闇の中の光
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#525 [ゆーちん]
12月30日。


哲夫だけ集会に顔を出し、1時間ほどで帰ってきた。


「今年最後の集会だったんだよね。お疲れ。」

「んー、集まり悪かったけどな。」

「…そっか。」

「今日はもう寝よ。眠いわ俺。」


集会で何を話して来たのかは知らないけど、哲夫は少し元気がなかった。

⏰:09/01/18 17:10 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#526 [ゆーちん]
そりゃそうだよね。


いきなり自分のチームが襲撃に遭って、怪我人もたくさん出て、やり返しに行くって憤っている中、テンション高い方が変だもんね。


哲夫も哲夫なりに大変なんだよ。


仕方ない。

⏰:09/01/18 17:11 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#527 [ゆーちん]
翌日、体の芯から冷える寒さのせいで普段より少し早い時間に目が覚めた。


昨日、眠る時間が早かったから起きた時間も早いんだ。


哲夫の機嫌は、いいみたい。


「今日は集会ないんだよね?」

「うん。年末年始とクリスマスと盆は休み。あとゴールデンウイークも。」

⏰:09/01/18 17:12 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#528 [ゆーちん]
「ふーん。なんか…学校みたい。」


ベットに座りながら笑う私の隣に、チョンと腰を降ろした哲夫。


「ありゃ学校より低レベル。幼稚園みたいなもんだな。」

「康とか幼稚園児っぽいもんね。」

「顔だけ大人で、中身は幼稚園児より幼い奴だ。」

⏰:09/01/18 17:16 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#529 [ゆーちん]
煙草に火をつけるのかと思ったら、哲夫は私の手を取り自分の頬にあてた。


「何してんの?」

「ん?お前の手ぇ暖かいから。俺の顔寒い。」

「顔が寒いって表現おかしくない?」



あぁ、この気持ちを【愛おしい】とかって言うんだ。

哲夫が可愛くて、優しくしたくなる。



心臓をキュッと摘まれてるみたい。

⏰:09/01/18 17:17 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#530 [ゆーちん]
その痛みが、気持ち良いの。


「そう?」

「うん。康孝がバカだって言ったよね?でもよく考えたら実は康孝より哲夫のがバカだったりして?」


私はもう片方の手も哲夫の頬に添えた。


「千早様をナメんな?」

「アハハ!」


人の笑顔って、安心する。


自分も他人も、笑顔は幸せになれるものなんだ。

⏰:09/01/18 17:19 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#531 [ゆーちん]
両手で掴んだ哲夫の顔。


自分の方に引き寄せると、哲夫は『そんなバカな千早様を好きなシホが、1番バカだな。』と言ってから私にキスをくれた。


うん、そうだね。


私が1番バカだよ。


バカだけど、バカでよかったって思うんだ。


こんなに愛おしい気持ちを知らなかった自分をバカだと思うけど、その気持ちを教えてくれたのが哲夫でよかった。


ずっとこのままでいたい。

⏰:09/01/18 17:20 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#532 [ゆーちん]
いつものようにお風呂に入りご飯も食べ終えた頃、哲夫が言った。


「シホちゃん。」

「何、テッちゃん。」

「デートしない?」

「…する。」


慌てて服を着て、化粧や髪を整えた。

⏰:09/01/18 17:21 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#533 [ゆーちん]
「どこ行くの?」

「ん?内緒。」


哲夫に肩を抱かれ、暗くなった外をゆっくり歩く。


風が冷たい。


だけど哲夫が傍にいるから、平気。

⏰:09/01/18 17:21 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#534 [ゆーちん]
歩いて向かった先は、近くの公園だった。


「ブランコ乗る?」

「乗らない。」

「そ。俺は乗っちゃうよ〜。」


哲夫はブランコに腰をかけ、小さく揺らした。

⏰:09/01/18 17:22 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#535 [ゆーちん]
キーコーキーコー…


懐かしい音。


萌子が施設でいた時、園内にブランコがあった。


よく聞いた音。


ブランコはいつも人気で、取り合いしてたっけ。

⏰:09/01/18 17:22 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#536 [ゆーちん]
「なぁシホ。」

「ん?」


私はブランコの向かいにある小さな鉄棒にもたれ掛かった。


「お前の名前、なんでシホにしたか覚えてる?」

「…星が好きだからでしょ?」

⏰:09/01/18 17:23 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#537 [ゆーちん]
「うん、そう。」


私は空を見上げた。


「私も星、好きだよ。綺麗だよね。」


冬の星は、よく輝く。


真っ黒な空に、小さく光る星。


ベストマッチだよ。

⏰:09/01/18 17:26 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#538 [ゆーちん]
「綺麗だな。」


哲夫は煙草をくわえながら空を見上げた。


白い煙が空を舞う。


「お前に言っておきてぇんだけどさ。」

「うん?」

「俺、マジでシホの事好きだからな。」


慌てて視線を哲夫に向けた。


だけど哲夫は空を向いたままで…信じられない事を言われた私は、目を丸くする事しかできない。

⏰:09/01/18 17:26 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#539 [ゆーちん]
「お前この前、私をペットとかどうとか…私の好きと俺の好きは違うとか…」


ねぇ、心臓が痛いよ。


でもこの痛みは、心地いい方の痛み。

⏰:09/01/18 17:29 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#540 [ゆーちん]
「一緒だっつうの。ペットとかさぁ…口実。お前を俺の傍に置いとくための。」

「哲夫、何言って‥」

「一目惚れって、生まれて初めてなんだよ俺。」


ずっと空を見ていた哲夫の目が、やっと私に降って来た。


「汚い格好でボロボロの女が倒れてて…俺なぜかそいつ見て惹かれちゃったんだよね〜。まさか、あんな汚い女に一目惚れするなんて…自分でもビックリ。」

⏰:09/01/18 17:30 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#541 [ゆーちん]
真面目な顔して、そんな事言わないでよ。


涙が出そうじゃない。


「殺せ殺せって喚くし、生意気だし、汚いし?」


白い煙と一緒に笑いも吐き出した哲夫。


「お前にとっちゃ同情なんていらねぇんだろうけど…俺はお前の事、可哀相な奴だなって思ったよ。だから余計に惹かれた。こいつ、俺より辛い思いしてんだろうなって思った。」

⏰:09/01/18 17:30 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#542 [ゆーちん]
「…。」


何も言えない。


何も言っちゃいけない。


哲夫の話をゆっくり聞きたいから。

⏰:09/01/18 17:31 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#543 [ゆーちん]
「お前と俺の好きは一緒だ。あ、やっぱ違うか。俺の好きのがお前よりでけぇわ。」


そんな嬉しい言葉、笑って言わないで。


涙が、出て来たよ。


「嘘…」


小さく呟いた独り言も哲夫は聞き逃さなかった。

⏰:09/01/18 17:32 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#544 [ゆーちん]
「嘘じゃねぇよ。俺は好きな奴にしかキスしないし、髪切ってやったり、服とか携帯買ったりもしないぞ?それに…星の反対の名前だなんて付けないし。」


俯きながら涙を地面にポトポト落とした。

⏰:09/01/18 17:33 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#545 [ゆーちん]
「俺のSEXに、お前は愛を感じねぇのか?」


哲夫が笑った。


愛って、何だろう。


哲夫とSEXした時に感じたもの?


快楽以外の…あの感情の事?


胸がキュッて締め付けられて、体中電気が走って、たまらなく抱きしめたいって思わされる…あれ?

⏰:09/01/18 17:33 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#546 [ゆーちん]
だったら、私はSEXしている以外の時も哲夫の愛を感じてるよ。


一緒にいるだけで感じさせてもらってる。


そっか…。


あれが、愛なんだ。


「…感じる。」

「だったら余計な事とか考えんな。夜中に騒ぐのも迷惑とか思ってないし。俺はお前の味方だから。」

⏰:09/01/18 17:34 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#547 [ゆーちん]
【味方】って言葉が、心底嬉しかった。


甘えてもいい?


頼ってもいい?


「本当に?」

「うん、本当。」

「それはシホに?それとも萌子に?」

「…どっちも。」

「二股はダメだよ。」

「えぇーっ。んじゃ…萌子に。」


哲夫が煙草を消した。


またブランコを少し揺らす。

⏰:09/01/18 17:35 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#548 [ゆーちん]
「何で萌子なの?」

「シホは仲間がいるから。」

「…そっか。ねぇ!」

「ん?」

「萌子から伝言。親と…戦う。だから味方してくれる?」


哲夫の返事は聞かなくてもわかっていた。


彼は断るはずないもん。


「当たり前。一生味方だって伝えといて。」


優しい人だから。

⏰:09/01/18 17:36 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#549 [ゆーちん]
笑顔の哲夫の胸の中に飛び込んだ。


「哲夫…」

「はいはい、泣かないの。」

「ありがと…」

「戦って戦って、どうしてもダメな時はいつでも戻ってきていいから。俺の家はお前の家だ。」

「うん。」

⏰:09/01/18 17:42 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#550 [ゆーちん]
「戦いに負けても死のうなんて考えんなよ?」

「うん。」

「でもまぁ俺が味方だし?死にたいなんて思わせねぇから。」

「うん。」

「守ってやるから、お前の事。ずっと。」


哲夫の服が私の涙で濡れた。


「ずっと?」

「ずっと。ゼット・ユー・ティー・ティー・オー!」

⏰:09/01/18 17:42 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#551 [ゆーちん]
笑いながらキスをしたら、涙の味がした。


泣きすぎだ、私。


しょっぱいキスなんて、いやだよね。


ごめん、哲夫。


ありがとう、哲夫。


「年が明けたら帰る。それまでシホでいてもいい?」

「おう。」

⏰:09/01/18 18:15 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#552 [ゆーちん]
せめて、残り少ない今年だけはシホでいさせて。


幸せな年越しをして、笑いながら年明けをしたい。


そんなわがままを快くOKしてくれた哲夫。


本当、最高だよ、この男。


愛、イコール、哲夫。


こんな感情、教えてくれて、ありがとう。

⏰:09/01/18 18:15 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#553 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

>>2

▲▽▲▽▲▽▲ 

⏰:09/01/18 18:16 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#554 [ゆーちん]
家に戻り、自分でお風呂を入れ直した。


ずっとタイマー予約に頼り切っていたから、自分たちでお湯を溜めるのはなんだか違和感があった。


お湯が溜まる間、哲夫は教えてくれた。

⏰:09/01/19 10:56 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#555 [ゆーちん]
「俺、人をちゃんと好きになった事ないから萌子を拾った時どうすりゃいいか、わかんなかったんだ。殺せって頼む女を好きなのに、どうすれば正解なんだ?って。」

「…うん。」

「キスしたのだって、萌子を殺したくないって願望より、俺がお前とキスしたかったっていう欲望が強かっただけだし。」

⏰:09/01/19 10:58 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#556 [ゆーちん]
あの日、ナイフの変わりに、舌が這った私の喉をそっと触った哲夫。


「ペットとか言われて嫌だったよな。ごめん。あんな風に言わないと、お前を傍に置いとけないと思って。」


照れて笑った哲夫が愛くるしい。

⏰:09/01/19 10:59 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#557 [ゆーちん]
何で謝られてるのか意味わかんないよ。


ペットだろうが奴隷だろうが、哲夫の傍にいられるなら何だっていい。


一緒にいれるなら、どんな口実だっていい。


心からそう思う。

⏰:09/01/19 11:00 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#558 [ゆーちん]
なのに哲夫は、苦笑いしたままで…申し訳なさそうな顔をする。


そんな彼の唇を、私から奪いに向かった。


気にしてないよ。


哲夫の傍にいられるなら何でもいいよ。


大好きだよ。


そんな事を頭に浮かべながら、甘いキスを繰り返した。

⏰:09/01/19 11:00 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#559 [ゆーちん]
シホ。


シホ。


シホ。


唇が少し離れるたびに名前を呼ばれる。


何だか名前を呼ばれる事が、急に切なく感じた。


私はシホなの?


シホでいいの?


そんな感じ。


勝手に涙が流れていた。

⏰:09/01/19 11:05 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#560 [ゆーちん]
数分後。


お風呂に入り、消えかけている青アザや古傷を撫でてもらった。


萌子の傷は、シホの傷じゃない。


「消えて来たな。腹のアザ。」

「…うん。」

「俺のマジックハンドのおかげ?」


そうだよ。


哲夫の手のおかげだよ。


優しく撫でてくれる哲夫がいたから、傷は和らいだんだ。

⏰:09/01/19 11:06 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#561 [ゆーちん]
お風呂から上がり、哲夫がテレビをつけた時、私たちは気付いた。


「今日、大晦日じゃん。」


12月31日。


ついこの間、クリスマスだって騒いでいたかと思えば、もう大晦日だ。


今年も終わり。


今年は私にとって劇的な年。

⏰:09/01/19 11:07 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#562 [ゆーちん]
チームが襲撃にあってから、ドタバタしすぎて、日にち感覚がなかったかも。


って言ってもほんの2、3日前だけどね。


「年越し蕎麦食ってねぇしー。」


年越し蕎麦か。


もう何年食べてないんだろう。


家族がバラバラになってからの年末年始なんて、ただの苦痛の日々でしかなかった。

⏰:09/01/19 11:08 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#563 [ゆーちん]
年越し蕎麦もなし。


お雑煮やお節料理だってなし。


もちろん、お年玉も。


年末年始は普段よりも仕事に精を出していた。


父親にも『年末年始は稼げるから、たくさん働け。』と言われる程だもの。


寒い中、懐の緩んだ親父との援助交際に励んでいたんだ。

⏰:09/01/19 11:09 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#564 [ゆーちん]
いい思い出なんかない大晦日。


もちろん、お正月だって同じ。


いい思い出なんか、全然…。


「蕎麦食わなきゃ年越せねぇっつうの。康呼ぶぞ。」


そう言って哲夫は康孝に電話をかけた。

⏰:09/01/19 11:10 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#565 [ゆーちん]
「蕎麦3人前買って来て。」


哲夫のその命令に、たった20分で対応した康孝は、なぜか上機嫌で蕎麦を持ってやって来た。


「いぇーい、あけおめイヴ〜。」

「意味わかんねぇし。」

「ヤッちゃん、寒いのにわざわざありがと。こっち座って。」

「おっ、サンキュね。シホちゃん。」

⏰:09/01/19 11:11 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#566 [ゆーちん]
私が座っていた場所を康孝に譲り、年越し蕎麦を作りにキッチンへ向かった。


ダシを作って、温めた蕎麦にかけるだけ。


こんな簡単な料理なのに、どうして金河家は年越し蕎麦を作ってくれなくなったんだろう。


そんな疑問、考えたって答えは出るはずもないか。

⏰:09/01/19 11:12 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#567 [ゆーちん]
「出来たよ。」


哲夫、康孝、そして私。


3人で年越し蕎麦を食べた。


「美味い!」

「三玉百円の蕎麦なのに、案外美味いね〜。」

「はぁ?康、お前そんな安物買って来たのかよ。」

「こういうのしかスーパーに置いてねぇんだもん。」

⏰:09/01/19 11:12 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#568 [ゆーちん]
久しぶりの年越し蕎麦は、本当に美味しくて…安物の蕎麦だろうが何だろうが、私にとってはご馳走だった。


体が温まり、後片付けが済んだ頃、康孝は帰ると言い出した。

⏰:09/01/19 11:13 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#569 [ゆーちん]
「いればいいじゃん。」

「そうだよ。一緒にカウントダウンしようよ、ヤッちゃん。」

「いやっ、二人の邪魔する気はねぇし。」


邪魔だなんて思わない。


康孝は私のお兄ちゃんみたいな存在なんだもん。


「ねぇヤッちゃん。私、まだお礼言ってなかったよね。」

「お礼?」

⏰:09/01/19 11:13 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#570 [ゆーちん]
「この前…のんちゃん助けてくれてありがとう。」

「あぁ、その事か。」

「ヤッちゃんが助けに来てくれてなかったら…のんちゃん…」

「お礼なんかいらねぇぞ。仲間を助けるのは当然の事だからさ。」


康孝はニッと笑い、私の頭を撫でた。

⏰:09/01/19 11:14 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#571 [ゆーちん]
哲夫に撫でられる時より、少し違う感情が私の心臓を跳ね上げさせた。


「テッちゃんから聞いたと思うけど、年明け早々ぶっかまして来るから応援頼むよシホちゃん。」

「あ、うん…気をつけてね。」

「あいよ!んじゃバイバイ。よいお年をー。」

⏰:09/01/19 11:15 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#572 [ゆーちん]
最後まで上機嫌だった康孝。


彼が帰った部屋は、何だか急に静けさが増した気がする。


「つーわけだ。仲間なんだから助けるっつう行為は当然の物なの。」


私と康孝の会話を聞いていた哲夫は優しく笑いながら教えてくれた。

⏰:09/01/19 11:16 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#573 [ゆーちん]
「哲夫。」

「ん?」

「仲間って…いいね。」

「だろ?」


ほら、やっぱり、違う。


哲夫に頭を撫でてもらった時に、胸いっばい広がるこの感情は、康孝に撫でてもらった時のモノとはまた違う。


人間って変なの。

⏰:09/01/19 11:17 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


#574 [ゆーちん]
頭を撫でてもらった私は、そのまま引き寄せられて、哲夫と唇を重ねた。


康孝がいなくなり、静かになった部屋は、テレビの音と私の口から零れる声だけが響いていた。

⏰:09/01/19 11:17 📱:SH901iC 🆔:ZU.S4G5o


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