WHITE★CANDY
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#372 [ぎぶそん]
今日の夕飯は、カルボナーラを作ることにした。
東吾兄にも、パスタを茹でるという作業をしてもらった。
今日の夕飯は2人分だけ。
放課後父から、会社の人と飲んでくるという連絡があったから。
「今日うちのクラスに、転校生がやって来た。」
「へえー。そりゃ、大学にはない楽しみだなぁ。」
出来上がってすぐ、2人で夕飯の席を囲んだ。
湯気の立つパスタをフォークに巻き付ける。
:09/04/03 13:19
:SH705i
:ByU6c7HI
#373 [ぎぶそん]
「何か、陰のある子だった。悩みを抱えてるみたい。」
弥生の、切なさそうな横顔を思い出す。
「そりゃ人間誰だって、生きていれば困難にぶつかるだろうな。
今がその時期なんだろ。」
パスタを流すように、オレンジジュースをがぶがぶ飲む。
東吾兄は、水やお茶が苦手らしい。
「…ねぇ、東吾兄は両親が海外に住むって決めた時、寂しくなかったの?」
前から気になっていたことを聞いてみた。
:09/04/03 13:29
:SH705i
:ByU6c7HI
#374 [ぎぶそん]
「俺、もう大学生だしなぁ。最初はびっくりしたけど、今は寂しさを感じることはあまりないね!
大学もこの家で暮らすのもおもしれーからさ。」
「そっか。」
「親父もおふくろも、俺が大きくなって、やっとやりたいことがやれると思ったんだろ。
俺はそれを反対はしないよ。養ってもらった分、親の幸福を願うのが子供の務めさ。」
即答の中にも、しっかりとした自分の考えがあった。
東吾兄、もっとこういう面を出せば女の子にモテるだろうに。
そう言ったら、怒られるかな。
:09/04/03 13:43
:SH705i
:ByU6c7HI
#375 [ぎぶそん]
次の日の朝、下駄箱の所でエリと鉢合わせた。
「昨日はごめーん。
昨日は村上さんとどうだった!?」
両手を合わせ、詫びるエリ。
「うん、普通にいい子だったよ。」
脱いだ靴をしまいながら、昨日の弥生の言動を思い出す。
エリには彼女から訳ありな話をされたことは、告げないことにした。
多分、私だからこそ言えるものがあったのだろう。
自惚れかも知れないけれど、そんな気がする。
たった数時間の会話だけで、彼女の心の深い奥の底が見えた気がする。
:09/04/04 22:37
:SH705i
:zDcHJT92
#376 [我輩は匿名である]
:09/04/04 23:14
:D705i
:2MY1v5ZY
#377 [ぎぶそん]
朝自習が済んだ後、ますちゃんと英語係の役割をする。
本日クラスから収集したのはぺらぺらのプリント用紙だったが、ますちゃんと話すのが楽しいので、手ぶらで職員質まで付き添う。
こんなパターンは少なくない。
「…雨宮さん、最近桜井くんとはどう?」
階段を下りる途中、ますちゃんがさりげなく問い掛けてくる。
「うーん、今までどおりの友達のような、そうでないような…。」
ますちゃんには以前、優平のことが好きだということを話しておいた。
:09/04/04 23:18
:SH705i
:zDcHJT92
#378 [ぎぶそん]
「そろそろ告白しちゃえばいいのに。
あんまりのんびりし過ぎて、桜井くんが誰かに取られても知らないよー!?」
責め立てるように、ますちゃんが私の方に寄ってくる。
小さい身体ながら、彼は物事をきっぱりと言う所がある。
それも私を思ってのことだから、悪い気はしない。
クラスで人気者なのも、誰にでも思いやりを持って接しているから。
「う…。優平がいいって思う人であれば、その時は祝福するよ…。
それに私、決めたんだ。
本当に相手の存在が大切に思えた時、気持ちを伝えようって。」
そう、お父さんとお母さんが大恋愛をしたみたいに、私もこの恋を温めていきたいんだ―
:09/04/04 23:31
:SH705i
:zDcHJT92
#379 [ぎぶそん]
休み時間の間にトイレに向かうと、弥生が鏡の前で身なりを整えていた。
「おはよう。」
同じクラスだけど、今日初めて顔を合わせる。
正直、昨日の件もあり、自分からどう接すればいいのか分からなかった。
でも、不自然のないようにそこで挨拶をする。
「…真希ちゃん、昨日アタシが話したこと、エリちゃんには言わなかったんだね。」
「え?」
顔は鏡に向けたまま、話を持ち出す弥生。
:09/04/04 23:40
:SH705i
:zDcHJT92
#380 [ぎぶそん]
「…弥生ちゃんこそ、どうして私なんかに話してくれたの?」
ドクドクと鳴る心臓の音。
たった一言の台詞にも、彼女を傷つける要素がありそうで怖い。
「アタシね、トイレも一人で行けないような子、嫌いなの。
真希ちゃんって、自分をしっかり持ってそうで好感が持てるわ。」
そう一人でトイレに来た私に言うと、すれ違い様に"じゃあね"と囁き、彼女は立ち去った。
私はきっと、彼女にとって悪い印象は持たれていないようだ―
:09/04/04 23:52
:SH705i
:zDcHJT92
#381 [ぎぶそん]
次の授業の時、弥生が先生に当てられる場面があった。
難しい問題に対して、迷うことなくスラスラと答える彼女。
見事に正解すると、クラス内が少しざわめいた。
『大人しいフリしてんのが窮屈でさ』
思い出す、昨日の彼女の台詞。
彼女の周りの席の子たちが、"すごいねー"などと話し掛けている。
"そんなことないよ"と、謙虚に小さく照れる弥生。
今の姿は彼女にとって、仮の姿だと言うのだろうか?
私からして見れば、彼女は一人の小柄で愛らしい女子高生だ。
:09/04/05 00:04
:SH705i
:vgyn5LVM
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