WHITE★CANDY
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#341 [ぎぶそん]
「…私ね、この間初めて恋愛小説を借りたの。」
今度は、私から話を持ち掛けた。
「その中にね、主人公の女の人が、好きになった男性と初めて出会った時のことを、まるで四つ葉のクローバーを見つけた時と同じような気持ちだ、って表現してた部分があった。」
「うん。」
:09/02/18 19:23
:SH705i
:fL1Gvzv6
#342 [ぎぶそん]
「私にとって、優平がそう。最近じゃ、ただこうして一緒に過ごしてるだけで、私にとって幸福な時間が流れてる。
お父さんや東吾兄、エリや元基たちといる時とはまた違う温かい感情を、優平は私に与えてくれるんだ。」
ねぇ、お母さん…。
お母さんは私を目の前のこの人と出会わせる為に、私を産んでくれたの?―
少なくとも今は、そう思うよ。
:09/02/18 19:39
:SH705i
:fL1Gvzv6
#343 [ぎぶそん]
数日後、私は桜井家から帰って来た。
祥華さんや沼木さんを始めとした使用人の方たちに、何度も感謝の気持ちを述べた。
夢のような時間をありがとうと、優平をここまで立派に世話してくれてありがとうと。
数日の間、普段の日常では到底成し得ないような、セレブリティな生活を送った。
でも、優平とただ二人で佇んでた時が、一番心が満たされていた。
:09/02/18 19:47
:SH705i
:fL1Gvzv6
#344 [ぎぶそん]
日曜日の昼下がり、エリとファミリーレストランで一緒に食事を取ることになった。
「どうだったー、初めての桜井家は?二人きりの方がいいと思って、私たち敢えて行かないことににしたの。
まあ、結果騙す形になっちゃったのは謝るね。」
エリが、"申し訳ない"のポーズを取る。
「ううん。そのお陰で、何か優平に近づけた感じ。」
二人の優しさを、私は汲み取った。
:09/02/18 19:56
:SH705i
:fL1Gvzv6
#345 [ぎぶそん]
「ねぇ、エリはさ、どういう時自分の幸せを感じる?」
優平に尋ねられたことを、今度はエリに聞いてみた。
「えぇー?
そうねぇ、元基が珍しく何か奢ってくれた時とか、頭髪検査を上手くくぐり抜けられた時とか、新しく買ったマスカラが、思った以上にボリュームがあった時とか。」
「あはは。エリらしいね。」
:09/02/18 20:03
:SH705i
:fL1Gvzv6
#346 [ぎぶそん]
「じゃあ、真希は?」
「…私はね、幸せを感じる瞬間って生きてる内で数え切れないほどあるけど、最近特に一番それを感じたのは…。」
そう。
自分が好きである人に、自分の気持ちが届いた時。
その上、相手も自分と全く同じ気持ちであった時。
私と優平はあの晩、あれから手を繋いだままずっと、一晩中語り明かしてたんだ。
エリも元基と付き合うようになった時、こんな気持ちだったのかな?
あの日、私たちの心の距離は、限りなくゼロに近づいていた。
Chapter04 END.―
:09/02/18 20:12
:SH705i
:fL1Gvzv6
#347 [ぎぶそん]
Chapter05
「生きるということ」
:09/02/25 22:37
:SH705i
:r/GN9WtE
#348 [ぎぶそん]
蝉たちの鳴き声が消えかかる頃、夏休みも終了し、二学期が始まった。
久しぶりに対面するクラスの皆。
少し日焼けした肌の色以外は、皆の様子はあまり変わっていない。
「それ本当?松田。」
「ああ間違いない!てっしーが見たこともない生徒と一緒に居たんだ。きっと転校生だよ!」
夏休みボケも覚めてきた数週間後、朝教室に入るや否や、何やらエリたちが集まって騒いでいるのが見えた。
:09/02/25 22:46
:SH705i
:r/GN9WtE
#349 [ぎぶそん]
「どうしたの?何かあった?」
自分の席にカバンを置くより先に、まずエリたちに声を掛けてみた。
「ああ、真希。
もしかしたら今日、うちのクラスに転校生がやって来るかも知れないって。」
「え?」
エリの話によると、担任の手島先生が、うちのクラスにいない子と職員室から出て来るのを、クラスメートの男子が目撃したらしい。
その子は女子生徒だったという。
:09/02/25 22:53
:SH705i
:r/GN9WtE
#350 [ぎぶそん]
「おい松田、その子どんな感じだった?」
「さあ、俺が見たのは後ろ姿だったから、よく分かんなかった…。」
「俺、どうせだったら可愛い子がいいなぁ。」
「やめとけやめとけ。昔から転校生ってもんは、期待ハズレが関目の山さ。」
「ま、それもそうだよなぁ。」
色々と言葉を交わす男子たち。
:09/02/25 22:59
:SH705i
:r/GN9WtE
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