闇の中の光
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#763 [ゆーちん]
「ヤッちゃーん!」
「お久〜!」
相変わらずうるさい車。
康孝も相変わらずで、頭をくしゃくしゃと掻き乱してくる意地悪なところは変わらない。
後部座席に乗り込み、車はシホの家に向かう。
:09/01/25 12:13 :SH901iC :PIdEEYAI
#764 [ゆーちん]
シホに戻った途端、笑顔がどんどん溢れて来る。
そんな車内で、康孝と色んな事を話した。
「髪伸びたなー。」
「専属の美容師がいるから、他の美容師には切って貰わないの。」
「プッ。芸能人かよ。」
「前髪だけは自分で切ってたけど。」
「ふーん。相変わらずパッツン前髪で色も大人しい茶色だな。シホちゃん、って感じ。」
:09/01/25 12:15 :SH901iC :PIdEEYAI
#765 [ゆーちん]
メイクだってシホのまま。
私自身、そんな自分を気に入っていたんだ。
「のんちゃん元気?」
「おー、元気元気。彼氏できたみたいだぞ。」
「うっそぉ!色々聞きたいなぁ。」
「んじゃ早速今日の集会来いよ。また迎えに来てやるから。」
:09/01/25 12:15 :SH901iC :PIdEEYAI
#766 [ゆーちん]
ちょうど車は目的地に到着。
「いいの?」
「遠慮はいらないぞ、マイシスター。」
「英語似合わないね。」
「うるせっ!んじゃまた夕方に。」
「うん。ありがと。」
うるさい車から降りると、康孝は走り去った。
:09/01/25 12:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#767 [ゆーちん]
11ヵ月ぶりのもう一つの我が家。
インターホンを押す。
ガチャ…
ドアが開く。
持っていた荷物は思わず手からずり落ち、その手は迷わず前に伸びる。
金髪頭をした笑顔の彼に。
:09/01/25 12:23 :SH901iC :PIdEEYAI
#768 [ゆーちん]
「…哲夫っ。」
「おかえり、シホ。」
「ただいま。」
そのあとしばらく、哲夫の腕の中で泣いたのは言うまでもないよね。
:09/01/25 12:23 :SH901iC :PIdEEYAI
#769 [ゆーちん]
12月のシホの帰宅。
それには1つの約束が関わっていた。
『イルミネーションを飾ろう。来年まで我慢しろ。』
そう、あれは私の我が儘でもあった約束。
家にクリスマスのイルミネーションを飾りたいって言うと、哲夫は来年だと約束してくれた。
その約束が叶えるための12月の帰宅。
:09/01/25 12:24 :SH901iC :PIdEEYAI
#770 [ゆーちん]
「もう電球とかツリーとか買ってあっから、集会行くまでに飾り切っちゃおうか。」
「うん。」
「あっ、でもその前に…」
久しぶりのキスは、煙草の味がやけに濃かった。
だけど幸せなキスだった。
:09/01/25 12:25 :SH901iC :PIdEEYAI
#771 [ゆーちん]
この幸せにたどり着く為に随分辛い思いをしたけど、今なら胸を張って言える。
生きててよかった、って。
END
:09/01/25 12:25 :SH901iC :PIdEEYAI
#772 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
あとがき
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:09/01/25 12:26 :SH901iC :PIdEEYAI
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