闇の中の光
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#592 [ゆーちん]
「哲夫に…伝えたい事…まだまだ、いっぱい…ある。」

「あぁ?何言ってんだよ。つーか泣くな。」

「でも…何から話せばいいのか…わかんないし…上手く話せない…かもしんないし…」

「今でも全然上手く話せてないぞ。ほら、もう泣くな。」

⏰:09/01/21 10:43 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#593 [ゆーちん]
泣きじゃくる私の涙を、笑いながら拭き取る哲夫。


思わず抱き着いてしまった。


「おいおい。そういう可愛い事は家に帰ってからしろよな。」

「…ごめ…なさい。」

「帰ろ。話ならゆっくり聞いてやるから。まだまだ夜は長いぞぉー。」

⏰:09/01/21 10:45 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#594 [ゆーちん]
結局、家に帰ってから、何も伝えらんなかった。


翌日、哲夫が出掛けるまでたくさん時間はあったのに何も言えずに、見送った。


「いってらっしゃい。」

「いってきます。」


笑顔の哲夫。


キスをもらってから送り出した。

⏰:09/01/21 10:47 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#595 [ゆーちん]
家で一人ぼっち。


私はベットに潜り、哲夫の匂いを抱きしめた。


好きで、好きで、こんなに人を好きになれるなんてまだ信じらんない。


今頃、哲夫は怒ってるのかな。


誰かを殴ってるのかな。


願わくば、哲夫の笑った顔だけを見ていきたい。


これから先、ずっとずっと。

⏰:09/01/21 14:22 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#596 [ゆーちん]
気が付くと哲夫が隣で眠っていた。


私、いつのまに寝ちゃったんだろう。


隣に哲夫がいる事実に、思わず涙が浮かんだ。


無事でよかった。


だけど顔には数ヵ所に傷。


見てて痛々しかった。

⏰:09/01/21 14:23 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#597 [ゆーちん]
「…シホ。」


小さく囁いた哲夫。


「ごめん、起こした?」

「ううん。おはよう。」

「おはよう。ていうか…おかえり。」

「ただいま。」


笑ってる哲夫を見て、浮かんでいた涙は零れてしまった。

⏰:09/01/21 14:24 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#598 [ゆーちん]
「情緒不安定だな、お前。」

「ごめ…なさ…」

「謝んなくていいっつうの。それより消毒して。ズキズキして熟睡できねぇ。」

「あ、うん。」


涙を拭いて、薬箱を取りに向かった。

⏰:09/01/21 14:25 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#599 [ゆーちん]
薬箱の中には、私が以前買って来た薬が入っていた。


シホになって初めて1人で外に出た時、コンビニで買ったんだっけ。


哲夫が熱出して、助けたくて、じっとしてらんなくて…今思えば、きっとあの時から、私は哲夫を好きだったんだ。

⏰:09/01/21 16:15 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#600 [ゆーちん]
「いってぇ!」

「…我慢して。」

「もうちょっと優しくしてよ。」

「優しくしてるよ?」

「殴られるより消毒のが痛いし。」


哲夫は誰かを殴った?


…って、そんな事聞くのはタブーだよね。

⏰:09/01/21 16:16 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#601 [ゆーちん]
「シホ。」

「ん?」

「あの男…萌子に伝えてくれって頭下げに来た。」


心臓が波打った。


あの男って、宗太郎の事だよね。


「…何?」

「萌子がまだ好きだ、ってさ。」

⏰:09/01/21 22:07 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


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