WHITE★CANDY
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#531 [ぎぶそん]
5対2。

決勝戦を見に集まった観客のどよめき声が響く。

大抵は出来るだけ鈴川姉妹のような人間にはボールを回さないようにするが、
私は敢えて逆の発想を取ることを選んだ。

少し動揺をしたのか、相手チームの空気が変わった。

私の読みが当たった。

⏰:09/08/21 00:39 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#532 [ぎぶそん]
将棋は王手を取るまで終わることの出来ないゲーム。

私は怪物・鈴川姉妹に積極的に勝負を挑んだ。

ここまで来るまでに、積み上げてきた努力がある。
姑息な手段で勝利しても、何にも嬉しくはない。

私には今、王将以外の駒は見えない。

⏰:09/08/21 00:49 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#533 [ぎぶそん]
その後、両チーム激動のプレーは続く。

鈴川姉妹のアタックも、目が慣れれば受け止め切れるようになった。
それが私たちの自信に繋がり、相手のペースにのまれることはなかった。

バレーはとにかく、どんなに不様な格好だろうがボールを地面に落とさなければいいのだ。

23対20。

必死になって食らいついた結果、点差はそこまで開かれずに済んでいた。

⏰:09/08/21 00:59 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#534 [ぎぶそん]
「真希、次ボールが来たら思い切り打ってみて!」

相手のサーブが向かってくる前、エリにこんなことを言われた。

「でも、失敗したら…。」
私はこの大会中、ずっとアタックを打つことを躊躇っていた。
1点のミスが大きな命取りに成り兼ねないと思っていたからだ。

したがって、まだ本格的なアタックを1度も打ったことはない。

⏰:09/08/21 01:07 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#535 [ぎぶそん]
「私たち、この日の為に毎日猛特訓したじゃない!?
今こそその成果を見せる時よ!」

「そうだよ、雨宮さんならきっと出来るって!
ここまでずっと引っ張ってくれたんだし、私たちは雨宮さんの判断に任せるよ。」

エリに続くように、皆が私の後を押す。

「逆転の可能性を秘めてるのは、もう真希のアタックしかないよ。」

エリの真っ直ぐな瞳が、私の全てを射止める。

⏰:09/08/21 01:11 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#536 [ぎぶそん]
相手チームの軽く投げられたサーブが来る。

「長谷部さんっ!」

後衛センターの伊東さんが、落ち着いてそれを上げる。

「真希っ!」

それを、セッター係のエリがもう1度上げた。

高く、美しいトスだ。

⏰:09/08/21 01:16 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#537 [ぎぶそん]
助走をつけ、宙に浮く私。

―迷いはない、"打つ"。

鈴川姉妹が2人がかりでブロックに回る。

私は空中で、叩くようにボールに衝撃を与えた。

姉妹のごつごつした手の平が、ネット上から顔を出す。

⏰:09/08/21 01:23 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#538 [ぎぶそん]
ボールが美鈴の右手に触れる。

角度を変えられたボールは、私たち側のコートに木葉のようにひらひらと落ちる。

24対20。
遂に相手チームのマッチポイントとなった。

一瞬にして私の視界は暗くなり、表情も青ざめてきた。

⏰:09/08/21 01:31 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#539 [ぎぶそん]
「ごめん、皆…。」

もう皆の顔すら見れなかった。
後悔でいっぱいだ。

「今のはたまたま奴らのブロックが決まっただけよ。
真希!もう1回やるよ!」
私の意表をつくように、エリがこんなことを言い出す。

「でも、また失敗したら…試合はそれで終わりだよ?」

体育館は"D組!""D組!"という声援が湧いている。
その盛り上がったムードだけで、気持ちが押されそうになる。

⏰:09/08/21 19:40 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


#540 [ぎぶそん]
「たった1度の失敗で、何弱気になってるのよ。
次は決めればいいだけのことじゃない。」

「でも…。もう無理だよ…。」

―エリ、私たちは今相手に4点も差がつけられてるんだよ!?
しかも向こうはマッチポイント。

アタックを打とうとしても、最強姉妹の2枚ブロックがついてくる。
私たちに勝ち目なんてない。

私たちの秋はここまでだったんだよ…。

⏰:09/08/21 19:49 📱:SH705i 🆔:PkYNnKgo


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