闇の中の光
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#245 [ゆーちん]
ある朝…じゃなくて、お昼か。


眠そうな顔で起きてきた哲夫は、煙草を吸いながら言った。


「望実がシホに会いたいってさ。」

「…のんちゃん?」


哲夫が言う【望実】と、私が言う【のんちゃん】は同一人物。

⏰:09/01/03 21:58 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#246 [ゆーちん]
【望実】のあだ名が【のんちゃん】ってわけ。


この前、私に初めて話し掛けてくれた子。


私より2つ年上で、エクボの可愛い女の子。


もしかしたら…仲良くなれるかもしれない子。


「また調子いい時でいいからさ、一度顔出してやったら?」

「うん、そうだね。」

⏰:09/01/03 21:59 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#247 [ゆーちん]
煙草を消し、立ち上がる時に私の頭を撫でてくれた哲夫。


「慌てんな。」

「…うん。」


わかってる。


慌ててなんかない。


怖くて、一歩足りとも踏み出せないだけ。


だけどそれじゃだめなんだ。

⏰:09/01/03 22:00 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#248 [ゆーちん]
踏み出さないと始まんない。


「風呂入るか。」


一日の始まりはお風呂から。


今日も哲夫は、後ろから抱きしめてくれる。


「哲夫。」

「何?」

「今日行ってもいい?」

「集会?」

「うん。」


のんちゃんの、私に会いたいと言ってくれた言葉をきっかけに、一歩踏み出そうと思う。

⏰:09/01/03 22:00 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#249 [ゆーちん]
哲夫は快く了解してくれた。


お風呂から上がり、出掛ける準備をする。


髪形、化粧、服装。


みるみる変身していく自分を見るのが楽しかった。


落ち着いた色の髪と、ナチュラルなメイク、それに派手すぎない服装。


何だかんだで私はシホを気に入っていた。

⏰:09/01/03 22:01 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#250 [ゆーちん]
準備が終わり、残りの家事を済ませてから家を出た。


この前より、夜道が寒かった。


だから、この前より肩をきつく抱きしめてもらった。


人の温もりが心地いい。


哲夫の温もりが私に伝わって来た頃、集会場所に到着した。

⏰:09/01/03 22:02 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#251 [ゆーちん]
「お疲れ様っす!」


哲夫への挨拶が飛び交う。


その挨拶の中に、女の子の声が混じった。


「シホちゃん!」


声の主は探さなくても、向こうから近付いて来てくれた。


のんちゃんだ。

⏰:09/01/03 22:20 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#252 [ゆーちん]
「久しぶり〜!」


元気なシホちゃんの声と笑顔が、私を抱きしめた。


女の子に抱きしめられた事なんかなかったから、ちょっとビックリ。


「のんちゃん?」

「元気だった?超会いたかったよぉ!」

「あ、うん。のんちゃんも元気だった?」

「やや風邪ぎみ〜。でも余裕だよ?風邪なんかに負けてんないし!」

⏰:09/01/03 22:20 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#253 [ゆーちん]
のんちゃんの歓迎に驚きつつも、普通に嬉しかった。


私と会う事が、そんなに喜んでもらえるの?って。


「シホ、今から報告ばっかでつまんねぇだろうから望実たちと座ってろ。」


康孝たちと喋っていた哲夫が私の傍に来て言った。

⏰:09/01/03 22:22 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


#254 [ゆーちん]
「あっ、哲夫さん。お疲れ様です。」


のんちゃんが挨拶すると、哲夫は『お疲れさん。』と言う。


「いいの?」


私が聞くと哲夫は頷いた。


「じゃあシホちゃん、あっち行こうよ。みんな待ってるし!」

「うん。」


そういう訳で、私はのんちゃんに手を引かれ、哲夫の傍から離れた。

⏰:09/01/03 22:22 📱:SH901iC 🆔:diob1dTs


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