闇の中の光
最新 最初 🆕
#313 [ゆーちん]
「あぁ?お前もっかい言ってみろ!」

「調子乗ってんじゃねぇぞ、てめぇ!」


初めてチーム内での喧嘩を目の当たりにした。


驚きの次に私を襲ったのは、恐怖だった。


「殺されてぇのか!」

「あぁ?」

⏰:09/01/06 17:27 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#314 [ゆーちん]
その大声と怒鳴り声。


私をシホから萌子に戻させた。


父から受けた虐待が脳裏に浮かぶ。


やめて、怖い。


声を、出さないで。


震える体は、喧嘩している2人の方を向いて動かない。


見たくないのに、目が2人から離れない。

⏰:09/01/06 17:28 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#315 [ゆーちん]
「ちょっと、やめなよー。」


のんちゃんたちが慌てて止めに入る。


が、止められれば止められるほど興奮してしまうのだろう。


声が余計に荒くなった。


「ふざけんな!離せ!」

「お前なんか殺してやるよ!」

⏰:09/01/06 17:31 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#316 [ゆーちん]
私はシホだよ。


萌子じゃない。


暴力なんか振るわれた事ない。


なのに、なんで体が震えんの。


シホには何のトラウマもないじゃない。


トラウマがあるのは萌子だよ。


私は…シホなんだよ?

⏰:09/01/06 17:32 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#317 [ゆーちん]
「いや…やだよ…」


無意識に呟いていた。


恐くて恐くて、息がうまくできない。


「シホちゃん?」


みんなが私の異変に気付いた時には、苦しくて苦しくて息ができなかった。


「助けて…テツ…」

⏰:09/01/06 17:33 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#318 [ゆーちん]
知らないうちに涙も出ていた。


喧嘩する2人と、それを止める人の声。


私を心配する声。


そして…


「おい!シホ!」


哲夫の声も聞こえた。

⏰:09/01/06 23:35 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#319 [ゆーちん]
哲夫の匂いが鼻につく。


近くに来てくれたんだ。


「シホ、おい!どうした?」


駆け付けてくれた哲夫は、私を抱き抱えた。


やっと、やっと目が喧嘩する2人から離れた。


目に映るのは、哲夫の顔だけ。

⏰:09/01/06 23:36 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#320 [ゆーちん]
「テツ…怖い…」

「何?俺が怖いの?」


慌てている哲夫を見たのは初めてで、なんだか余計に涙が出てしまった。


首を横に振る私を見た哲夫は、すぐに喧嘩している2人に言った。

⏰:09/01/06 23:36 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#321 [ゆーちん]
「お前ら、ちょっと静かにしろ。」


哲夫の低くゆっくりした言葉に、さっきまで怒り狂ってた2人は悔しそうに言い合いを辞めた。


一気に、チーム全員の目が私と哲夫に向く。

⏰:09/01/06 23:37 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


#322 [ゆーちん]
「康、車出してくれ。」

「おっ、おう。」


私は哲夫に抱っこされ、康孝の車に向かった。


『シホちゃん。』と、のんちゃんたちの声が聞こえたけど、息苦しくて何も言い返せなかった。


何でこんなに苦しいんだろう。


死にそうに、苦しい。

⏰:09/01/06 23:38 📱:SH901iC 🆔:jYt3qmaQ


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194