闇の中の光
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#745 [ゆーちん]
「髪も真っ黒だし?」
「黒っていうか、茶色じゃない?私この色気に入ってんの。」
「ふーん。性格もコロッと変わったくない?」
「そう?ありがとう。」
「いきなり連絡途絶えて、もう死んだかと思ってたよ。ギャハハ!」
:09/01/25 12:00 :SH901iC :PIdEEYAI
#746 [ゆーちん]
死んだよ、一回。
外見も内面も変わって、生まれ変わったんだよ。
もう、こんな上辺だけの友達はいらない。
きつい言い方だったかもしれないけど、私は伝えた。
「みんなといると疲れる。もう関わりたくないんだ。」
:09/01/25 12:00 :SH901iC :PIdEEYAI
#747 [ゆーちん]
「…何だそれ。」
「ひどくない?」
「今までずっと仲良くやって来たじゃん。」
仲良く?
どこがだよ。
「ごめん、本気。一緒にいても楽しくないの。一緒にいるなら一人でいる方がマシ。」
:09/01/25 12:01 :SH901iC :PIdEEYAI
#748 [ゆーちん]
ブツブツと文句を言い、私の傍から離れると陰口を叩く。
イジメられたりするのかな?
別に怖いとは思わなかった。
退屈しのぎに調度いい、とさえ思える。
だけど元友達はいじめても来なかった。
:09/01/25 12:02 :SH901iC :PIdEEYAI
#749 [ゆーちん]
私なんかと友達だった事は最初から無かったかのような、そんな接し方。
それでいいよ。
みんなといた時より、なぜか一人でいる方が心が落ち着く。
もう、私には上辺だけの付き合いをする人はいらない。
スッキリした。
:09/01/25 12:03 :SH901iC :PIdEEYAI
#750 [ゆーちん]
母からの初めてのお弁当。
あぁ、信じてみてもいいのかも…そう思った。
料理のしない母が、全て手づくりのおかずを隙間なく詰めてくれていた。
冷凍食品なんかじゃなく、包丁やフライパンを使って作るような、そんなおかずだった。
:09/01/25 12:03 :SH901iC :PIdEEYAI
#751 [ゆーちん]
他の子にしてみちゃ、どうって事ないんだろうけど…私にとっては、これがきっかけで母を信じてみようかと思えたんだ。
そんな昼下がり。
冬晴れした空を見上げ、ちょっとだけ理想の家族像ってのを妄想してしまった。
:09/01/25 12:04 :SH901iC :PIdEEYAI
#752 [ゆーちん]
父を信じてもいいのかもと思ったのは、萌子に戻って1ヵ月程経った時だろうか。
私が作った晩ご飯に、初めて『美味い』と感想を述べてくれた。
他愛もない事が私にとっては嬉しくて、3人揃って色違いの箸を使いながら食事をとるのが奇跡に近かったから。
:09/01/25 12:04 :SH901iC :PIdEEYAI
#753 [ゆーちん]
萌子が死ぬ前に上辺で付き合っていた彼氏とやらは、いつのまにか私以外の彼女がいた。
驚きも、悲しみも、憎しみもない。
だって私にも大好きな彼氏がいるからね。
11ヵ月という月日は矢のように過ぎ、私は18歳になっていた。
彼も23歳になっている。
:09/01/25 12:05 :SH901iC :PIdEEYAI
#754 [ゆーちん]
そういえば宗太郎は元気だろうか。
あの襲撃の時に会った以来、顔も見てない。
連絡なんか取れる訳もなく、複雑な気持ちだけが残っていた。
私にちょっとばかし力をくれた宗太郎。
感謝しないといけないな。
:09/01/25 12:06 :SH901iC :PIdEEYAI
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