闇の中の光
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#552 [ゆーちん]
せめて、残り少ない今年だけはシホでいさせて。
幸せな年越しをして、笑いながら年明けをしたい。
そんなわがままを快くOKしてくれた哲夫。
本当、最高だよ、この男。
愛、イコール、哲夫。
こんな感情、教えてくれて、ありがとう。
:09/01/18 18:15 :SH901iC :.ySjYrww
#553 [ゆーちん]
:09/01/18 18:16 :SH901iC :.ySjYrww
#554 [ゆーちん]
家に戻り、自分でお風呂を入れ直した。
ずっとタイマー予約に頼り切っていたから、自分たちでお湯を溜めるのはなんだか違和感があった。
お湯が溜まる間、哲夫は教えてくれた。
:09/01/19 10:56 :SH901iC :ZU.S4G5o
#555 [ゆーちん]
「俺、人をちゃんと好きになった事ないから萌子を拾った時どうすりゃいいか、わかんなかったんだ。殺せって頼む女を好きなのに、どうすれば正解なんだ?って。」
「…うん。」
「キスしたのだって、萌子を殺したくないって願望より、俺がお前とキスしたかったっていう欲望が強かっただけだし。」
:09/01/19 10:58 :SH901iC :ZU.S4G5o
#556 [ゆーちん]
あの日、ナイフの変わりに、舌が這った私の喉をそっと触った哲夫。
「ペットとか言われて嫌だったよな。ごめん。あんな風に言わないと、お前を傍に置いとけないと思って。」
照れて笑った哲夫が愛くるしい。
:09/01/19 10:59 :SH901iC :ZU.S4G5o
#557 [ゆーちん]
何で謝られてるのか意味わかんないよ。
ペットだろうが奴隷だろうが、哲夫の傍にいられるなら何だっていい。
一緒にいれるなら、どんな口実だっていい。
心からそう思う。
:09/01/19 11:00 :SH901iC :ZU.S4G5o
#558 [ゆーちん]
なのに哲夫は、苦笑いしたままで…申し訳なさそうな顔をする。
そんな彼の唇を、私から奪いに向かった。
気にしてないよ。
哲夫の傍にいられるなら何でもいいよ。
大好きだよ。
そんな事を頭に浮かべながら、甘いキスを繰り返した。
:09/01/19 11:00 :SH901iC :ZU.S4G5o
#559 [ゆーちん]
シホ。
シホ。
シホ。
唇が少し離れるたびに名前を呼ばれる。
何だか名前を呼ばれる事が、急に切なく感じた。
私はシホなの?
シホでいいの?
そんな感じ。
勝手に涙が流れていた。
:09/01/19 11:05 :SH901iC :ZU.S4G5o
#560 [ゆーちん]
数分後。
お風呂に入り、消えかけている青アザや古傷を撫でてもらった。
萌子の傷は、シホの傷じゃない。
「消えて来たな。腹のアザ。」
「…うん。」
「俺のマジックハンドのおかげ?」
そうだよ。
哲夫の手のおかげだよ。
優しく撫でてくれる哲夫がいたから、傷は和らいだんだ。
:09/01/19 11:06 :SH901iC :ZU.S4G5o
#561 [ゆーちん]
お風呂から上がり、哲夫がテレビをつけた時、私たちは気付いた。
「今日、大晦日じゃん。」
12月31日。
ついこの間、クリスマスだって騒いでいたかと思えば、もう大晦日だ。
今年も終わり。
今年は私にとって劇的な年。
:09/01/19 11:07 :SH901iC :ZU.S4G5o
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