闇の中の光
最新 最初 🆕
#309 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽

トラウマ

▽▲▽▲▽▲▽

⏰:09/01/06 17:21 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#310 [ゆーちん]
自殺失敗から1ヵ月以上が経った。


波風立たない生活を過ごしていた私と哲夫。


だけど急に波が荒れた。


風が吹いた。


些細な事がきっかけで、事件が起こった。


私を苦しませた、ちょっとした事件が。

⏰:09/01/06 17:21 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#311 [ゆーちん]
その日もいつものように集会に来ていた。


のんちゃん達と、あの芸能人がカッコイイとか不細工だとか、そんな話をしていた。


他愛もない、楽しい会話。

⏰:09/01/06 17:22 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#312 [ゆーちん]
「殺すぞっ!」


その場に相応しくない言葉が響いたのは、のんちゃん達と笑いあったすぐの事だった。


私たちのグループの隣にいた男の子2人が言い争いを始めた。


じゃれあいなんて日常茶飯事。


だけど、これはじゃれあいなんかじゃない。


…喧嘩だ。

⏰:09/01/06 17:27 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#313 [ゆーちん]
「あぁ?お前もっかい言ってみろ!」

「調子乗ってんじゃねぇぞ、てめぇ!」


初めてチーム内での喧嘩を目の当たりにした。


驚きの次に私を襲ったのは、恐怖だった。


「殺されてぇのか!」

「あぁ?」

⏰:09/01/06 17:27 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#314 [ゆーちん]
その大声と怒鳴り声。


私をシホから萌子に戻させた。


父から受けた虐待が脳裏に浮かぶ。


やめて、怖い。


声を、出さないで。


震える体は、喧嘩している2人の方を向いて動かない。


見たくないのに、目が2人から離れない。

⏰:09/01/06 17:28 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#315 [ゆーちん]
「ちょっと、やめなよー。」


のんちゃんたちが慌てて止めに入る。


が、止められれば止められるほど興奮してしまうのだろう。


声が余計に荒くなった。


「ふざけんな!離せ!」

「お前なんか殺してやるよ!」

⏰:09/01/06 17:31 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#316 [ゆーちん]
私はシホだよ。


萌子じゃない。


暴力なんか振るわれた事ない。


なのに、なんで体が震えんの。


シホには何のトラウマもないじゃない。


トラウマがあるのは萌子だよ。


私は…シホなんだよ?

⏰:09/01/06 17:32 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#317 [ゆーちん]
「いや…やだよ…」


無意識に呟いていた。


恐くて恐くて、息がうまくできない。


「シホちゃん?」


みんなが私の異変に気付いた時には、苦しくて苦しくて息ができなかった。


「助けて…テツ…」

⏰:09/01/06 17:33 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#318 [ゆーちん]
知らないうちに涙も出ていた。


喧嘩する2人と、それを止める人の声。


私を心配する声。


そして…


「おい!シホ!」


哲夫の声も聞こえた。

⏰:09/01/06 23:35 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194