WHITE★CANDY
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#461 [ぎぶそん]
「私もソフトテニス部だったけど、一年で辞めちゃった。」
私たちの走る音だけが、早朝の静けさ漂う街の中で響いている。
「私と真希ってさ、一緒の部活に入ってたとしても、きっといいコンビだったと思うなー!
インターハイも夢じゃなかったかもね!」
エリが夏に輝く太陽のように笑う。
何となく、元基が彼女を離さない気持ちが分かる気がした。
:09/08/14 23:49
:SH705i
:IFuzHb0U
#462 [ぎぶそん]
「ところでさ、エリってどうしてこの大会に毎年熱入れてるの?
体育の授業での試合なんかは、別に勝ち負けにこだわったりしてないじゃん。」
少々疑問に思っていたことを、彼女に伝えた。
「去年真希・元基・優平と同じクラスになって、絶対優勝してさ、皆でスキー旅行の思い出を作りたいと思ったの。
でも、叶わなかったでしょ?
だから今年こそは優勝して、真希と女だけの旅行に行ってやるんだって、固く決めてるの!」
:09/08/14 23:56
:SH705i
:IFuzHb0U
#463 [ぎぶそん]
初めて知ったエリの小さな想いに、胸に込み上げるものがあった。
私たちのグループの中で、私たちのことを一番考えてくれるのは間違いなく彼女。
「ほら、ペース上げるよ!
ちんたら走ってても体力はつかないよ!」
私は走る歩幅を上げ、彼女より少し前をリードしてみせた。
私も、この大会に賭けてみようと思った。
小さなことかも知れないけど、何か一つでも熱くなれるものがあるのって素敵なことだから。
そして何より、エリの気持ちに応えたい。
:09/08/15 00:04
:SH705i
:BIENbVyI
#464 [ぎぶそん]
「ブレイブアターック!」
「痛っ。いきなり何?」
その晩、家にあったソフトボールを、
夢中になってTV番組を観ている東吾兄の頭部目掛けて打った。
「ひどくない?
あだ名の由来がアニメの登場人物だなんて。」
AB型の私は妙な所で根に持ったりするタイプだ。
:09/08/15 20:50
:SH705i
:BIENbVyI
#465 [ぎぶそん]
「あ、気付いた?
でもマキロン隊長は神様みたいな存在なんだぞー。」
「はいはい。」
私はTVの近くに落ちたソフトボールを拾った。
「おっ真希、今度の大会のバレーに向けて練習かい?」
父が人数分のオレンジジュースを持ってやって来た。
:09/08/15 20:55
:SH705i
:BIENbVyI
#466 [ぎぶそん]
「…お父さんって高校の時何か部活やってたっけ?」
「3年間ずっとバスケをやってて、3年の時にはキャプテンを勤めてたぞ!
エッヘン!」
得意げそうに、大きく胸を張る父。
父のその姿に目も暮れずに、東吾兄がジュースをごくごく飲む。
:09/08/15 20:59
:SH705i
:BIENbVyI
#467 [ぎぶそん]
「元基と優平も、今度の大会でバスケするらしいよ。」
「んー、あの2人じゃ父さんの持つボールすら奪えないだろうな。
ハハハハハハ。」
「ブレイブアターック!」
「痛っ。」
私は父の顔面を的にソフトボールを撃った。
調子に乗るその口を塞いだ。
:09/08/15 21:05
:SH705i
:BIENbVyI
#468 [ぎぶそん]
次の日の昼休み、大会のバレーのチーム全員で話し合いが行われることとなった。
事の発端は今朝のジョギング中、エリがふと口にしたことがきっかけだった。
『私たち2人が腕を上げてもさ、他の人が弱かったりチームワークが悪かったりしたらなーんにもならないじゃない。』
一理あるその発言に私たちは他のメンバーに呼びかけをし、こうして今使われていない空き教室に集まったのである。
:09/08/15 21:17
:SH705i
:BIENbVyI
#469 [ぎぶそん]
「これから毎日、昼休みの時間を利用してバレーの練習をします。
帰宅部の人は、放課後出来るだけ屋上でやる練習に来て下さい。
日曜日は、私と真希が通っているママさんバレーに、皆も参加してもらいます。
何か意見のある人はいますか?」
皆の代表となってエリが話を進める。
その問い掛けに、「ないです」「ありません」の声が飛び交うと少しホッとした。
聞く所によると、大会の日程が決まってから、大半の人がやる気に満ち溢れ毎日の運動量を上げていたらしい。
このクラス、というかこの学校、勝負事になると本気で燃えるみたいだ。
:09/08/15 21:27
:SH705i
:BIENbVyI
#470 [ぎぶそん]
放課後、さっそく屋上で練習が行われた。
集まったのは私とエリを含む4人。
他は部活生らしい。
私たちは2人組のペアを作り、パス練習をひたすら続けた。
「夕日をバックにバレー練習に打ち込む私…。
全ては勝利の為…。
うーん!これぞ正に青春って感じ〜!」
2人でパスを続けながら、何やら自分に酔いしれるエリ。
私たちの腕はみるみると破れた毛細血管によって、赤い斑点模様が浮かんでくる。
固いボールで打ち付けられることによる腕の痛みも、回数をこなす毎に慣れていたった。
:09/08/15 21:39
:SH705i
:BIENbVyI
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