闇の中の光
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#362 [ゆーちん]
買い物中も、クリスマスパーティーの事が楽しみで、胸が騒いだ。


「ヤッちゃん。」

「ん?」

「クリスマスパーティーって、どんな事すんの?」


哲夫が自分の服を選んでいる間、私と康孝は後ろで雑談。

⏰:09/01/10 22:58 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#363 [ゆーちん]
「別に普通だよ。飯食って、酒飲んで、カラオケして、ビンゴして。」

「ビンゴ?ビンゴするの?」

「いかつい集団のくせに、可愛いゲームだなって思った?」


康孝が笑った。


違う、そうじゃない。


私が驚いたのは、それが理由じゃない。

⏰:09/01/10 22:58 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#364 [ゆーちん]
「私ビンゴした事ない。」

「えっ、マジ?」

「うん。でもやり方はわかるよ!経験ないだけ。」

「そっか。じゃあ楽しみだな。」

「うん、楽しみ!ねぇ、景品って何があるの?」

「当日までのお楽しみ。」

「気になる〜!」

⏰:09/01/10 22:59 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#365 [ゆーちん]
なんて話をしていたら、哲夫は買う物が決まったらしくレジに向かう。


この日の哲夫は、カード支払いせずに現金払いが目立った。


万札だけで支払いを済ませ、康孝がお釣りを受け取り、いつもの袋に入れる。


「次行くぞ。」


哲夫の後ろを私と康孝でついて行く。

⏰:09/01/10 23:00 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#366 [ゆーちん]
「ねぇ哲夫、ヤッちゃんが持ってるこの袋、お釣り入れ?」

「ん?まぁ、そんなもんだな。」


哲夫に聞いた後、また違う店で服を漁り出したので私は康孝と後ろで待つ。

⏰:09/01/10 23:02 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#367 [ゆーちん]
「この袋は哲夫の優しさなんだよ。」


康孝が、さっきの質問の答えを詳しく教えてくれた。


「優しさ?」

「この袋に入れてる金は、チームの経費みたいなもん。集会場所、野外なのにいつも電気点いてんだろ?あの電気代は、この袋の中の金で払ってんの。」

「…そうだったんだ。」

⏰:09/01/10 23:02 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#368 [ゆーちん]
確かに、よく考えれば電気はいつも点いていた。


電気代とか、そんな事考えた事もなかったな。


「チームのみんなには内緒なんだ。哲夫が電気代払ってるって事。みんなには電気は勝手に点けてる、みたいに振る舞ってんだけど…でもたぶんみんな知ってる。哲夫が電気代払ってる事。」

「何か…カッコイイ。」

⏰:09/01/10 23:03 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#369 [ゆーちん]
「おう。あいつはカッコイイ男だよ。俺が払ってんだぜーとか言わないで、さりげなくチームの環境整えてんのがカッコイイ。だからみんな哲夫に付いて来るんだな。」


そっか。


そうなんだ。


納得かも。


哲夫はリーダー性のある男なんだね。

⏰:09/01/10 23:04 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#370 [ゆーちん]
買い物も済み、そのまま康孝の車で集会に直行。


のんちゃん達と話した事はもちろんクリスマスパーティーの事だ。


「もちろん。みんな参加だよー。シホちゃんもでしょ?」

「うん。参加する。」

「やったね。超楽しみだ。」

⏰:09/01/10 23:05 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#371 [ゆーちん]
「何か緊張する…」

「アハハハ!緊張とか、可愛いね〜。さすが17才。シホちゃん見てるとウチらまで初々しい気持ちになるよ。」


笑顔が絶えないの、この人達といると。


12月の夜空の下、体寄せ合って寒さを笑い飛ばすんだ。


その空間が心地いい。

⏰:09/01/10 23:05 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


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