WHITE★CANDY
最新 最初 全 
#490 [ぎぶそん]
次の日。
天候に恵まれ、涼しい秋風に包まれながら大会は開催された。
最初に体育館で開会式が開かれ、準備体操や校長先生の挨拶などが淡々と順番どおりに行われた。
そして式の終わりに、体育の細野先生がステージ場に立つ。
ラグビー部の監督も務めている人で、真っ黒に焼かれた肌とプロテインでムキムキに鍛え上げた全身の筋肉が特徴的だ。
冬でもノースリーブ1枚で過ごす為、よく生徒からボディビルダーの真似をしてくれとせがまれる。
先生はステージの中央に立つと、スタンドマイクの高さを合わせる。
:09/08/19 00:00
:SH705i
:pzdb7g66
#491 [ぎぶそん]
「皆、優勝したいかぁ〜!」
「オーッ!」
「長野のスキー旅行に行きたいかぁ〜!」
「オーッ!」
毎年お馴染みの、宗教じみた掛け合いが体育館の熱気を上げる。
私も抑揚のない表情で、周りと同じタイミングで拳を挙げる。
このやり取りをする度、昔こんなクイズ番組があったことを思い出す。
:09/08/19 00:02
:SH705i
:pzdb7g66
#492 [ぎぶそん]
私たち女子バレーは、生徒会の説明により第2体育館で試合が設けられることとなった。
まず、A・B・E・F組が第1ブロックでそれぞれ他の3クラスと対戦をし、
C・D・G・H組が第2ブロックで同じように試合をする。
そして、各ブロックからそれぞれ白星の多かった2組が準決勝進出となる。
:09/08/19 00:09
:SH705i
:pzdb7g66
#493 [ぎぶそん]
私たちB組の第1試合の対戦相手は、隣のA組であった。
相手チームは小柄な子が多く、おどおどと動く球を怖がる子ばかりだった。
多分、運動に自信のある子は他の種目に回って、余った子たちがバレーに寄せ集めといった感じになったのだろう。
勝敗が決まるのにそんなに時間は掛からず、私たちは25対10という圧倒的な形で最初の勝利を収めた。
:09/08/19 00:15
:SH705i
:pzdb7g66
#494 [ぎぶそん]
続いて、優平のクラスのF組との試合。
最初の号令で1列になった時、相手のチームに竹下さんの姿があることが分かった。
私と目が合うと、彼女が"負けないわよ"と口を動かした。
そして、相手チームのサービスから試合が始まる。
4対6。
押しつ押されつつの試合が、初めは繰り広げられた。
:09/08/19 00:24
:SH705i
:pzdb7g66
#495 [ぎぶそん]
22対25。
約30分後、試合が終わった。
ラストを決めたのは、F組のチームで1番背が高い子の後衛のライトに向かったレシーブだった。
F組の子たちは後ろのコートのラインぎりぎりにボールを落とすのが上手かった。
私たちがボールカットに間に合わないことで、敵チームに点を入れる結果に繋がってしまった。
私たちに最初の黒星がついた。
第2試合とまだまだ試合は始まったばかりだ。
皆の顔に不安が過ぎった。
:09/08/19 00:34
:SH705i
:pzdb7g66
#496 [ぎぶそん]
「皆、暗い顔しない!
次の試合で勝てば準決勝に進めるんだし。
過ぎた試合のことなんか忘れましょ!」
試合終了後、エリが明るく皆に声を掛ける。
周りにじめじめとした空気が漂うと、彼女は率先してその空気を取り払う役に回る。
本心なのか頑張ってそうしているのかは分からないが、彼女はどんな時も落ち込んだりはしなかった。
彼女のあっけらかんとした性格が、これまで何度もチームの危機を救ってきた。
:09/08/19 00:48
:SH705i
:pzdb7g66
#497 [ぎぶそん]
その後1試合空いて行われた、E組との第3試合。
25対13で私たちは第1ブロックで2勝1敗という成績を残した。
E組はA組同様、運動に自信のなさそうな子が多かったので、
相手チームのグタグタなプレーがそのまま彼女らの自滅を呼んだ。
A組が0勝3敗、E組は1勝2敗、F組は3勝0敗。
準決勝進出は、私たちB組と全勝したF組に決まった。
:09/08/19 00:53
:SH705i
:pzdb7g66
#498 [ぎぶそん]
「皆、とりあえず準決勝進出おめでとう〜!」
昼休み、私たちのチームは教室の机を固め、皆で輪になって昼食を取ることにした。
「長谷部さんと雨宮さんの仲良し2人が息ピッタリで、こっちまでびっくりしちゃった!」
「正にあ・うんの呼吸だね!」
皆がこれまでの試合の内容を振り返りながら、弁当に手をつける。
:09/08/19 01:01
:SH705i
:pzdb7g66
#499 [ぎぶそん]
「本当、雨宮さんって凄く頼りになる!
部活動やってないのに運動神経抜群だし。
午後からの試合でも活躍を期待してます。」
私の隣に座る高山さんが、私に向かって小さく微笑んだ。
彼女も同じ帰宅部で、放課後下駄箱で一緒になった時は、笑顔で挨拶してくれる印象がある。
ママさんバレーでの試合の時も、「雨宮さん凄いね!」などといった台詞を何度も言ってくれていた。
他人の良いと思う部分があれば、正直にそれを口にするタイプの人間なのだろう。
:09/08/19 01:08
:SH705i
:pzdb7g66
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194