WHITE★CANDY
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#285 [ぎぶそん]
「あ、そうそう。
例の旅行の件なんだけど、この夏優平のおじ様が仕事で別荘に滞在しててさ、中止になりそうって。」
旅行とは一学期に四人で計画し、この夏休みに実行するはずだったもの。
「え?そうなんだ…。」
せっかく過保護の父に了承を得たのに、仕方ないとはいえ気持ちは浮かなかった。
「大丈夫。残念がることはないって。そのかわり、優平が自分の家を招待してくれるってよ!」
:09/02/16 02:29
:SH705i
:FVyvlF8s
#286 [ぎぶそん]
「来週の月曜日、美原駅に着いたら迎えに来てくれるって。」
そこは優平の住む街だ。
「分かった。」
「フフ、彼ん家はきっと、別荘以上に豪勢だと思うよ。」
自分の家を見せることに抵抗していた優平が、初めて私たちを招いてくれた時だった。
:09/02/16 16:31
:SH705i
:FVyvlF8s
#287 [ぎぶそん]
その日の夜、夕飯を済ませた後、一人部屋で宿泊に備えて、かばんに荷物を詰める。
まだ一週間も先だというのに、張り切り過ぎかな。
父にはそのまま、皆で別荘に泊まりに行くということにしておいた。
また一々訂正して、うるさく言われるのが目に見えていた。
旅行じゃないなら、わざわざ男子高校生の自宅に泊まりがけする理由はない、ってね。
:09/02/16 21:30
:SH705i
:FVyvlF8s
#288 [ぎぶそん]
「マキロン、旅行なんだって?また楽しそうだな〜!」
東吾兄が、アイスキャンディー片手に私の部屋を訪ねて来た。
「東吾兄だって、大学で生き生きしてたじゃん。」
「俺さー、高校ん時はその魅力に気づかなかったけど、やっぱ制服の特権ってスゲーよなー。
それ纏ってるだけで、青春さが増すの。
うん、光陰矢の如し。」
東吾兄が、オレンジ色のアイスキャンディーをかじる。
彼の発言は、時々意味深なようで意味不明だ。
:09/02/16 21:42
:SH705i
:FVyvlF8s
#289 [ぎぶそん]
「桜田くんだっけ?
こないだ打ち上げに付き添ってくれた子も一緒なんだろ?」
「桜井だよ。」
「ああ、そうそう。
彼かっこいいよなぁ!俺にはない爽やかだわ。」
彼の話に耳を傾けながら、畳んだ衣服をかばんに詰め込む。
「なあ、マキロンさぁ…。」
東吾兄が、私の近くにしゃがみ込む。
:09/02/16 21:59
:SH705i
:FVyvlF8s
#290 [ぎぶそん]
「何?」
「もしかして、彼のこと好き?」
「えっ…。」
彼のその一言で動揺し、そこでせっかく畳んだ洋服を崩してしまった。
「やっぱり!俺の目は節穴じゃなかったか!
うんうん、彼、素敵だもんなぁ。」
子供をなだめるように、私の頭を撫でる東吾兄。
:09/02/16 22:05
:SH705i
:FVyvlF8s
#291 [ぎぶそん]
「夏は季節で一番、男女間の気持ちが高揚しちゃうから、マキロン注意しろよな〜!」
「東吾兄ってば…!」
一発叩こうとした所、東吾兄が部屋の中を暴れ回る。
二人で家中を駆けずり回り追いかけっこを続けていると、途中父に注意を受けた。
東吾兄の奴。
優平はそんな対象じゃないよ―
:09/02/16 22:38
:SH705i
:FVyvlF8s
#292 [ぎぶそん]
そして、月曜日。
エリから回ってきたメールによると、昼の13時に駅に集合となっている。
今日の服装は、お気に入りの白いシャツに、下はピンク色のプリーツスカートを履いたといった所だ。
これから数日間、意中の男性の家に上がり込むとになる。
先日雑貨屋さんで購入した、ハート形のネックレスも身につけた。
:09/02/16 23:55
:SH705i
:FVyvlF8s
#293 [ぎぶそん]
昼食を取ってから家を出て、午後12時半、電車で優平の住む街の駅まで向かう。
優平はいつも、電車通学で学校に通っている。
資産家の彼の家なら使用人が車を出してくれそうだが、彼はそれを断ったらしい。
走る電車の中、彼はいつもどんな気持ちで自宅と学校を行き来しているのだろう。
優しさに溢れる笑顔の中、時々哀しい目をする理由を知りたい。
:09/02/17 00:07
:SH705i
:cEdrtdZ6
#294 [ぎぶそん]
「エリと元基、まだかな…。」
駅の正門の前で、何度も腕時計で時間を確認する。
集合時間から5分経っても、二人は一向に現れなかった。
「真希!」
それからまた5分経った頃、優平が手を振りながらやって来た。
水色のシャツに少しダボついた灰色のズボン。
夏休みに入ってから初めて見る、彼の姿。
:09/02/17 00:14
:SH705i
:cEdrtdZ6
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