WHITE★CANDY
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#11 [ぎぶそん]
「ねぇ、商店街の中に、新しくクレープ屋さんがオープンしたんだって。
今日の放課後行かない?」
「うん。」
「やっりぃ〜!
じゃあ、元基と優平も誘っておくね!」
チャイムが鳴り、エリが自分の席に戻る。
こんな風に、いつも彼女の提案から、私たちの行動内容が決まる。
:09/01/13 10:55
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#12 [ぎぶそん]
少し静かになった教室で、朝のホームルームが始まるのを待つ。
担任は、いつも数分遅れてやって来る。
その間、私は窓の外の景色を見るのが日課だ。
ガラッ―
教室のドアを勢いよく開ける音に、目をやった。
そこにいるのは、中年で小太りな担任とは対象的な、30代位の背の高い男だった。
:09/01/13 11:22
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#13 [ぎぶそん]
教室の中にいる全員がその男に目を向け、一斉に辺りがシーンとなる。
「真希、弁当。」
沈黙を破ったのは、男のその一言だった。
男はクマの絵柄のついた黄色い弁当袋を、目の前に差し出す。
雨宮城、37歳。
私の父親であり、この世にいる唯一の家族。
:09/01/13 11:30
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#14 [ぎぶそん]
窓側の席から離れ、ゆっくりとドア前の父の所まで歩く。
朝、カバンに入れたと思っていた弁当を受け取る。
二人の間に会話はないまま、父は去っていった。
恥ずかしい…―
教室の皆の無言の視線が、見えない針となって、私の体中に刺してくる。
:09/01/13 11:39
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#15 [ぎぶそん]
「いいなー、私もあんなカッコイイお父さんが良かったー。」
「俺も真希の親父、見たかったなー。」
放課後。
エリと男子二人の四人になって、下校している。
一人は、羽田元基。
隣のクラスにいる、エリの彼氏。
:09/01/13 11:46
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#16 [ぎぶそん]
「…ああいう非常識な所があって、時々まいるよ。」
「真希のこと、まだまだ可愛いんだって!
大事にされてる証拠!」
「そうそう、俺なんて三人兄弟の末っ子だから、どうでもいいように扱われてるし!」
元基が、げらげらと笑う。
明るいエリに相当する、おちゃらけた人物。
:09/01/13 11:55
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#17 [ぎぶそん]
「優平も、俺ん家の母ちゃん見たことあるよな?」
「ああ。」
もう一人は、桜井優平。
私たち三人とは、クラスがだいぶ離れている。
成績は常に学年トップであり、落ち着きがあり、物静かな少年である。
:09/01/14 18:23
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#18 [ぎぶそん]
私たち四人は、一年の時は皆同じクラスにいた。
元基と優平は、同じサッカー部に所属していることからつるみ始め、
エリと元基が交際するようになってから、四人で遊びに出かけたり、よく一緒にいるようになった。
二年になって、クラスがバラバラになっても、こうして変わらず集まっている。
:09/01/14 18:31
:SH705i
:E1ThpYqg
#19 [ぎぶそん]
「んー!美味しー!」
「うん、うめぇ!」
クレープ屋さんでイスに座り、それぞれ注文したメニューを頬張る。
「真希、ほら私のも食べてみて?」
「うん。」
エリが選んだ種類のクレープを、少し食べる。
苺の甘酸っぱさが、クリームとチョコレートと混ざり合い、口の中に広がる。
:09/01/14 18:40
:SH705i
:E1ThpYqg
#20 [ぎぶそん]
「たまにはいいよなぁ、こういうのも。」
「うん、ちょっと割高だけど。」
クレープを食べ終え店を出ると、エリと元基が商店街の中をはしゃぐ。
それを後ろから、私と優平が黙ってついて行く。
私たちは、いつもこんな感じだ。
賑やかな男女と、大人しい男女の組み合わせ。
:09/01/14 18:56
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:E1ThpYqg
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