WHITE★CANDY
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#1 [ぎぶそん]
皆さん初めまして。

シングルファーザーの父親と娘を取り巻く、様々な日常を描いた(つもりの)ストーリー。

上手く書けないかも知れませんが、よろしくお願い致しますm(__)m

⏰:09/01/13 09:43 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#2 [ぎぶそん]
Chapter01
「私の父親」

⏰:09/01/13 09:46 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#3 [我輩は匿名である]
頑張ってね

⏰:09/01/13 09:49 📱:F703i 🆔:4HUE4Uhc


#4 [ぎぶそん]
「ねぇ、お父さん?」

「どうした?真希。」

「どうして、私の家にはお母さんがいないの?」

「そんなことはないぞ。
母さんはな、いつもお空の上から、真希のこと見守ってくれているんだぞ。」

「本当に?」

「ああ、本当に。」

⏰:09/01/13 09:54 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#5 [ぎぶそん]


遠い昔の記憶。
確かあれは、私が幼稚園の時だったっけ。

あれから十年以上が経ち、私も現在は高校二年生となった。

朝、家を出て学校を行くまでの間、晴れの日は欠かさず空を見る。

快晴よりは、幾つもの雲がゆったりと泳いでいる方が、私は好きだ。

「行ってきます、お母さん。」

空に、手をかざした。

⏰:09/01/13 10:03 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#6 [ぎぶそん]
我輩は匿名であるさん

さっそくの閲覧、有り難うございます!(^^)
これから更新に頑張りたいと思いますm(__)m

⏰:09/01/13 10:07 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#7 [ぎぶそん]
雨宮真希、17歳。

私には物心ついた時から、母親という存在がいない。

私を産んですぐ、お母さんは交通事故で亡くなったらしい。

幼い頃は母親がいないのを寂しく感じていたが、今ではもうそれも慣れてきた。

父親が男手一つで、私を育ててくれている。
だから、全然不幸せとかは感じない。

⏰:09/01/13 10:19 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#8 [ぎぶそん]
「真希、おはよ!」

「…はよ。」

教室に入って、席に座るや否や、クラスメートの女子が、私の元に近寄ってくる。

彼女の名前は、長谷部エリ。
一年の時も同じクラスで、いつも行動を共にしていた。

私が学校で、一番親しくしている人物。

⏰:09/01/13 10:30 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#9 [ぎぶそん]


「雨宮真希ってさー、愛想悪いよね。」

「うん、何か冷たい。」

私の第一印象は、良く思われないことの方が多い。

口数が少なく、あまり笑わないことが原因だろう。

長身に細身のこの"モデル体型"の見た目が、さらに同性から『気取っている』と、反感を呼ぶ。

⏰:09/01/13 10:41 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#10 [ぎぶそん]
そんな中、今目の前にいるエリだけは、初めて会った時から、私にちょっかいを出してきた。

私とは身長差が10センチ以上あり、全体的に小柄なのが特徴。

ショートヘアに外ハネの髪型が、彼女の陽気な性格を際立たせる。

制服のスカートは、規定の長さよりいつも短く、進路指導の先生にしょっちゅう叱られている。

⏰:09/01/13 10:48 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#11 [ぎぶそん]
「ねぇ、商店街の中に、新しくクレープ屋さんがオープンしたんだって。
今日の放課後行かない?」

「うん。」

「やっりぃ〜!
じゃあ、元基と優平も誘っておくね!」

チャイムが鳴り、エリが自分の席に戻る。

こんな風に、いつも彼女の提案から、私たちの行動内容が決まる。

⏰:09/01/13 10:55 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#12 [ぎぶそん]
少し静かになった教室で、朝のホームルームが始まるのを待つ。
担任は、いつも数分遅れてやって来る。

その間、私は窓の外の景色を見るのが日課だ。

ガラッ―

教室のドアを勢いよく開ける音に、目をやった。

そこにいるのは、中年で小太りな担任とは対象的な、30代位の背の高い男だった。

⏰:09/01/13 11:22 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#13 [ぎぶそん]
教室の中にいる全員がその男に目を向け、一斉に辺りがシーンとなる。

「真希、弁当。」

沈黙を破ったのは、男のその一言だった。

男はクマの絵柄のついた黄色い弁当袋を、目の前に差し出す。

雨宮城、37歳。
私の父親であり、この世にいる唯一の家族。

⏰:09/01/13 11:30 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#14 [ぎぶそん]
窓側の席から離れ、ゆっくりとドア前の父の所まで歩く。

朝、カバンに入れたと思っていた弁当を受け取る。

二人の間に会話はないまま、父は去っていった。

恥ずかしい…―

教室の皆の無言の視線が、見えない針となって、私の体中に刺してくる。

⏰:09/01/13 11:39 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#15 [ぎぶそん]
「いいなー、私もあんなカッコイイお父さんが良かったー。」

「俺も真希の親父、見たかったなー。」

放課後。
エリと男子二人の四人になって、下校している。

一人は、羽田元基。
隣のクラスにいる、エリの彼氏。

⏰:09/01/13 11:46 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#16 [ぎぶそん]
「…ああいう非常識な所があって、時々まいるよ。」

「真希のこと、まだまだ可愛いんだって!
大事にされてる証拠!」

「そうそう、俺なんて三人兄弟の末っ子だから、どうでもいいように扱われてるし!」

元基が、げらげらと笑う。
明るいエリに相当する、おちゃらけた人物。

⏰:09/01/13 11:55 📱:SH705i 🆔:zU0rc2Fg


#17 [ぎぶそん]
「優平も、俺ん家の母ちゃん見たことあるよな?」

「ああ。」

もう一人は、桜井優平。
私たち三人とは、クラスがだいぶ離れている。

成績は常に学年トップであり、落ち着きがあり、物静かな少年である。

⏰:09/01/14 18:23 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#18 [ぎぶそん]
私たち四人は、一年の時は皆同じクラスにいた。

元基と優平は、同じサッカー部に所属していることからつるみ始め、
エリと元基が交際するようになってから、四人で遊びに出かけたり、よく一緒にいるようになった。

二年になって、クラスがバラバラになっても、こうして変わらず集まっている。

⏰:09/01/14 18:31 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#19 [ぎぶそん]
「んー!美味しー!」

「うん、うめぇ!」

クレープ屋さんでイスに座り、それぞれ注文したメニューを頬張る。

「真希、ほら私のも食べてみて?」

「うん。」

エリが選んだ種類のクレープを、少し食べる。
苺の甘酸っぱさが、クリームとチョコレートと混ざり合い、口の中に広がる。

⏰:09/01/14 18:40 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#20 [ぎぶそん]
「たまにはいいよなぁ、こういうのも。」

「うん、ちょっと割高だけど。」

クレープを食べ終え店を出ると、エリと元基が商店街の中をはしゃぐ。

それを後ろから、私と優平が黙ってついて行く。

私たちは、いつもこんな感じだ。
賑やかな男女と、大人しい男女の組み合わせ。

⏰:09/01/14 18:56 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#21 [ぎぶそん]
それから私たちは、商店街を抜けてすぐ近所にある、小さな公園へと足を運んだ。

キリンの形をした滑り台があることから、子供たちの間では"キリン公園"と呼ばれている。

私たち四人も、幼少時代に戻ったかのように、商店街を通った時は、ついでにここへとやって来る。

⏰:09/01/14 19:11 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#22 [ぎぶそん]
「ねぇ、靴飛ばししようよ!」

「一番遠くまで飛ばせた奴の言うことを、皆が聞くこと!」

エリと元基の提案で、四人がそれぞれブランコに立った。

私も勢いをつける為、皆に倣(なら)って力強く漕ぐ。
夕日に向かって、右足のローファーを蹴り投げた。

⏰:09/01/14 19:17 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#23 [ぎぶそん]
「元基と優平がいい勝負じゃない!?」

「エリ下手くそだな!全然靴飛んでないじゃん!」

私たちは、片足のまま自分の靴がある向かった。

エリのはすぐ近くにあり、私のはそれより少し遠くだった。

男性陣が、僅差のようで、元基が急いで片足で歩み寄り、勝敗を判定する。

「優平のが一番飛んでる!この勝負、優平の勝ち!」

⏰:09/01/14 19:24 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#24 [ぎぶそん]
「さあ優平!何でも願いをどうぞ!」

元基が優平の分の靴まで拾い、彼の元まで駆け寄る。

「えぇ!?何だろうな…。」

優平は一番になったことをあまり喜ばず、遠慮がちであった。

控えめな彼が、私たちにどんな用件を告げるのだろう。
私は少し、ワクワクしてきた。

⏰:09/01/14 19:31 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#25 [ぎぶそん]
「そうだなー…。」

優平が、ひたすら考えている仕草をする。

「もう少し口数減らしてとかは、無理だから!」

「それは私も!」

元基とエリが、自虐で笑う。

⏰:09/01/14 19:38 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#26 [ぎぶそん]
「じゃあ…皆これから、卒業して離れ離れになっても、社会人になって何十年経っても、変ったりするなよ?!」

優平が、口を開いた。

その要求は意外でもあり、私たちをいつも少し離れた距離から見守ってくれている、彼らしくもあった。

「そんなんでいいのかよ!俺、頭悪いまま大人になったら、ちょっと危ないと思う!」

「うん分かった!
私、今のままのエレガントな女性になるね!(笑)」

「えっ…。」

「ちょっと何よ、その顔はー!」

エリと元基の夫婦漫才を、私と優平は笑った。

⏰:09/01/14 19:51 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#27 [ぎぶそん]
「私たち、それぞれどんな大人になってるんだろうね?」

「あー俺、まだ進路とか全然決めてねー。」

「優平は、大学に進学だよね?」

「うん、とりあえず。」

公園を後にし、住宅街を歩く。

四人分の縦に伸びた陰が、横一列に並んでいる。

⏰:09/01/14 19:59 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#28 [ぎぶそん]
「真希はー?」

エリが、今度は私に問い掛ける。

「まだ考え中…。」

「急には決められないよねー。
でも、卒業してバラバラになっても、皆こうして時々集まったりしようね!」

エリの言葉に、皆が頷いた。
今日の夕焼けは、一段と綺麗に見えた。

⏰:09/01/14 20:04 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#29 [ぎぶそん]
「ただいま。」

夜―
居間でテレビを観ていると、会社員の父が帰宅した。

「お父さん、今日の朝、何あれ。」

「何って、お前が弁当忘れて行くから、届けに行ったんだろ。」

父がカバンをテーブルに置き、ネクタイを緩める。

「皆、絶対笑ってる。
せめて職員室に行って、担任に渡してよ。」

⏰:09/01/14 20:15 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#30 [ぎぶそん]
「いいじゃないか別に。
娘が学校でどんな風にしてるかは、親は気になる所なんだぞ。」

父がイスに座り、私が家に帰ってから作ったチャーハンをぱくつく。

「恥ずかしい…。」

私も同様にイスに座り、夕飯を始める。

⏰:09/01/14 20:22 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#31 [ぎぶそん]
小学校の時もそうだった。
運動会の徒競走で、私の出番になるとグラウンドに乱入して応援したり、放課後はよく車で迎えに来ていたりしていた。

中学の時は、文化祭で私が劇の主役に抜擢されると、ご近所にそれをわざわざ報告したりしていた。

一人娘が大事なのは分かるが、過保護な部分が見受けられる。

高校生にもなると、さすがにそれも少々煩わしくなる。

⏰:09/01/14 20:34 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#32 [ぎぶそん]
翌日―

昼休み、私は学校の屋上に一人で上がり、中央に寝転んだ。

春のぽかぽか陽気が全身に降り注いで、実に気持ち良い。

自分の視界に広がる無数の雲が、スムーズに移動する。

物事もこれ位、楽にいけばいいのに。

⏰:09/01/14 20:44 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#33 [ぎぶそん]
「よっ。」

途中で空と雲だけの視野に、優平の顔が映った。

「びっくりした。」

私は体を起こした。

「さっき、真希の姿が見えたから、後つけてきた。」

彼は私の隣に、同じように寝転んだ。

⏰:09/01/14 20:50 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#34 [ぎぶそん]
「あー、このまま寝ちゃいそー。」

「うん。」

「次の授業、何?」

「化学。そっちは?」

「国語。」

お互い、上を向いたまま会話をする。

⏰:09/01/14 20:53 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#35 [ぎぶそん]
「ねぇ、天国ってあると思う?」

「んー…、まあ、あるんじゃないの?」

「私のお母さんは、今頃この空の中で、何をしてるんだろうって思うんだ。」

「そっか。」

⏰:09/01/14 20:59 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#36 [ぎぶそん]
「お母さんは今の私と変わらない年齢の時に、お父さんと出会ってる訳だけど、
私もいずれ、誰かに恋をしたりするのかな。」

「んー、それが人間の永遠のテーマだからなー。」

空に、様々な疑問を放つ。

⏰:09/01/14 21:04 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#37 [ぎぶそん]
中学の時、見知らぬ同級生や先輩に、告白を受けたことがあった。

私には恋愛の「好き」という感情が、まだよく理解できない。

そのうち、一人の男性に対して、恋焦がれる時が来るのだろうか?

お母さんは、お父さんを好きになって、良かったと思ってる?―

⏰:09/01/14 21:08 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#38 [ぎぶそん]
「旅行!?」

「そう!夏休み皆で行こうよ!」

放課後―
エリが机の上に、旅行のパンフレットを広げている。

「優平ん家、熱海に別荘持ってるんだってー。」

優平は、この辺では有名な資産家の息子だった。

⏰:09/01/14 21:30 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#39 [ぎぶそん]
「お父さん、許してくれるかな…。」

一番のネックが、頭に浮かぶ。
これまで父の元を離れた遠出は、した経験がない。

「大丈夫って!
優平ん家が雇ってる運転手さんが、車出してくれるって!

あれだったら、私からも説得するし!」

「うん。」

⏰:09/01/14 21:36 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#40 [ぎぶそん]
「ダーメ。ダメダメ。ダ・メ。」

「…。」

夜、帰宅した父にさっそく旅行の話を持ち出すと、
予想通りの反応が返ってきた。

「付き添いの大人の人もいるし、全然危なくないって。
それに、私ももう17だよ?」

「父さんも一緒ならOKだ。」

「…そんな恥ずかしい真似、出来ないよ。」

⏰:09/01/14 22:39 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#41 [ぎぶそん]
「もういい。お父さんが何と言おうと、旅行には行くからね。

薄毛を気にしてるお父さんなんか、知らないっ。」

私はそう言い残すと、自分の部屋に篭った。

「ちょ、真希、洗面台の棚に隠してあった育毛剤見たなぁ!?」

うるさい、うるさい。
お父さんは、私を束縛し過ぎる―

⏰:09/01/14 22:52 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#42 [ぎぶそん]
エリ、元基、優平は、私が初めて心から気を許している友達。

口にはしなくとも、私は三人のことを大切に思っている。

そんな三人との、初めての旅行。
行きたくない理由なんて、これ一つもない。

⏰:09/01/14 22:59 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#43 [ぎぶそん]


「雨宮さん、一緒にお弁当食べよー。」

「…うん。」

高校に入学して数日後、昼食の時間に、エリが私に声を掛けてきた。

これが私たちの、最初のやり取り。

「雨宮さんのお弁当、美味しそー!」

「お父さんが作ってるんだ。」

「へぇ、自慢のお父さんだね。」

⏰:09/01/14 23:05 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#44 [ぎぶそん]
エリは、人懐っこく、よく笑う。
そんな女の子であった。

今までずっと、特別親しい友人がいなかった私も、エリと一緒に過ごすことで、友達がいるとう楽しさを覚えた。

それから、一年の二学期。
エリからの告白で、彼女と元基は付き合うようになった。

⏰:09/01/14 23:14 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#45 [ぎぶそん]
元基と親しい間柄の優平も一緒になって、四人で沢山の思い出を作った。

それは、ある日の放課後だった。

「元基、部活は?」

「ん、課題の再提出が終わんねー。」

教室に忘れ物を取りに戻ると、一人元基が一枚のプリントにせっせと取り組んでいた。

⏰:09/01/14 23:23 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#46 [ぎぶそん]
「…優平の分を、写せば良かったじゃん。」

彼の前の席に座り、私は思ったことを口にした。

「…友達を利用するなんて、そんなこと出来るかよ。」

彼が、歯を出してニカッと笑う。

決して賢くはないが、いい奴に違いないと確信した。
エリの彼氏であり、自分の男友達が、元基で良かったと思った。

⏰:09/01/14 23:28 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#47 [ぎぶそん]
そして、優平。

「真希、何してるの?」

今日の昼休みの時みたいに、私が一人で過ごしていると、ひょっこり現れてくれる。

殻に閉じこもりやすい私。
そんな私を、何かと気にかけてくれているのだろう。

あまり喋らない者同士、彼とは、同じ波長が漂っているのを感じる。

⏰:09/01/14 23:37 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#48 [ぎぶそん]
*感想板を作成しました
m(__)m

良かったら遊びに来て下さい!(^O^)/

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4172/

おやすみなさい(v_v)

⏰:09/01/15 00:20 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#49 [ぎぶそん]
「真希、そろそろ帰らなくていいのー?」

「うん、いい。」

放課後、エリと繁華街にあるゲームセンターに何時間も入り浸る。
この頃、毎日のように来ている。

「門限守らなくて大丈夫なの?
お父さん、心配してるかもよ?」

「いい。」

ひたすら、画面のゲームに夢中になる。

⏰:09/01/15 13:16 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#50 [ぎぶそん]
夜9時過ぎ―

「おい真希、こんな時間まで、最近どこをほっつき回ってるんだ。
ケータイも電源切ってて繋がらないし。」

「…。」

家に戻り、既に帰宅している父に咎められても、無言のまま部屋まで駆けていく。

旅行の件以来、口を聞いていない。

⏰:09/01/15 13:22 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#51 [ぎぶそん]
「雨宮さんっ。」

数日後の休み時間、移動教室で廊下を歩いていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。

振り返ると、女子の三人組がそこにいた。
確か、優平と同じクラスの子たちだ。

声を掛けた一人の子は、走ったことによって、まだ息を切らしている。

「今週の日曜日、暇?」

「え!?まあ予定ないけど…。」

⏰:09/01/15 17:11 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#52 [ぎぶそん]
「良かったら、私たちと遊ばない!?」

「へっ!?」

行くか行かないか考える前に、何故?と思った。
彼女たちとは、まともに口を聞いたことがない。

「私たちね、雨宮さんみたいな綺麗な人と、いつも仲良くなりたいなって思ってて。
皆、雨宮さんに憧れてるんだよ?」

「は、はぁ…。」

悪い気はしなかったが、少し照れた。

⏰:09/01/15 17:17 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#53 [ぎぶそん]
特に用事もないのに断るのも失礼と思ったので、私は彼女たちと遊ぶことにした。

普段、エリ以外の女の子と休日にどこか出かけるということがないから、日曜日は接し方に戸惑うだろう。

次の授業を受けている間、新しい友達が出来るかもしれないという嬉しさに駆られた。

⏰:09/01/15 17:26 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#54 [ぎぶそん]
その日の夜。

「真希。真ー希ー。真希ちゃーん。」

「…。」

部屋のドア越しに、父が何度も声を掛ける。

「おーい。そろそろ口を聞いてくれー。」

⏰:09/01/15 17:57 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#55 [ぎぶそん]
「…旅行。」

「え?」

「旅行、行ってもいいよね?」

「…。」

父が、急に静かになる。
反対という気持ちは、変わっていないようだ。

「お父さんの分からず屋っ。」

⏰:09/01/15 18:52 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#56 [ぎぶそん]
「嫌い、お父さんなんか。」

「待ってくれ真希〜。
母さんを失った父さんは、お前まで失いたくないんだよー。」

父が、執拗にドアをノックする。

「…うるさい…。」

私は、簡単にいなくなったりしない。
私って、そんなに信用できない?―

⏰:09/01/15 20:41 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#57 [ぎぶそん]
これまで父には、極力、迷惑を掛けないように生きてきたつもりだ。

父は母さんを失くした悲しみを堪え、私を養ってきてくれたのだから。

でも…―
私だって、皆と同じように気兼ねなく遊んだり、楽しい思い出を沢山作りたい。

それなりに、青春を謳歌したい。

⏰:09/01/15 20:59 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#58 [ぎぶそん]
日曜日―

街中に立ってある銅像の前で、三人組を待つ。
張り切って、約束の時間より20分も早く着いてしまった。

「うわぁ!雨宮さん、私服も可愛いー!」

予定時刻を数分過ぎた後、三人組が揃ってやって来るのが、数メートル先から見えた。

竹下さんという、三人の中のリーダー的存在の子が、私を見つけると、急いで走ってきた。

⏰:09/01/15 21:31 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#59 [ぎぶそん]
私たちはまず、映画館に行った。

三人が私の好みに合わせてくれると言ったので、ゾンビを取り扱った内容の映画を観た。

「雨宮さんの趣味って、個性的だね、アハハ…。」

「で、でも!なかなか楽しかったね!」

館内を出た後、三人が様々な感想を述べる。

⏰:09/01/16 17:15 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#60 [ぎぶそん]
その後は、街をぷらぷらして目についた雑貨屋さんやブティック店を見て回り、気に入ったものがあれば購入したりした。

「んー。甘い。」

「雨宮さん、私のも食べてみて!」

一通り買い物を終えると、アイスクリーム屋さんに入った。

吉田さんという子が、私に自分のものを勧める。
以前、エリも同じようなことをしてくれたな、と思い出した。

同性同士ではしゃぐ楽しさが、だんだんと分かってきた。

⏰:09/01/16 17:31 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#61 [ぎぶそん]
「すっかり暗くなっちゃったねー!
雨宮さん、まだ帰らなくていい?」

時計の針は、8時を過ぎた所である。
家の門限は、とっくに過ぎていた。

「うん、大丈夫。」

私は今日も、父に無断で遅く帰ることを決めた。

「そう!じゃあ最後に、とっておきの場所に連れていってあげる!」

⏰:09/01/16 18:16 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#62 [ぎぶそん]
三人に誘導されるがまま、歩き続ける。

「…ここは?」

数十分後、町外れにある、廃墟されたビルに到着した。
薄暗く、薄気味悪い。

「ここはねー、私たちの秘密の!
誰も来ることはないから、ここで包み隠さず、色んな話をするの!
ガールズトークって奴ね!」

⏰:09/01/16 19:24 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#63 [ぎぶそん]
「ねぇ、雨宮さん?」

竹下さんが、じりじりと近づく。
その表情は、さっきまでの明るさを失っている。

「桜井くんとは、付き合ってる訳じゃないよね…?」

「…え…!?」

⏰:09/01/16 19:59 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#64 [ぎぶそん]
「優平とは、ただの友達だけど…。」

「…。」

私の返答に、竹下さんは何も反応しない。
シーンとその場が静まる。

ドンッ―

数分して、竹下さんが突然私の体を突き飛ばす。

「痛っ…。」

私は、その衝撃で尻餅をついてしまった。

⏰:09/01/16 20:57 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#65 [ぎぶそん]
「…あんたさえいなければ…あんたさえいなくなれば、桜井くんは振り向いてくれるかも知れないのに。」

取り乱す竹下さん。
残りの二人は、宥める気配もなく、黙ってそれを見ている。

「あんたは邪魔な存在なのよ!」

彼女らが今日、私を誘った理由を理解した。
私のことを、ずっと恨んでいたのだ。

⏰:09/01/16 21:04 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#66 [ぎぶそん]
「皆、出て来て。」

竹下さんの合図で、今まで隠れていたと思われる、ガラの悪そうな男たちがぞろぞろと登場する。

「雨宮さん、彼氏いないんでしょ?
私が紹介してあげるね。
ここにいる中から、好きなの選んでいいよ。」

竹下さんが、不気味な笑みを浮かべる。

⏰:09/01/16 22:24 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#67 [ぎぶそん]
「へぇ、なかなか可愛いじゃん。」

「ねぇ、俺らといいことしようよ?」

図体のデカい男と、金髪の男が近づく。

金髪の男が、私の左手首を掴む。

「離して…っ!」

私はその手を振り払い、パーカーのポケットから、携帯電話を取り出した。

⏰:09/01/16 22:29 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#68 [ぎぶそん]
「もしもし、エリ?…あっ!」

エリに助けを呼ぼうとするが、金髪の男に携帯電話をすぐに取り上げられた。

「なーにしてんの?
さあ、俺らと遊ぶよ?」

ニヤニヤと笑う金髪の男。

怖い…―

⏰:09/01/16 22:33 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#69 [ぎぶそん]
「あっ!あれ何だろう?」

私は建物の中の、遠くを指差した。

私のそのしぐさで、男たちが一斉に指差さす方を確認する。

私はその隙に、その場を勢いよく走り出した。

古典的なやり方が、結構容易に通用した。

⏰:09/01/16 22:38 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#70 [ぎぶそん]
廃墟ビルから出て、ひたすら一直線に走り続ける私。
徒競走には少し、自信があった。

「待てー!」

後ろから、男たちが追ってくる。

とりあえず、人気の多い所に―

⏰:09/01/16 22:43 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#71 [ぎぶそん]
「あっ…!」

足がそろそろ疲れ切ってしまいそうな時に、私はつまづいてしまった。

遂に、追っていた男たちとの距離はなくなってしまった。

「雨宮さん、逃げるなんてひどいわね。
せっかく私たち、今日誘ってあげたのに。」

私を取り囲む男たちの中心に、竹下さんが腕組みをして仁王立ちをする。

⏰:09/01/16 22:49 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#72 [ぎぶそん]
「…私が消えたとしても、優平はあなたを好きになったりなんかしない!」

私は地面に倒れたまま、竹下さんの目を見て言った。

「何ですって!
皆、好きにやっちゃっていいよ!」

私のその一言は、彼女の怒りの導火線に触れてしまった。

もうダメだ…―

⏰:09/01/16 22:54 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#73 [ぎぶそん]
全力で走った後で、立ち上がる気力は残っていなかった。

そして、恐怖に立ち向かう勇気もなかった。

お父さん、ごめんなさい。
きちんと門限を守っておけば、こんなことにならなくて済んだのに―

だんだんと、意識が遠退いていく。

帰りたい、お父さんが待ってる家に―

⏰:09/01/16 23:00 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#74 [ぎぶそん]
「ちょーっと待ったー!」

頭の奥の方で、聞き慣れた声がする。

「ああ?何だテメーは!?」

一人の男が、その人に向かって威圧する。

「俺は、今そこで倒れている子の父親だ。」

お、お父さん…!?―

私は、うっすらと目を開けてみた。
ラフな格好をした父の姿が、そこにはあった。

⏰:09/01/16 23:08 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#75 [ぎぶそん]
「げっ、親父かよ…。」

「おい、警察沙汰になる前にズラかろーぜ。」

男たちはこぞって、その場を走り去っていった。

「真希っ。大丈夫!?」

エリが私の元に駆け寄り、私の体を抱える。

「…エリ?どうしてここが分かったの…?」

「最近、この辺の廃墟ビルで、不良軍団が何やらしてるって聞いたから、もしかしたらって…。」

⏰:09/01/16 23:18 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#76 [ぎぶそん]
「ちょっと!真希に何てことすんのよ!
この責任は、みっちり取ってもらうからね!」

エリが、竹下さんたち三人に向かって怒鳴る。

三人は、オロオロとし始め、今にも泣きそうだった。

「ま、待ってエリ…。
そんなに三人を責めないで…。」

⏰:09/01/16 23:22 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#77 [ぎぶそん]
「例え私を陥れる為の芝居だったとしても、今日一日、凄く楽しかったよ…。」

「真希…。」

嘘ではなかった。

交友関係が少ない私としては、エリ以外の女の子と遊ぶのが、
非常に新鮮で、新しい自分とまた出会えた気持ちになった。

⏰:09/01/16 23:29 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#78 [ぎぶそん]
「ごめんなさい…雨宮さん…。」

三人が私に謝りながら、声を上げて泣き出す。

「今度真希を誘う時は、私の許可が必要だからね!」
エリが、きつく三人に言う。

「うん、うん…。」

ふう、これで一件落着…―

長い休日が、終わろうとしていた。

⏰:09/01/16 23:35 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#79 [ぎぶそん]


「膝、派手に擦りむいちゃったなー。
帰ったら消毒だな。」

父が私をおんぶをしながら、家まで帰宅する。


「お父さん、心配かけてごめんなさい…。」

「おっ、今日はやけに素直だな!」

「お父さんこそ、全然怒らないね。」

⏰:09/01/16 23:40 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#80 [ぎぶそん]
「母さんもなー、学生の時、今日みたいに女子から恨みを買われてたなー。」

「へぇ、どうして?」

「そりゃ、父さん絡みだろー。」

「…自分で言わないでよ…。」

「ハハハ。
まあ、母さんは同性から妬まれやすかったな。
男子の注目の的だったし。」

⏰:09/01/16 23:45 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#81 [ぎぶそん]
「…竹下さんたちのこと、学校に言ったりしたらダメだよ?」

「はいはい、お嬢様。
やっぱ、そういうところが母さんに似てるな!

母さんも、いつも『あの人たちを責めたりしないで』って、最後に言ってたわー。」

「…。」

⏰:09/01/16 23:50 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#82 [ぎぶそん]
「…お父さん。」

「何だ?」

「…今日こんなことがあったし、旅行はもう行っちゃだよね。」

本当は一人だけ行けないのは寂しいが、父をこれ以上不安にさせたくないので、諦めることにした。

⏰:09/01/16 23:55 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#83 [ぎぶそん]
「…エリちゃんって、お前と比べて随分ちっちゃいのに、パワフルな子だよな。」

「え?うん。」

「彼女、『お父さん、真希が危ないかもです』って、真っ先に俺んとこに連絡してくれたんだぞ?

その後はー、めぼしい所を駆けずり回って。」

「うん…。」

私の為に必死になってくれたエリを思うと、胸がキュッと締め付けられる。

⏰:09/01/17 00:00 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#84 [ぎぶそん]
「…向こうに行ったら、一日一回は連絡すること!」

「えっ?」

「友達との旅行、楽しんで行ってこい!」

「お父さん…。ありがとう…。」

背中越しに、遂に父の承諾を得た。

⏰:09/01/17 00:04 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#85 [ぎぶそん]
「お父さん!」

「何だ?まだ何か不満があるのか?」

「さっき、私のピンチに駆け付けてきた時の姿…かっこよかったよ。」

父の首に回してる両腕を、ギュッと更に力を入れる。
目をつむり、父の背中に顔をうずめる。

お父さんの匂い、安心するな―

⏰:09/01/17 00:09 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#86 [ぎぶそん]
真希、真希ってうるさくて、
いつまでも幼い子供みたいに私を扱う所が、時々"ウザい"と感じる。

でも、いざという時は私の気持ちを一番に解ってくれるんだ。

男手一つで、ここまで育てるの、大変だったよね…?

いつもありがとう、お父さん。

―Chapter01 END.―

⏰:09/01/17 00:19 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#87 [ぎぶそん]
Chapter02
「恋という感情」

⏰:09/01/17 11:57 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#88 [ぎぶそん]
「真希、どっか転んだのかそれ。珍しいな。」

「え、うん。」

数日後の学校―

優平には、竹下さんたちとの出来事を言っていない。
もし私が告げたりすれば、彼は彼女らを、これから軽蔑の眼差しで見ることになるだろう。

⏰:09/01/17 12:03 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#89 [ぎぶそん]
「雨宮さーん!
一緒に購買行こう!」

教室のドアの前で、数人の女子が私を呼ぶ。

「お前、竹下たちと仲良いんだ?」

「うん。じゃあ、またね優平。」

あの日以来、竹下さんたちとは、穏和な関係を築けている。

⏰:09/01/17 16:42 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#90 [かほ]
おもしろいです
更新たのしみです!!

⏰:09/01/17 16:44 📱:D903iTV 🆔:86aXJrCk


#91 [ぎぶそん]
かほさん☆

ありがとうございます(^o^)
毎日は更新するつもりです(>_<)/!!

⏰:09/01/17 16:50 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#92 [ぎぶそん]
「雨宮さん、私桜井くんのことは諦めるから!」

「えっ。うん。」

「自分でも分かってたの、桜井くんは遠い存在だって。」

購買でお菓子を選んでいる時、竹下さんにこんなことを言われた。

⏰:09/01/17 16:55 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#93 [ぎぶそん]
優平は、成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗ということもあって、女子からそこそこの人気があるそうな。

中には抑えられない気持ちを、告白という形で告げた者もいるという。

恋か―

私にはまだ、よく分からない感情だ。

私もいつかこないだの竹下さんみたいに、
一人の人を思う余りに、
自分自身を狂わしてしまうほどの心に、出会ってしまうのだろうか。

⏰:09/01/17 17:06 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#94 [ぎぶそん]
放課後―

「ねぇ、エリ。」

「ん?」

「人を好きになるって、どんな感じ?」

「何々ー!?真希、気になる人でも出来たのー!?」

教室の前のベランダに出て、私はエリに質問をしてみた。

⏰:09/01/17 18:47 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#95 [ぎぶそん]
「そうじゃないんだけど、どうして男の人がたくさんいる中で、エリは元基を好きになったのかなーって。」

グラウンドを眺めると、元基と優平が、サッカー部の練習に明け暮れていた。

「んー!
例えば、真希はメロンパンが好きでしょ?
人を好きになるなんて、それと一緒よ!」

「へ!?それだったら私、お父さんやエリにも恋してることになるよ?」

⏰:09/01/17 18:54 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#96 [ぎぶそん]
「んーっとね、メロンパンを食べてる時、すっごく幸せでしょ?

これが異性の間で言うと、『会話してるだけで楽しい』って気持ちかな?

でも、二日三日経って『そろそろ食べたいなー』って思ったんだけど、メロンパンは売り切れてて…
『ああ、早く食べたい、早く食べたい』って。
あんパンやカレーパンには目もくれず!

これが異性の間で言う、『会いたい』って気持ち!これが恋よ!」

⏰:09/01/17 19:04 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#97 [ぎぶそん]
「よく分かんないけど…好きな人とメロンパンは似てるんだね?」

「ん、んー…?
まあ、真希にもその内、理解する時が来るって!」

「うん。」

恋ってきっと、楽しいんだろうな…―

得意げなエリの顔を見て、何となくそう思った。

⏰:09/01/17 20:00 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#98 [ぎぶそん]
数日後。
放課後、私は学校のすぐ近くにある本屋に来ていた。

「…雨宮!?」

「…秀先輩!」

参考書を物色していると、中学の時の一つ上の先輩に偶然会った。

⏰:09/01/17 20:14 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#99 [ぎぶそん]
寺岡秀一郎先輩。
現在、私の学校で生徒会長を務めている。

180センチの高身長に、爽やかな見た目。
掛けている眼鏡が、知的な印象を与える。

中学の時、委員会で一緒になったことがきっかけで、学校ですれ違えば、話す程度の仲になっていた。

⏰:09/01/17 20:23 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#100 [ぎぶそん]
「秀先輩、それT大の試験問題じゃあ…!」

先輩が手にしている本を指差して、私は言った。

「ん?ああ、とりあえず今年受験してみようかなって。」

「とりあえず、って言えるレベルじゃないですよ!」

知り合いの先輩は、日本一の大学に挑もうとしていた。

⏰:09/01/17 23:47 📱:SH705i 🆔:6QbR1UbY


#101 [ぎぶそん]
「雨宮、これ解けるか?」
先輩が、違う参考書の四沢問題のページを開いて、私に示してきた。

「えっとー…答えはAかな?」

「うん、正解!
大変よくできました!」

笑顔で私の頭を撫でる先輩。

⏰:09/01/18 17:54 📱:SH705i 🆔:ta6MnWi2


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