闇の中の光
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#482 [ゆーちん]
「会社は弟が継ぐらしくて、必死に勉強してる。俺が継ぐもんだと思ってて会社経営の勉強なんかしてなかったから慌てて将来の夢、変更ってわけだよ。弟には悪い事したなって思う。」
弟、いるんだ。
萌子には血の繋がったキョウダイ、いたのかな?
:09/01/15 18:24 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#483 [ゆーちん]
「実家飛び出して女のとこ転々として。でも自分の居場所が欲しくて…いつの間にかチームとか作ってた。親は、どっから俺の情報拾ったのか知んねぇけど、毎月お金を振り込む通帳みたいなの俺に送ってきやがった。」
:09/01/15 18:25 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#484 [ゆーちん]
そっか。
だから哲夫はお金には困らない生活をしていたんだ。
「通帳と一緒に手紙入ってて、たまには帰って来いとか書いてあるのかと思ったら…金はいくらでもやるから、うちの会社とは無関係だと誓え、みたいな事書いてあんの。」
:09/01/15 18:26 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#485 [ゆーちん]
それって…
「勘当ってやつ。ムカついたり悲しんだり悔しかったりしなかった。むしろ安心した。何でかわかんねぇけど、生きる勇気とか沸いたし。」
ねぇ、哲夫。
私も、話したい事があるよ。
:09/01/15 18:26 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#486 [ゆーちん]
いや、私じゃない。
萌子として、聞いて欲しい事があるよ。
:09/01/15 18:27 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#487 [ゆーちん]
「テツ…」
「ん?」
哲夫の腕の中で、萌子の話を始めよう。
「萌子はね、生まれてすぐ親に捨てられたんだ。施設で育って、7才の時に今の親の子供になった。最初は楽しかったの。でも、いつのまにか家族はバラバラになってた。父も母も、萌子に暴力を振るうの。痛くて恐くて苦しくて…生きる事に諦めてたんだぁ。」
:09/01/15 18:29 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#488 [ゆーちん]
まるで他人の話をしてるみたい。
お伽話でもするかのように私の口は語る。
:09/01/15 18:29 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#489 [ゆーちん]
「親も友達も彼氏も、みんな嫌い。ウザいだけ。必要のない存在。」
「…ん。」
「そんな人生に耐え兼ねた萌子は死ぬつもりだった。どの自殺方法が1番いいかなって考えてたんだけど、ある日の夜、父に本気で殺されかけた。自殺したかったのに他殺かって思ったけど、結局は父に半殺しのまま家からほうり出されたの。」
:09/01/15 18:32 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#490 [ゆーちん]
ほんの一ヶ月前のことなのに、なんだか10年以上前の話をしているみたいだった。
「首吊りとか飛び降りとか色々考えてたんだけど、もういいやって思った。半殺しのまま生きるのも苦しいだけだから、どんな方法でもいいから死にたいって思った。そんな気持ちのまま萌子はあてもなく夜道を歩いてたの。」
:09/01/15 18:32 :SH901iC :Jfqqe8Pw
#491 [ゆーちん]
哲夫は、ずっと黙ったまま聞いてくれていた。
そのほうが話しやすい。
「そんな時、ふと目についたのがナイフで、神様が与えてくれたんだって思った。そのナイフで死になさいって言われた気がして、心臓を刺して死んでやろうって決めたの。で、ナイフを振りかざして…次の瞬間には知らない部屋にいた。死ねなかったんだってわかった時、自分が情けなかった。」
:09/01/15 18:33 :SH901iC :Jfqqe8Pw
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