闇の中の光
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#208 [ゆーちん]
「シホ、お待たせ。」
哲夫が戻って来ると康孝はどこかに行ってしまった。
「康と何話してたの?」
私の隣に腰を降ろす哲夫。
「仲間を作るってどういう事なのかな、って思って。」
「…。」
:09/01/01 21:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#209 [ゆーちん]
「私、仲間とか友達とか…そういうの苦手だから。」
しばらく黙り込んだ哲夫。
煙草に火をつけ、一口吸ってからゆっくり白い息を吐き出すと、低い声で話してくれた。
「ここにいる奴らはさ、みんな何かしら訳有りが多いんだ。同情っつーか傷の舐め合いだって言われるかもしんないけど、俺には必要な存在。」
:09/01/01 21:01 :SH901iC :XAv2cR7M
#210 [ゆーちん]
必要な存在って何だろう。
私にはまだわからない。
萌子の場合、必要な存在はいなかった。
両親、友達、彼氏…どれも必要ではなかった。
むしろ不必要。
無くなればいいと何度も思った。
:09/01/01 21:02 :SH901iC :XAv2cR7M
#211 [ゆーちん]
だからまだ、その必要な存在って意味がわからない。
「そうなんだ。」
「シホもいつかわかるから。慌てなくてもいいぞ。」
何かを悟ってくれたのだろうか。
深入りしてくれないところが有り難いんだ。
さすがリーダーしてるだけある。
人の心を読むのが上手いのだろう。
:09/01/01 21:02 :SH901iC :XAv2cR7M
#212 [ゆーちん]
「帰るか。」
「え、もう?」
「まだいたいのか?」
「別にそんなんじゃないけど。」
「今日は何もトラブルとかなかったから俺がいてもいなくても、どっちでもいいし。帰りたい奴は帰るんだよ。」
「ふーん。じゃあ帰る。寒い。」
:09/01/01 21:03 :SH901iC :XAv2cR7M
#213 [ゆーちん]
哲夫は立ち上がり、『だったらもっと着込んで来いよ。』と笑った。
哲夫が歩き始めたので私も立ち上がり、彼の後を追った。
「康、俺ら帰るわ。」
哲夫が康孝にそう告げると、康孝が頷き、またみんなの方を向いて声を張り上げた。
「テッちゃん帰るって!」
:09/01/01 21:03 :SH901iC :XAv2cR7M
#214 [ゆーちん]
すると、その康孝の一言に、あれだけ騒がしかった場内は一気に同じ事を言い出した。
「お疲れ様でした!」
哲夫は『はーい、じゃあお先に。』とだけ答えた。
「シホ、おいで。」
呆気に取られていた私は、みんなを見ていた。
置いて行かれちゃたまらない。
:09/01/01 21:04 :SH901iC :XAv2cR7M
#215 [ゆーちん]
哲夫の声に素早く反応した私は、慌てて哲夫の元に駆け寄った。
「ほい。」
哲夫が着ていた上着が私の体を包む。
「テツ寒くないの?」
「男の子だもん。」
「ふーん。」
「ありがとうぐらい言え。」
「頼んでないよ。」
「生意気小娘。」
:09/01/01 21:05 :SH901iC :XAv2cR7M
#216 [ゆーちん]
哲夫の上着が温かい。
そのうえ肩を抱かれたので、もっと温かかった。
帰り道、私はたくさん笑った気がする。
家に戻ると哲夫は冷蔵庫からビールを取り出した。
「飲むか?」
「…飲んだ事ない。」
:09/01/01 21:06 :SH901iC :XAv2cR7M
#217 [ゆーちん]
「お子ちゃまだなぁ。俺のビールデビューなんて12才だぞ?」
「12才?」
「おうよ。中1の時、先輩に無理矢理飲まされて吐いたのが、俺の華々しいビールデビュー秘話だ。」
「フフッ…バカだ。」
コップに注いだビールを一気に飲み干した哲夫を見て、自然に口が動いていた。
:09/01/01 21:07 :SH901iC :XAv2cR7M
#218 [ゆーちん]
「美味しい?」
「おう!」
「美味しそうに飲むね。」
「だって本当に美味いし。飲んでみっか?」
「いい、いらない。」
「そ。」
哲夫がビールを飲む。
それは構わない。
だけど自分は飲みたくない。
まだ、恐いんだ。
:09/01/01 21:08 :SH901iC :XAv2cR7M
#219 [ゆーちん]
私はシホだけど、元は萌子だから。
萌子の時に恐かったものはシホになっても恐かった。
恐怖心が取れない。
ビールを飲むと機嫌が悪くなる、父と母の恐さが、未だに私を苦しめた。
:09/01/01 21:08 :SH901iC :XAv2cR7M
#220 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
ではまた
>>2▲▽▲▽▲▽▲
:09/01/01 21:09 :SH901iC :XAv2cR7M
#221 [ゆーちん]
哲夫はビールを飲んでも酔わなかった。
よかった。
誰かが酔う姿は好きじゃないから。
「んー、眠い。」
「お風呂は?」
「朝入る。」
:09/01/03 21:36 :SH901iC :diob1dTs
#222 [ゆーちん]
「私、化粧落としてくる。」
「あいよ。」
ベットに倒れ込んだ哲夫を置いて、私は洗面所に向かう。
化粧を落としてから部屋に戻ると、哲夫はいびきをかいていた。
服を脱ぎ、パジャマに着替える。
哲夫の眠る隣に潜り、うるさいいびきを聞きながら、私は眠りについた。
:09/01/03 21:37 :SH901iC :diob1dTs
#223 [ゆーちん]
翌日は約束通り美容院に行って、カラーリングをしてもらった。
落ち着いたブラウンに染まった私の髪を何度も何度も哲夫は撫でてくれた。
その日は集会に行かず、留守番をした。
そのまた翌日は、眠る哲夫を起こさないよう朝から家事をして、昼前に起きた哲夫と一緒にお風呂に入る。
:09/01/03 21:38 :SH901iC :diob1dTs
#224 [ゆーちん]
ご飯を食べ、夕方までのんびり過ごし、集会に向かう哲夫を見送った。
なぜ集会に行かないのか。
別に具体的な理由はなかった。
仲間は欲しいけど慌てなくていいって哲夫が言ってくれたから。
だから行きたい時に行く。
それでいいんだよね?
:09/01/03 21:39 :SH901iC :diob1dTs
#225 [ゆーちん]
シホになってちょうど1週間が経った。
「久しぶりに集会行ってもいい?」
私の質問に哲夫は笑って答えた。
「温かい格好してけよ。」
私の顔も自然と綻んだ。
この前のように肩を抱かれ、私たちは集会場所に向かう。
:09/01/03 21:40 :SH901iC :diob1dTs
#226 [ゆーちん]
到着した途端、哲夫への挨拶が飛び交った。
康孝が声を張り上げる。
報告者が手を挙げる。
私は黙って座っていた。
30分程すれば集会が終わり、また賑やかになった。
すると、隣から哲夫と康孝以外の声が初めて私の名前を呼んだ。
「シホさん。」
:09/01/03 21:41 :SH901iC :diob1dTs
#227 [ゆーちん]
振り向くと女の子がいた。
「はい。」
「あの、よかったらあっちで話しませんか?」
「私と?」
「ダメなら結構ですけど…」
「あ、いや…ダメじゃないですけど…」
戸惑う私に隣にいた哲夫が助け船を出してくれた。
「人見知りするけど、シホよろしくね。」
:09/01/03 21:42 :SH901iC :diob1dTs
#228 [ゆーちん]
哲夫に私を頼まれた女の子は『はい!』と笑った。
「行っていいの?」
私が問うと、哲夫は『もちろん。』と答えた。
「行きましょうシホさん。」
「…はい。」
戸惑いながらも、立ち上がり、その女の子の後をついて行った。
:09/01/03 21:43 :SH901iC :diob1dTs
#229 [ゆーちん]
1時間後、私は私を恥じていた。
いや、正確には…私は萌子に恥じていた、だ。
どうして友達の作り方を知らなかったんだろう。
どうして仲間の素晴らしさを知らなかったんだろう。
今まで、仲間がこんな素敵な事を知らなかったなんて。
萌子に、腹がたった。
:09/01/03 21:43 :SH901iC :diob1dTs
#230 [ゆーちん]
打って変わって、シホを、好きになった。
初めて出来た仲間。
無理に笑わなくていい会話。
ありのまま、楽にいられる居場所。
他愛もない会話だったけど、楽しかった、心から。
:09/01/03 21:44 :SH901iC :diob1dTs
#231 [ゆーちん]
時間を忘れ、たくさんの話をした。
ほとんどはみんなが話のを聞いていただけだったけど、夢中になって話を聞いたし、心から笑ったりもした。
感情があるって素晴らしい事だと思う。
仲間がいるって有り難い事だと思う。
:09/01/03 21:45 :SH901iC :diob1dTs
#232 [ゆーちん]
「シホさんはそういうムカつく店員に会った事ありますかぁ?」
「ありますよ。でも私はムカついても何も言えないんですよね。」
「マジっすか?そこはガツンと言っちゃいましょうよ〜。」
なんて、盛り上がってると私の後ろから哲夫の声がした。
:09/01/03 21:45 :SH901iC :diob1dTs
#233 [ゆーちん]
「楽しそうだね。」
みんなの顔がちょっと強張った。
「哲夫さん。」
「敬語同士で盛り上がるのも珍しいけどな。」
「いや、だってやっぱ哲夫さんの彼女だと気使っちゃいますよ。」
「別に気にしなくていいのに、なぁシホ。」
:09/01/03 21:46 :SH901iC :diob1dTs
#234 [ゆーちん]
哲夫に話を振られた私は大きく頷いた。
「みんなの方が年上だし、私に敬語なんか使わなくていいですから。」
「えっ、だったらシホさんも私らなんかに敬語なんかしないで下さいよ。仲良くやりましょう。」
:09/01/03 21:47 :SH901iC :diob1dTs
#235 [ゆーちん]
哲夫は『よかったな、シホ。怖いお姉さん達と仲良くなれて。』と言うと、みんなが笑った。
「怖くないよ、シホさん。うちらめちゃめちゃ優しいから。」
「シホさんはおかしくない?シホちゃんって呼ばせてもらおうよ。」
「あ、そうだね。いいかな、シホちゃんで。」
「うん。」
:09/01/03 21:48 :SH901iC :diob1dTs
#236 [ゆーちん]
敬語で会話していたのに、急にため口になってなんだか違和感があったけど、しばらくすれば気にもならなくなった。
いつの間にか哲夫は私の後ろからいなくなっていて、再び哲夫に会ったのは解散の時だった。
:09/01/03 21:48 :SH901iC :diob1dTs
#237 [ゆーちん]
「じゃあねシホちゃん。」
「また語ろうね!」
「今度は私の幼稚園時代の武勇伝、聞かせてあげるよぉ。」
みんなが私に手を振る。
「うん、バイバイ。」
私もみんなに手を振った。
哲夫の近くにいたせいか、みんなは手を振った後に頭を軽く下げた。
:09/01/03 21:50 :SH901iC :diob1dTs
#238 [ゆーちん]
「帰りますかシホさん。」
「うん。」
「寒くない?」
「今日は大丈夫。」
「そ。」
肩を抱かれ、帰ろうとする哲夫と私に、残っていた人たちが『お疲れ様っす!』と叫んだ。
哲夫は振り向きもせず手を上げただけだった。
:09/01/03 21:51 :SH901iC :diob1dTs
#239 [ゆーちん]
「楽しかった?」
「うん。」
「わかってきた?仲間の意味。」
「…うーん。」
「まぁそんな簡単にわかるわけないか。ゆっくりでいいからな。また行きたい時に行けばいいよ。」
「うん。」
家につくと日付はとっくに変わっていて、もうすぐ鳥が鳴き始めるような時間だった。
:09/01/03 21:52 :SH901iC :diob1dTs
#240 [ゆーちん]
「長居しすぎた。俺いつもはもうちょっと早く帰るんだよ。」
「そうなんだ。」
「シホは寝てるから知らないよな、俺が帰って来る時間なんて。」
「うん、知らない。」
なんて事を話しながら、私たちは眠りについた。
:09/01/03 21:53 :SH901iC :diob1dTs
#241 [ゆーちん]
私が2回目の集会に行ってから、また一週間が経った。
最近、ようやく生活リズムが出来てきた。
朝、哲夫を起こさないようにベットから抜け出し、洗濯や掃除、昼食の準備をする。
:09/01/03 21:54 :SH901iC :diob1dTs
#242 [ゆーちん]
哲夫が起きてくると一緒にお風呂へ入る。
お風呂から出て、遅めの昼食。
昼食を食べ終えてからの事は、日によってバラバラ。
のんびりと部屋で過ごす事もあれば、買い物行く事もある。
そして夕方、哲夫は私の頬にキスをしてから集会に出掛ける。
私は行かない。
:09/01/03 21:54 :SH901iC :diob1dTs
#243 [ゆーちん]
集会に行かない理由は、特になかった。
この前、私に話し掛けてくれた人たちとも話したいとは思うけど…まだ怖かったんだ。
仲良くなればなるほど、上辺だけだってわかった時の傷はもう付けたくない。
あそこにいるみんなは、上辺だけで近付いてるんじゃないって言ってくれるかもしんない。
:09/01/03 21:56 :SH901iC :diob1dTs
#244 [ゆーちん]
有り難いんだけど、やっぱりまだ怖いんだ。
だから気分がいい時だけ、集会に行く事にした。
哲夫が集会に行き、一人になると残りの家事を済ます。
で、眠くなれば寝る。
起きると哲夫に抱きしめられている。
そんな毎日だった。
:09/01/03 21:56 :SH901iC :diob1dTs
#245 [ゆーちん]
ある朝…じゃなくて、お昼か。
眠そうな顔で起きてきた哲夫は、煙草を吸いながら言った。
「望実がシホに会いたいってさ。」
「…のんちゃん?」
哲夫が言う【望実】と、私が言う【のんちゃん】は同一人物。
:09/01/03 21:58 :SH901iC :diob1dTs
#246 [ゆーちん]
【望実】のあだ名が【のんちゃん】ってわけ。
この前、私に初めて話し掛けてくれた子。
私より2つ年上で、エクボの可愛い女の子。
もしかしたら…仲良くなれるかもしれない子。
「また調子いい時でいいからさ、一度顔出してやったら?」
「うん、そうだね。」
:09/01/03 21:59 :SH901iC :diob1dTs
#247 [ゆーちん]
煙草を消し、立ち上がる時に私の頭を撫でてくれた哲夫。
「慌てんな。」
「…うん。」
わかってる。
慌ててなんかない。
怖くて、一歩足りとも踏み出せないだけ。
だけどそれじゃだめなんだ。
:09/01/03 22:00 :SH901iC :diob1dTs
#248 [ゆーちん]
踏み出さないと始まんない。
「風呂入るか。」
一日の始まりはお風呂から。
今日も哲夫は、後ろから抱きしめてくれる。
「哲夫。」
「何?」
「今日行ってもいい?」
「集会?」
「うん。」
のんちゃんの、私に会いたいと言ってくれた言葉をきっかけに、一歩踏み出そうと思う。
:09/01/03 22:00 :SH901iC :diob1dTs
#249 [ゆーちん]
哲夫は快く了解してくれた。
お風呂から上がり、出掛ける準備をする。
髪形、化粧、服装。
みるみる変身していく自分を見るのが楽しかった。
落ち着いた色の髪と、ナチュラルなメイク、それに派手すぎない服装。
何だかんだで私はシホを気に入っていた。
:09/01/03 22:01 :SH901iC :diob1dTs
#250 [ゆーちん]
準備が終わり、残りの家事を済ませてから家を出た。
この前より、夜道が寒かった。
だから、この前より肩をきつく抱きしめてもらった。
人の温もりが心地いい。
哲夫の温もりが私に伝わって来た頃、集会場所に到着した。
:09/01/03 22:02 :SH901iC :diob1dTs
#251 [ゆーちん]
「お疲れ様っす!」
哲夫への挨拶が飛び交う。
その挨拶の中に、女の子の声が混じった。
「シホちゃん!」
声の主は探さなくても、向こうから近付いて来てくれた。
のんちゃんだ。
:09/01/03 22:20 :SH901iC :diob1dTs
#252 [ゆーちん]
「久しぶり〜!」
元気なシホちゃんの声と笑顔が、私を抱きしめた。
女の子に抱きしめられた事なんかなかったから、ちょっとビックリ。
「のんちゃん?」
「元気だった?超会いたかったよぉ!」
「あ、うん。のんちゃんも元気だった?」
「やや風邪ぎみ〜。でも余裕だよ?風邪なんかに負けてんないし!」
:09/01/03 22:20 :SH901iC :diob1dTs
#253 [ゆーちん]
のんちゃんの歓迎に驚きつつも、普通に嬉しかった。
私と会う事が、そんなに喜んでもらえるの?って。
「シホ、今から報告ばっかでつまんねぇだろうから望実たちと座ってろ。」
康孝たちと喋っていた哲夫が私の傍に来て言った。
:09/01/03 22:22 :SH901iC :diob1dTs
#254 [ゆーちん]
「あっ、哲夫さん。お疲れ様です。」
のんちゃんが挨拶すると、哲夫は『お疲れさん。』と言う。
「いいの?」
私が聞くと哲夫は頷いた。
「じゃあシホちゃん、あっち行こうよ。みんな待ってるし!」
「うん。」
そういう訳で、私はのんちゃんに手を引かれ、哲夫の傍から離れた。
:09/01/03 22:22 :SH901iC :diob1dTs
#255 [ゆーちん]
「シホちゃんだ!」
「久しぶり〜!」
「元気してた?」
そこにいた他の女の子たちは、みんな笑顔で私を受け入れてくれた。
集会が始まるまで、みんなで他愛もない話をする。
:09/01/03 22:23 :SH901iC :diob1dTs
#256 [ゆーちん]
「あーい、注目!」
康孝の声で、みんなは一気に静まり返る。
手を挙げて報告する人の話を聞く時間。
私には関係ないから、黙って座っている。
いつものように30分もすれば集会は終わる。
ここからは帰りたい人は帰ればいいって感じらしく、何人かは帰って行く。
:09/01/03 22:24 :SH901iC :diob1dTs
#257 [ゆーちん]
「のんちゃん達は帰らないの?」
私が聞くと、みんなは『帰る訳ないじゃん!』といった感じで笑っていた。
「せっかくシホちゃんに会えんのに、帰るの勿体ないし!」
「つーか帰っても暇だし。」
「みんなといる方が楽しいじゃん?」
:09/01/03 22:25 :SH901iC :diob1dTs
#258 [ゆーちん]
驚いた。
そんな答えが返ってくるなんてさ。「そっかぁ。」
「でも用があるときは集会終わったら嫌々帰るよ?」
「まぁでもウチらに用なんて滅多にないけどねぇ!」
笑い声のあとに、また違う話で盛り上がる。
この前よりも楽しい時間だった。
:09/01/03 22:25 :SH901iC :diob1dTs
#259 [ゆーちん]
「また来てよ?」
解散の時間になった。
「バイバイ。」
のんちゃん達ともさよならして、私は哲夫に肩を抱かれながら帰る。
「ねぇ哲夫。」
「ん?」
:09/01/03 22:28 :SH901iC :diob1dTs
#260 [ゆーちん]
「明日も集会来る。」
やっと一歩だけ進めた気がする。
「おう。」
哲夫の笑顔を見ると、明日も来たいと思う願望は、間違いなどではないんだと安心できる。
家に帰り、共に眠る。
これからは生活リズムをまた少し変えないとな。
:09/01/03 22:29 :SH901iC :diob1dTs
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