闇の中の光
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#203 [ゆーちん]
「でも、いつ終わるかわからない人生だから…やっぱり仲間なんかいらないのかも。」
「何で?別に明日終わろうが今終わろうが仲間を作っちゃいけないなんてルールないよ。」
「そうだけど。」
「哲夫はシホちゃんを殺したりしないよ。」
:09/01/01 20:51 :SH901iC :XAv2cR7M
#204 [ゆーちん]
ぽんぽんと灰を地面に落とした康孝。
「…何で言い切れるの?私に飽きたらいつでも殺すって約束だもん。」
「殺す相手に服なんか与えないし、みんなに紹介しないっしょ。」
康孝が笑った。
なぜか安心した。
私、殺されないで済むの?って。
:09/01/01 20:51 :SH901iC :XAv2cR7M
#205 [ゆーちん]
死にたかったはずなのに、たった2日で気持ちが変わった。
たった1人の男の存在で気持ちが変わった。
出来ることなら、死なずにいたい。
このまま哲夫のペットでいたいんだ。
「根性ないなぁ…。」
「ほえ?何が?」
「ううん。独り言。」
:09/01/01 20:52 :SH901iC :XAv2cR7M
#206 [ゆーちん]
生きたいと願ってしまっていることが情けない。
もし昨日死んでいたのなら、あそこにいる哲夫の笑顔を見て、ちょっと心が温まるというような気持ちに襲われる事はなかったんだろうな。
それにー仲間を作りたいとも思わなかったのかもね。
:09/01/01 20:53 :SH901iC :XAv2cR7M
#207 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽
リズム
▽▲▽▲▽▲▽
:09/01/01 21:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#208 [ゆーちん]
「シホ、お待たせ。」
哲夫が戻って来ると康孝はどこかに行ってしまった。
「康と何話してたの?」
私の隣に腰を降ろす哲夫。
「仲間を作るってどういう事なのかな、って思って。」
「…。」
:09/01/01 21:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#209 [ゆーちん]
「私、仲間とか友達とか…そういうの苦手だから。」
しばらく黙り込んだ哲夫。
煙草に火をつけ、一口吸ってからゆっくり白い息を吐き出すと、低い声で話してくれた。
「ここにいる奴らはさ、みんな何かしら訳有りが多いんだ。同情っつーか傷の舐め合いだって言われるかもしんないけど、俺には必要な存在。」
:09/01/01 21:01 :SH901iC :XAv2cR7M
#210 [ゆーちん]
必要な存在って何だろう。
私にはまだわからない。
萌子の場合、必要な存在はいなかった。
両親、友達、彼氏…どれも必要ではなかった。
むしろ不必要。
無くなればいいと何度も思った。
:09/01/01 21:02 :SH901iC :XAv2cR7M
#211 [ゆーちん]
だからまだ、その必要な存在って意味がわからない。
「そうなんだ。」
「シホもいつかわかるから。慌てなくてもいいぞ。」
何かを悟ってくれたのだろうか。
深入りしてくれないところが有り難いんだ。
さすがリーダーしてるだけある。
人の心を読むのが上手いのだろう。
:09/01/01 21:02 :SH901iC :XAv2cR7M
#212 [ゆーちん]
「帰るか。」
「え、もう?」
「まだいたいのか?」
「別にそんなんじゃないけど。」
「今日は何もトラブルとかなかったから俺がいてもいなくても、どっちでもいいし。帰りたい奴は帰るんだよ。」
「ふーん。じゃあ帰る。寒い。」
:09/01/01 21:03 :SH901iC :XAv2cR7M
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