闇の中の光
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#647 [ゆーちん]
と、なると…やっぱり緊張するのかな。


チームのリーダーである哲夫の家に行くという事は。


3人で歩く帰り道は、なんだか違和感たっぷりで…私まで緊張してしまった。


そんな私の肩から手を下ろし、煙草を吸う哲夫だけは平然としていたけどね。

⏰:09/01/24 18:24 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#648 [ゆーちん]
家に着くと、のんちゃんの表情は益々堅くなった。


「失礼しますっ!」

「そんな力まなくても。」

「いや、だって哲夫さんの家だし…」


すると、哲夫は笑いながら言った。


「シホの家でもあるんだぞ。ツレん家に入るだけなのに、そんなカチカチになる必要ねぇよ。」

⏰:09/01/24 18:25 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#649 [ゆーちん]
それを聞いたのんちゃんの表情は、少し緩んだ。


私も、緩んだ。


私の家でもあるんだって、この家。


それって、すごい嬉しい事だよね。


なんだか心がキュンとなる。


「それじゃあ、おっ…お邪魔します!」

⏰:09/01/24 18:26 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#650 [ゆーちん]
「リラックスしてね?そんな緊張されてちゃ、私も緊張しちゃうよ。」

「あっ、うん。そうだよね。」

「何か飲む?」

「ううん、お構いなく!」

「…紅茶でいい?」

「あっ、うん。じゃあ紅茶で。」


どっちだよ、とツッコミたくなるほどだった。

⏰:09/01/24 18:27 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#651 [ゆーちん]
いつものリラックスしたのんちゃんとは別人。


でもなんか、可愛かった。


のんちゃんのそういう性格、好きだな。


「哲夫は?」

「俺はいらなーい。ビール飲む。」

⏰:09/01/24 18:28 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#652 [ゆーちん]
のんちゃんにはソファーに座って待っててもらい、私と哲夫はキッチンに。


哲夫が冷蔵庫を漁りながら、声をあげた。


「望実ぃー!」


ソファーから立ち上がったのんちゃんは、元気な返事をする。


「はいっ!」

⏰:09/01/24 18:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#653 [ゆーちん]
「ビール飲むか?」

「いや、私まだ19なんで。」

「あぁ、そ。残念。」

「すみません。ありがとうございます!」


のんちゃん見てると、癒される。


と、同時に感心。


そんな風に尊敬できるような人がいて、緊張とかしちゃって…萌子には無かった事だったから。

⏰:09/01/24 18:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#654 [ゆーちん]
上下関係を知らなかった私に、そっと教えてくれたのは、哲夫のチームのおかげ。


あんまり上下関係を気にしないで、ってチームだったから私自体、緊張したり尊敬したりって事はなかったけど、その事実を目の当たりにして、ちょっと感動とかしちゃったし。

⏰:09/01/24 18:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#655 [ゆーちん]
「お待たせ。」

「あっ、ありがとう。」

「砂糖とミルクは?」

「どっちも入れてくれる?」

「OK。」


紅茶を入れ終え、私も哲夫ものんちゃんのいる場所に移動した。


のんちゃんの表情は、玄関にいた時よりほんの少し、緩んだかな。


さて、何から話そうか。

⏰:09/01/24 18:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#656 [ゆーちん]
紅茶を飲む音。


ビールを飲む音。


シンとした部屋。


最初に口を開いたのは、のんちゃんだった。


「美味しい。」


哲夫以外の人に美味しいと言われた。


それがたまらなく嬉しく感じてしまう。


「ありがとう。」

⏰:09/01/24 18:31 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


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