WHITE★CANDY
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#202 [Gibson]
「よーし、今日は東吾くんの歓迎を祝って焼き肉だ!
奮発していい肉買ってきたぞー!」
鼻歌まじりにエプロンを身につけ、キッチンに立つ父。
居候がやって来たという環境に、子供のようにワクワクしているみたいだ。
その居候はというと、テーブルの上の袋菓子をつまみながら、ゲームの続きに熱中する。
初めてこの家に来たにしては、少々くつろぎ過ぎではないかと心の中でツッコミを入れた。
:09/01/26 02:07
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#203 [Gibson]
三人で囲む夕飯の席。
居候一人の存在で、取り留めのないことも大きく違ってみえる。
「お父さん、おかわりお願いします!」
元気よく東吾さんが、空にした茶碗を父に差し出す。
私は、焦げ付かないように、プレートの上の肉を数枚ひっくり返している。
「何だか、真希にお兄ちゃんが出来たみたいだなぁ!」
ご飯を入れた茶碗を東吾さんに渡すと、父が私に明るい声で話し掛ける。
:09/01/26 02:24
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#204 [Gibson]
お兄ちゃん、か。
父は今まで極力、私に寂しい思いをさせないように務めていた。
今回東吾さんを迎え入れたのも、きっとそういう意図も含めてのことだろう。
しばらくは家族同然の付き合いをするのだから、敬語は遣わなくていいよ、と続けて東吾さんに言われた。
その言葉に甘え、これから"東吾兄"と呼ぶことにした。
:09/01/26 15:45
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#205 [Gibson]
一階にある空き部屋が、東吾兄の部屋となった。
晩御飯を食べ終えてから、その部屋を覗いてみると、引っ越しの荷物がまだ無造作に置かれていた。
和室に不似合いの、インテリアなテーブルや棚が部屋を飾っている。
たった一日だけで、人気がするようになったこの部屋を、不思議な気持ちで見ていた。
:09/01/26 18:37
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#206 [Gibson]
次の日の朝、いつもの様に制服に着替えてから、リビングで朝食を取る。
トーストをかじりながら、TVのニュースに目をやる。
人の命に関わらない出来事を見ない日はないな、と感じる。
CMに入った時、タタタッと素足でフローリングを駆ける音が聞こえた。
「マキロン、トイレどこだっけ!?」
:09/01/26 18:44
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#207 [Gibson]
東吾兄か、と軽い気持ちで声のする方に姿勢を向ける。
"マキロン"とは、彼が私につけたあだ名だ。
しかし、振り向き様に思わず、「きゃあっ!」と叫んでしまった。
目に映ったのは、トランクス一枚で下半身を押さえながら立っている、東吾兄の姿だった。
「あ、ごめんごめん!
昨日の夜、暑くてさー。」
:09/01/26 18:54
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#208 [Gibson]
「…トイレは廊下を出たすぐ目の前。」
彼を見ず、場所の方向を指差した。
「サンキュー!」
再び素足で駆ける東吾兄。
何と言うか、家だというのに気を許せないな―
苦笑しながら、コップの牛乳を飲む。
:09/01/26 19:07
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#209 [Gibson]
その後学校の休み時間の間に、早速エリたちに居候と暮らすことになったことを報告する。
ベランダの柵を掴みながら、私・エリ・元基・優平の順で並ぶ。
「真希のお父さんも、思い切ったことするよねー。」
紙パックのジュースを飲みながら言うエリ。
「それは楽しくなりそうだな!」と、脳天気な感想を述べる優平。
その紳士的な笑みが、今日は少し憎い。
:09/01/26 21:08
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#210 [Gibson]
優平も、家では下着姿でうろついたりするのだろうか、と一瞬妙なことを想像してしまった。
彼を異性として意識しだしてからの自分は、どうも変だ。
一つだけ言えるのは、恋をすると、人は平常心を保てなくなる。
恋って不思議。
:09/01/26 22:17
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#211 [Gibson]
放課後、私は東吾兄を学校近くの商店街に呼び出した。
スーパーの買い物に付き合ってほしいという用件だ。
今日は月に数回ある、大安売りの日。
店内は、いつもより多い買い物客で賑わう。
「お一人様一個でーす!」
特売の卵のパックを得る為、列に並ぶ私と東吾兄。
:09/01/26 22:28
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