闇の中の光
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#61 [ゆーちん]
あぁ、そうだ。


その綺麗なナイフで、綺麗な星空の元、綺麗に死ぬつもりだったんだ。


「このナイフ、俺の。」

「え?」

「護身用に持ってんの。それがどうした事か、なぜか倉庫前に落として来ちゃったみたいで。探しに行ったらナイフ握ったあんたが倒れてたってわけ。」

⏰:08/12/29 16:04 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#62 [ゆーちん]
えっ、それじゃ私…自殺する前にマジで力尽きて気を失ってた訳?


何それ信じられない。


最悪。


「呼び掛けても起きないから、とりあえず俺んち連れて来た。」

「ここ、あんたんちなの?」

「救急車呼ぶにも、携帯は家に忘れてたし。お前運んでここ到着したのはいいけど、かなり疲れてたから、そのまま俺も寝ちゃったんだわ。」

⏰:08/12/29 16:05 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#63 [ゆーちん]
哲夫は煙草に火をつけた。


「助けてくれたの?」

「まぁ、そんなとこかな。」


何それ。


益々信じらんない。


「余計な‥」


ガチャッ…

⏰:08/12/29 16:05 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#64 [ゆーちん]
いきなりドアが開き、私の声を遮った。


「テッちゃん腹減っ…たっ…て…誰?」


いきなり入って来た男が私を見て驚く。


「ノックしてよ、ヤッちゃん。」

「この女子高生、誰!何でこんなに汚いの?」


なんで私が女子高生ってわかんだろ、と思ったら…ばっちり制服姿だった私。

⏰:08/12/29 16:31 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#65 [ゆーちん]
着替える前に父親に殴られたんだっけ。


「千早哲夫。」

「んあ?」

「私、助けてくれなんて言ってない。わざわざここまで運んで、ベットに寝かせてくれたなんて余計なお世話だよ。」

⏰:08/12/29 16:31 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#66 [ゆーちん]
私がそう言うと、哲夫とヤッちゃんと呼ばれた男は固まった。


「人助けしたかと思ったかもしんないけど、こっちにしたら、ただの迷惑。」


するとヤッちゃんと呼ばれた男が言った。


「おい、やめとけ。哲夫に助けてもらってそんな言い方するな。」

⏰:08/12/29 16:32 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#67 [ゆーちん]
「だから助けてなんて頼んでない。」

「お前、生意気してると哲夫に殺されるぞ。こいつこう見えてでっけぇ集団仕切ってる人間だから。」


殺される?


集団?


あぁ、乱暴な不良グループの頭みたいな事?


だったら調度いいや。

⏰:08/12/29 16:32 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#68 [ゆーちん]
「だから何。有難迷惑なんだよ、こんな事されちゃ。」

「お前いい加減にしとけよ。哲夫怒らすとマジで殺され‥」

「殺してよ。」


ヤッちゃんという男の言葉を遮ってやった。


哲夫と男の顔が、また変わる。

⏰:08/12/29 16:33 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#69 [ゆーちん]
「哲夫を怒らせれば殺してくれんの?だったら早く怒ってよ。そんで私を殺して。」


哲夫にそう言うと、なぜか視線を反らされた。


「ねぇ、殺して。」

「…。」

「聞こえない?殺してって言ってんの。」

「…。」

「ねぇってば。殺してよ。」

⏰:08/12/29 16:34 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


#70 [ゆーちん]
何度も言い寄る私を、いきなりベットに押し倒した哲夫。


…痛い。


ベットが弾んだだけなのに背中の傷に響いた。


「殺して殺して、うるさい。」

「怒った?だったら早く殺して。」

「康。お前ちょっと出てって。」


ヤッちゃん並びに康と呼ばれた男は何も言わずに部屋から出て行った。

⏰:08/12/29 16:34 📱:SH901iC 🆔:HNTi4Nys


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