終わろうが今終わろうが仲間を作っちゃいけないなんてルールないよ。」

「そうだけど。」

「哲夫はシホちゃんを殺したりしないよ。」

⏰:09/01/01 20:51 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#204 [ゆーちん]
ぽんぽんと灰を地面に落とした康孝。


「…何で言い切れるの?私に飽きたらいつでも殺すって約束だもん。」

「殺す相手に服なんか与えないし、みんなに紹介しないっしょ。」


康孝が笑った。


なぜか安心した。


私、殺されないで済むの?って。

⏰:09/01/01 20:51 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#205 [ゆーちん]
死にたかったはずなのに、たった2日で気持ちが変わった。


たった1人の男の存在で気持ちが変わった。


出来ることなら、死なずにいたい。


このまま哲夫のペットでいたいんだ。


「根性ないなぁ…。」

「ほえ?何が?」

「ううん。独り言。」

⏰:09/01/01 20:52 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


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